進化するAI+ビッグデータがデジタルトランスメーションを加速させ、HRに変革をもたらす

HRサミット2019/HRテクノロジーサミット2019講演録

ITは著しく進化しており、現在進行形で「ビッグデータ(Big Data)」「AI (人工知能)」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」といった新たな潮流が生まれています。その波は人事や教育、人材育成分野にも及び、HRテクノロジーとして活用が始まっています。これら技術の最新動向を踏まえつつ、人事課題に対して、テクノロジーがどのように活かされるのかを、サムトータル・システムズ株式会社の平野正信氏に解説していただきました。

講師

  • 平野 正信

    平野 正信氏

    サムトータル・システムズ株式会社 代表取締役社長

    IBMの開発エンジニア、日経マグロウヒル社(現日経BP社)記者、ハイペリオン日本法人代表、レッドハット・アジア担当VPなどを経て現在に至る。記者としての人脈、ソフトウエア全般、会計、人事などのITソリューションなどの豊富な経験を生かし、業界のビジョナリーとして活躍。明快な説明に定評がある。

ビッグデータとは互いに関係性がないデータの集合体

まずは、HRにも使われている最新技術から、「ビッグデータ(Big Data)」「AI (人工知能)」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の三つのキーワードについて、どういったものか説明します。その上で、これらが人事や教育、人材育成などのシステムで、どう使われているのかを紹介したいと思います。

一つ目のキーワードは「ビッグデータ」です。もともとは「集合論」という数学理論に由来しています。ITの世界ではビッグデータをデータベース(DB)と呼びます。データベースは一般用語としても使われますが、ITの世界では考え方によって種類が分かれ、中身が異なっています。

かつては、いろいろな種類がありました。しかし、現在使われるデータベース、特に基幹系データベースの99%は、1970年に計算機科学者のE・F・コッド氏が提唱したリレーショナルデータベース(RDB)です。つまり、リレーショナルデータベースがコンピューターの世界ではデータベースである、ということを知っていただくことが重要です。

さらに言うと、マイクロソフト、オラクル、SAPといった世界有数のソフトウェアメーカーもすべてリレーショナルデータベースを使っています。なぜ、リレーショナルデータベースが主流になったのか。それは、データベース管理システムを提供しているオラクルが、業界を席巻したからでしょう。現在主流となっているリレーショナルデータベースには、問題点もあります。

リレーショナルデータベースとは「関係性のあるデータを効率的に管理するため、データ構造と呼ぶ形式を定めて、ファイルに収めたもの」です。例えば、人事が組織の中で英語を喋れる人を見つけたいときに「TOEICの点数で表す」としましょう。比較のしやすさを考えると、「点数が高い人のほうがいい」という発想になり、点数と関連付けてデータベースを作ります。これが、リレーショナルデータベースに基づいたデータ構築の考え方です。

しかし、TOEICを受けてない人は、検索で抽出できず「英語ができない」ことになってしまう。この検索の難しさが問題です。実際の会話で「英語できる人いない?」と聞いたとき、「あの人はTOEIC〇〇点」といった会話には普通なりません。むしろ「あの人は帰国子女だ」「小さい頃海外で暮らしていた」など、日常会話の中で「あの人は英語が堪能かもしれない」といった推測が生まれると思います。こういった分析をリレーショナルデータベースで表すことが難しい。そこでビッグデータが考案されました。

ビッグデータを直訳すると「大きなデータ」。これはサイズが大きいということではなく、「なんでもあり」といった意味合いです。Googleなどの検索エンジンをイメージしてもらうとわかりやすいですが、検索窓に言葉を入れるときに、キーワードを並べる人もいれば、文章で入れる人もいます。直感的にこんな情報が欲しい、と思ったキーワードや文章を入力すると、何かしら質問に関連した答えが出てきます。その答えを導きだすために考案されたデータベースがビッグデータです。

Googleで最初に検索エンジン用のデータベースを作ろうとしたとき、リレーショナルデータベースで作ろうとしたのですが、うまくいきませんでした。そこで、開発者は自分で新たなデータベース、「Hadoop(ハドゥープ)」を作ります。これが今のビッグデータの基本となりました。リレーショナルデータベースが関係性のあるデータをリスト化するのに対し、ビッグデータはお互いの関連性がほとんどないデータを蓄積し、後から付随項目を追加していきます。
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著者プロフィール

HRサミット2019/HRテクノロジーサミット2019 講演録

2019/9/18-9/20開催

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