インターンシップもオンライン型が主流に

次に、参加したインターンシップの開催形式(対面型、オンライン型)を見ていきます。インターンシップの参加実績がある学生だけを対象に、対面型インターンシップの参加社数を聞いたところ、「0社(応募をしていない)」が最も多く、文系36%、理系44%で、「0社(応募はした)」も文系15%、理系11%と高くなっています[図表6]
第122回 2022年卒学生の「希望するインターンシップ」や「活用している就職サイト」とは
両方を合わせた未参加者は、文系で51%、理系で55%といずれも半数以上となっています。実際に参加した社数で最も割合が多かったのは「1社」で、文系23%、理系でも24%と4分の1近くになります。次いで、「2社」がそれぞれ13%、12%で続きます。「4社以上」となると、文系では6%、理系ではさらにその半分の3%となっています。

続いて、オンライン型インターンシップへの参加社数を聞いた結果が[図表7]です。最多はこちらも「0社(応募をしていない)」ですが、文系22%、理系18%と2割前後です。「0社(応募はした)」も文系5%、理系4%にとどまりますので、両方を合わせた未参加者は、文系27%、理系22%と、対面型と比較すると半分程度となります。
第122回 2022年卒学生の「希望するインターンシップ」や「活用している就職サイト」とは
実際に参加した社数で最も多かったのは「4~6社」で、文系16%、理系18%となっています。「10社以上」との回答も文系15%、理系12%で、いずれも「1社」よりも多くなっています。「4社以上」で見てみると、文系38%、理系40%と4割程度を占めており、対面型とオンライン型を比較すると、どちらが今シーズンのインターンシップの開催形式として主流であったかは一目瞭然です。

2021年卒者向けのサマーインターンシップはほぼすべてが対面型で実施され、新型コロナウイルスが大きく騒がれ始めたのは昨年の2月でしたが、予定どおり対面型で実施されたケースがほとんどでした。そう考えると、説明会や面接については2021年卒者向けからオンライン化が一気に進みましたが、インターンシップのオンライン化は1年遅れて、今シーズンがオンライン元年だったと言ってもよいでしょう。

学生が望むのはハイブリッド型

インターンシップ参加者にもう一つ、「対面型とオンライン型の両方に参加した社数」を聞いたところ、「0社(応募をしていない)」が圧倒的に多く、文系67%、理系73%と7割にも及んでいます[図表8]
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「0社(応募はした)」も文系17%、理系10%と高く、両方を合わせると文系、理系ともに84%に達します。逆に言えば、「対面型とオンライン型の両方に参加した」学生は16%しかおらず、しかもそのうち11%は「1社」のみの参加になります。両方の形式で開催した企業がそれだけ少なかったということかと思われます。

一方、学生に「望ましいインターンシップの開催形式」について、「対面型のみ」「オンライン型のみ」「対面型とオンライン型の両方」の3択で質問したところ、最も支持を得たのは「対面型とオンライン型の両方」で、文系では55%と過半数を占め、理系でも46%と半数近くが選択しています[図表9]
第122回 2022年卒学生の「希望するインターンシップ」や「活用している就職サイト」とは
残りの「対面型」(文系21%、理系26%)と「オンライン型」(文系23%、理系28%)は、わずかに「オンライン型」が上回りますが、ほとんど拮抗していると言っていい状態です。「対面型」と「オンライン型」にはそれぞれ一長一短があるようで、参加する学生側からしてみれば、1企業に対して最低2回のインターンシップに参加することになりますが、どちらかだけでなく両方を組み合わせたハイブリッド型のインターンシップが望まれているようです。

インターンシップについては最後の項目になりますが、インターンシップに参加した企業からのアプローチ内容について、複数選択方式で回答してもらいました。最も多かったのは「早期選考会の案内」で、文系63%、理系では72%にも及びます[図表10]
第122回 2022年卒学生の「希望するインターンシップ」や「活用している就職サイト」とは
前述したように、会社説明会化したインターンシップでは、次のステップは「(プレ)エントリー受付」でもなければ、「特別セミナー」でもなく、ダイレクトに「(早期)選考会」ということになるということなのでしょう。二番目に多かったのは「(プレ)エントリー受付の開始案内」ですが、文系33%、理系で41%と、トップの「早期選考会の案内」とは30ポイントほどの差があります。三番目に多かったのは「次のインターンシップの案内」で、文系、理系ともに31%と3割以上に上ります。早期のインターンシップ参加者には、応募意欲向上はもちろんですが、本選考までに接触のない空白の期間が生まれないよう、時間稼ぎの意味合いもあると思われます。

不安はありながらも大量のプレエントリーはせず

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