コロナ禍の中でも掲載社数を伸ばした『マイナビ2022』

さて、そんな背景を頭に入れつつ、就職ナビの2強である「マイナビ2022」と「リクナビ2022」に掲載されているインターンシップ情報を見てみましょう(2020年6月3日現在)。比較する昨年のデータは、ちょうど一年前、2019年6月3日時点のものになります。

まずは、『マイナビ2022』からです。インターンシップ情報の掲載社数は5752社(昨年:5567社)、昨年の同時期よりも約200社多くなっています。新型コロナ禍でインターンシップの実施自体を決めかねている企業が昨年よりも多いとされる中で、社数を増やしていることには驚きを感じます。

印刷物であれば、制作時点での状況に応じた情報となりますが、WEBに掲載されている情報は日々メンテナンスが可能です。新型コロナウイルスによる業績への影響度が計りきれない状況下で、インターンシップの開催自体が不透明になったとなれば、すぐに情報を非公開にすることもできるわけです。それでも掲載社数が増えているということは、新型コロナ禍が一切ない、平時の状態であればどこまで社数が伸びていたのか気になるところです。

エントリー可能な企業は5706社で、掲載企業の99.2%、ほとんどの企業にそのままエントリーが可能となっています。開催時期で検索してみると、「6月」にインターンシップを実施する企業が1106社(同1319社)もあることも驚きです。掲載企業における割合は18.4%にもなります。2割近い企業が、緊急事態宣言が解除されて間もないこの状況下で、今後、社員の働き方をどう変えていくのか(あるいは戻していくのか)、2021年卒採用をどう進めていくのかなど、目の前の課題は山積しているにもかかわらず、もう来年度採用活動に向けたインターンシップを実施できる状態が構築できていることに驚くばかりです。

さて、上記でも触れましたが、「1Dayインターンシップ」改め「1日仕事体験」の社数はどうでしょうか。検索してみると、4547社にも及びます。全掲載社数は5752社ですから、実に79.1%と8割近い割合になっています。ほとんどの企業で「1日仕事体験」が実施されるということです。「2日間」以上のインターンシップを実施する企業は、2349社。全掲載社数の5752社からこれを差し引いた3403社(59.1%)、6割の企業は「1日仕事体験」しか実施予定がないということです。

もう一つ、今年のキーワードでもある「オンライン(WEB)」の割合はというと、残念ながら検索条件にありませんので、検索だけで件数を把握することはできませんでした。ただ、今年は、「オンライン(WEB)」でのインターンシップが一気に拡大することが予想され、この傾向は来年以降も継続するものと思われます。次年度の就職ナビからは、「オンライン(WEB)」が検索条件に追加されるのではないでしようか、きっと。

大きく掲載社数を減らした『リクナビ2022』

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