日の丸交通・生盛様1
少子高齢化が労働環境にいよいよ大きな影響を与えるようになった。とりわけ労働人口の減少に伴う労働力の確保は、企業にとって大きな課題となっている。このような中、従業員の健康を重要な経営資源とする「健康経営」が注目されている。

働き方改革でも生産性の向上と共に従業員の健康管理が最重要課題の一つとされ、健康づくり推進は「コスト」との考えを改め、「将来への投資」として前向きに捉える。それが、政府の推し進める「健康経営」だ。

タクシーで知られる日の丸交通株式会社も従業員の健康を重視する企業の一つ。「安全安心なタクシーは乗務員の健康から!」をテーマに、健康起因による事故を未然に防ぐため、2015年に「メタボ社員ZEROプロジェクト」をスタートさせた。その一環として、企業や自治体の健康づくりを支援する株式会社タニタヘルスリンク(以下、THL)の「タニタ健康プログラム」を2020年9月に導入。「3%ダイエットチャレンジ」に取り組んだ。

今回は、日の丸交通に健康経営への思いや「タニタ健康プログラム」に取り組むことで得られた成果やメリットなどをお伺いした。以下にレポートする。

<企業紹介>
日の丸交通株式会社
事業内容:タクシー・ハイヤーによる一般乗用旅客自動車運送業
創業:1950年6月13日
設立:1991年8月15日 
※日の丸自動車株式会社のタクシー部門から分社独立  
従業員数:1,640名
URL:https://hinomaru.tokyo/

株式会社タニタヘルスリンク
事業内容
(1)WEBシステムおよびソフトウェアの開発、販売
(2)健康機器、美容機器の販売およびリース
(3)インターネットによる情報サービス事業および通販事業
(4)市場調査、宣伝および広告業 他
設立:2007年3月1日
従業員数:113名
URL:https://www.tanita-thl.co.jp/

社長が「健康経営」に意欲を見せる

――貴社は2015年に健康経営への取り組みをスタートさせています。まず健康経営に取り組んだ背景をご紹介いただければと思います。

毎年2割近くの社員が生活習慣病などの健康上の問題で退職に至っていました。過剰な脂質摂取による肥満や飲酒などに起因する高血圧や高血糖、さらには心筋梗塞や脳卒中など生活習慣病発症に至る負の連鎖を少しでも断ち切り、定年まで健康に勤務してもらうための取り組みが必要であると考えていました。

もともと当社は「社員は会社の宝物」との理念を持ち、家族のように大切にする指針です。これに加え、国土交通省が乗務員の健康管理を重要なテーマとしていることもあって、健康経営に乗り出しました。

タクシー業界は高齢者が最前線で活躍しています。当社でも3人に1人が高齢者で、平均は50代。高齢者と健康ということについて、意識を向けなければなりませんでした。なお、国土交通省によれば、全国の事業用自動車の事故について乗務員の健康状態に起因する件数は2013年と比べて5年で150%も増加しており、安全運転はまずは健康からとも言えます。

――健康経営に関して、社員の方の反応はいかがですか。

前向きに捉えていると思います。先ほどもお伝えした通り、当社は社長自らが率先して社員の心身の健康を守ろうとしています。何より健康が業務の質と直結します。健康重視の考えは受け入れやすかったのではないでしょうか。
日の丸交通・生盛様2

自ら進んで楽しみながら運動し、習慣化できるのが「タニタ健康プログラム」の魅力

――健康経営の取り組みの一つとして、2020年9月にTHLの「タニタ健康プログラム」を導入しました。なぜプログラムを始めたのでしょうか。

「タニタ健康プログラム」はスマートフォンなどで計測データが管理でき、大がかりな設備を導入する必要がありません。何より、運動習慣のあまりない人でも手軽に始めやすいよう「歩くこと」を中心にプログラムが組み立てられています。

当社では、THLさんとの取り組み以前から、様々なテーマで健康の重要さを社員に訴えてきました。中でも生活習慣病の発症リスクを高めるとされるメタボリックシンドローム(メタボ)予防のために糖質制限に注目し、「メタボ社員ZEROプロジェクト」と銘打った活動を全社的に取り組んできました。このように健康経営の取り組みを始めて5年が経っており、健康の重要性は徐々に浸透してきました。

一方で、メタボ予防には糖質の過度の摂取を避けることと運動をすることが大事だとわかっていても、なかなか実行にまでは移せません。特に運動については各自に任せていたこともあって、どれだけ習慣化できているか会社では把握しきれませんでした。

――THLのプログラムは、その点の解消が見込めたのでしょうか。

はい。仲間同士で歩数を競い合う「ウオーキングラリー」などが組み込まれており、自ら進んで運動に取り組み、楽しみながら続けられる点が、当社にとって大きな魅力でした。管理も歩数の推移を確認するだけなのでとても簡単です。1日の歩数がリアルタイムで把握できるので、仮に歩数が少ない場合は「今日はもう少し歩こう」という対応もできます。

――自ら健康づくりを行っているという手応えを感じやすいですね。

意識づけはされやすかったと思います。また、事業所内に設置した体組成計で体脂肪率などが簡単に計測できるのもメリットが大きいと感じました。細かなデータを取ろうとすると、医師や看護師の力も借りなければいけないこともありますが、THLさんの体組成計はそうした必要がありません。体組成計は本社と営業所(世田谷、足立、猿江、Tokyo Bay)のすべて、計5台を設置しました。

――具体的にはどのような取り組みを行いましたか。
体組成計

この後、下記のトピックが続きます。
続きは、記事をダウンロードしてご覧ください。
●「従業員に長く働いてもらいたい」健康経営の実現に乗り出した思い
●経営層が率先して取り組むことが「健康経営」成功の秘訣
●日の丸交通社が実践した取り組み「3%ダイエットチャレンジ」の全容
●「健康経営」実現に向け、人事が実践した取り組みとは
●「タニタ健康プログラム」がコロナ禍に適していると言える理由


  • 1