数々のリーダーを輩出したP&Gに見る、次世代グルーバルリーダーの育成方法とは

HRサミット2019/HRテクノロジーサミット2019講演録

企業の更なるグローバル化のためには、世界に通用する次世代のグローバルリーダーを育てる必要がある。今、海外で「遅れている」といわれる日本企業の人材マネジメントは、今後の成長戦略において避けては通れない課題だ。その方法論と事例を、前半は人材育成事業に力を入れているbeyond globalグループのPresident & CEOの森田英一氏が、後半は森田氏と元P&G米国本社プレジデント兼アジア最高責任者の桐山一憲氏が語った。

講師

  • 森田 英一

    森田 英一氏

    beyond global グループ President & CEO、株式会社シェイク 創業者、フェロー

    大学院卒業後、アクセンチュアで勤務。2000年にシェイク社設立、代表取締役社に就任。その後、beyond global社を日本とシンガポール、タイに設立し、President & CEOに就任。「グローバルラーニングジャーニー」が、「HRアワード2013」(主催:日本の人事部後援:厚生労働省)の教育・研修部門で最優秀賞受賞。著作に「会社を変える組織開発」(PHP研究所)等多数。「ガイアの夜明&け」「ワールドビジネスサテライト」等テレビ出演多数。シンガポール在住。

  • 桐山一憲

    桐山一憲氏

    元P&G米国本社プレジデント兼アジア最高責任者
    beyond globalグループ エグゼクティブ・アドバイザー

    元P&G米国本社プレジデント兼アジア最高責任者。1962年大阪生まれ。1985年P&G日本法人に入社。入社4年で営業支店長に抜擢される。その後、米国やカナダ、韓国、シンガポールなどの勤務を経て2007年に日本人として初めてP&Gジャパンの代表取締役社長に就任。
    2012年にはアジア出身者としては初めてP&G米国本社プレジデント兼アジア最高責任者に就任。グローバルで結果を出せる数少ないトップリーダーとして注目を浴びる。
    2016年7月より、30年以上にわたる日本・アジアそしてグローバルでの経営実績と経験をもとに経営アドバイス及び、グローバルで活躍できるリーダー育成の指導・コーチング活動を開始する。現在は、大手企業2社のアドバイザーと共に、beyond globalグループのエクゼクティブ・アドバイザーを務める。

海外からは「日本企業の人事は遅れている」と見られている

海外では、日本の人材マネジメントは特殊だと思われています。私は現在シンガポールに住んでいますが、現地の人事コンサルタントの集まりで「日系企業は人事が遅れている」と言われました。30年前は日本企業の人材マネジメントが世界の最先端でしたが、かなり時代が変わったという印象です。

人事制度の変革が世界で注目を集めるなか、アメリカ主導で始まっているノーレイティング(ランク付けをしない評価制度)をはじめ、いろんな形で人事の常識が覆ってきています。海外の現地法人に行くと「若くて優秀な人から辞めてしまう」、「ローカルの人は受け身で言われたことしかやらない」、「給料アップ以外にどうやってモチベーションを上げて良いかわからない」といった相談を多くいただきます。日本ではそれほど人が辞めないのに、海外ではすぐ辞めてしまう。ただ、彼らも辞めたくて辞めているわけではありません。彼らが求めているものを会社が与えていないことが、会社を転々とするジョブホッパーが増加している原因でもあるのです。それは、ローカル社員だけの問題ではありません。

当社は、横浜国立大学との共同研究で、シンガポール人から見た各国の企業イメージについて調査しました。日系企業のイメージは「正直」、「アンクール」、「厳しい」、「機会不平等」という結果です。海外において日系企業は、優秀なホワイトカラーから人気がありません。シンガポールでは「一流は観光庁へ、二流は欧米企業へ、三流は現地一流企業へ、四流は日系企業へ」といわれているほどです。

なぜ、人気がないのかというと、「マネジャー以上の給料が低い」、「出世が遅い」、「独特な労働価値観」、「異文化マネジメントが高くない」、「日本人優遇」、「育成があまりされない」といった理由が挙げられています。日系企業はもともと人材育成が得意だったはずなのですが、現在、特にマネジャー以上の育成においては、欧米企業の方が優れているという評価です。これが海外での現状ですから、グローバルで勝つのは非常に難しいです。

6つのパターンに分けられる「グローバル化」のイメージ

会社によって、または業種によって目指すべきグローバル化のイメージというものがあります。これを6つのパターンに分けて説明します。

タイプ1は「日本スタイル海外展開型」。日本の色に染めていくやり方で、本社でコントロールしていく。ひと昔前の日本企業のグローバル化の勝ちパターンは全てこれでした。しかし、現在はこれではうまくいかなくなってきています。

タイプ2は「無国籍・グローバル型」。欧米流のやり方を持ってきて、それぞれの国の特色を生かしながら、本社機能を他の拠点に分けていく。どちらかというと、グローバルリーダーシップで欧米流のコミュニケーションと仕事のスタイルを、多国籍チームでシナジーを湧かすというパターンです。

タイプ3は「海外企業買収型、ローカル対応立ち上げ型」です。本社は日本のやり方でやるけれど、海外は海外のやり方でやるというものです。比較的、商社に多いタイプです。

タイプ4は「リージョン型」です。北米、ヨーロッパ、アジアなどの地域ごとにカラーを変えていくというマネジメントの方法で、これは現在の、日系の大企業に最も多い形かと思います。

タイプ5は「日本は日本、海外は海外型」。日本からマネージしようとしても、うまくできないので、そこを分けてマネジメントするというものです。

そして、タイプ6は「ニュージャパン型」。日本型とか欧米型といったことではなく、会社独自のスタイルを明確にし、それを全世界で展開していく形ですね。日本人と非日本人の垣根を取っ払って、ミッション・ビジョン・バリューを軸としたマネジメントでシナジーを湧かしていくというものです。最近、こういった日本型と海外型を統合した形が、徐々に多くなってきています。
気になる続きは、下記をダウンロードの上ご覧ください!

  • 1

著者プロフィール

HRサミット2019/HRテクノロジーサミット2019 講演録

2019/9/18-9/20開催

テーマ別特集「HRテクノロジー」

関連リンク