「AI時代の人事部」はどうなる?

では、AI時代に人事部が存在し続けるならどのような形式になるのでしょうか。少しSFの世界にもなりますが、予測してみたいと思います。

AIの指示通りに作業する「作業型人事部」
AIを導入してAIにシミュレーションを行わせ、何かあればAIがお知らせしてくれる仕組みを導入すれば、ほぼAIの指示通りに仕事を進めることができます。予算を持っている大企業では、このような大規模なAIを取り入れる可能性があります。実際に超大手企業では、IBM社などのAIを本格的に会社の仕組みとして導入し始めています。「作業型人事部」は、AIにほとんどの業務を任せ、AIに指示された業務を行うようになるでしょう。

AIを活用しながらAIにできないことをやる「併用型人事部」
人事や人材活用にこだわりのある企業では、AIを活用しながらも、AIにできないことは人間がやる「併用型人事部」が中心になるでしょう。ものづくりのこだわりが強いメーカーなどでは人間味が重視される傾向にあるため、作業はAIに任せつつも、面談や研修、エンゲージメントを向上させる社内イベントは人間が行う、というスタイルが流行るのではないかと思います。

あえてAIを使わない「アナログ人事部」
現在と同じ「アナログ人事部」も一定数残るでしょう。AIは導入コストがかかります。多くの中小企業ではAIを導入するほどの予算を持ち合わせていないため、これからもしばらくアナログで仕事をすることになるでしょう。しかし、政府などから複数企業が共同で使えるAIを提供されたら、アナログ人事部はいよいよ少なくなっていくと思います。

このように、AIを積極的に使う人事部、こだわりをもってAIを使う人事部、アナログ路線でいく人事部、3種類の人事部が生まれるのではないでしょうか。AIが人事部に普及するのは少し先ですが、ひょっとすると少なくとも10年以内には「AI人事部」が誕生しているかもしれません。
  • 1
  • 2

この記事にリアクションをお願いします!