コーチングとは? ティーチングとの意味の違いとメリットを解説

人材育成コラム-プロが教えるコツとポイント-

ティーチングとの違い

コーチングとティーチング
コーチングのデメリットとして、「まだ知識や経験が浅く、成熟の低いクライアントを対象としてしまっては、適切な“答え”を導き出すことが出来ない」と先述しました。では、「まだ知識や経験が浅く、成熟度の低いクライアント」には、どのように向き合えばよいのでしょうか。

コーチングは、“答え”を「教える」ではなく「導き出す」ことです。当然、成熟度の低いクライアントは、知識や経験の引き出しが浅いことから、クライアント自身が適切な“答え”を見つけ出すことに困難が生じます。そのようなクライアントには“答え”を導き出すコーチングではなく、「教える」ティーチングを手法に取ると良いでしょう。ティーチングとは、コーチングで言うコーチが、クライアントに知識や解決策を「教える」という手法です。ティーチングは、コーチからクライアントへの一方向コミュニケーションになることから、コーチングのメリットで述べたような、クライアントの自律性を養う、というメリットは得難くなります。もっとも、コーチとクライアントが共に「目的地に向かう」という点は、コーチングとティーチングの共通点と言えるかもしれません。

コーチングの対象の選定
では、実際にクライアントの成熟度とコーチング/ティーチングはどのように考えれば良いのでしょうか。ここではSL(Situational Leadership)理論をご紹介したいと思います。

SL(Situational Leadership)理論とは、 ハーシーとブランチャードが提唱したリーダーシップ条件適応理論のひとつで、部下の成熟度を4段階に分けて、それぞれの段階に合わせてリーダーシップのスタイルを対応させる、とするものです。部下の成熟度は、成熟度が低いものから以下の4段階に分けられます。

(1) 教示的
経験が浅く業務遂行能力が低い状態。具体的に指示し、事細かに監督する
(2) 説得的
ある程度成熟度が高まってきたら、上位の考えを説明し、疑問に答える
(3) 参加的
さらに成熟度が高まったら、部下が自分で考えをまとめて決められるように仕向ける
(4) 委任的
成熟度がかなり高い状態。仕事の遂行を任せる

(1)に近いほどティーチング主体に、(4)に近づくほどコーチング主体に、リーダーシップスタイルを変化させると効果的とされます。しかし、クライアントの成熟度が高い場合、クライアントは自身に成長の必要があることを認識していないケースや、コーチングを受ける必要性を感じていないケースもあります。コーチングには、コーチとクライアント双方のマインドセットが重要です。

誰を対象とすべきか熟考を要することも、押さえておきたいポイントです。

皆さんの部下(クライアント)を思い浮かべてみて下さい。いかがでしょう。誰にコーチングを実施し、誰にティーチングを行うべきか。イメージはわきましたか?

著者プロフィール

株式会社ラーニングエージェンシー 編集部

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