人事主導のイノベーション創出 〜旧来型(日本型)人事の終焉とデジタルトランスフォーメーション〜

HRサミット2018/HRテクノロジーサミット2018講演録

数多くの企業へHRコンサルティングサービスを提供している株式会社レイヤーズコンサルティング。事業戦略事業部で企業支援を担当する若島氏は、ここ数年で浮上してきたキーワード「デジタルトランスフォーメーション」の先にこそ「イノベーション」「変革」があると語ります。旧来の日本型人事から、新しい人事体制の構築へ。テクノロジーを活用した新しい人事のあり方を考えます。

講師

  • 若島 薫氏

    若島 薫氏

    株式会社レイヤーズ・コンサルティング 事業戦略事業部 マネージャー

    大学院卒業後、レイヤーズ・コンサルティングに入社。大手消費財メーカー・食品メーカーの営業改革・マーケティング施策立案等のプロジェクト経験を経て、直近は、大手エネルギー系企業、製薬メーカー、大手メーカー等の人材要件検討、人事戦略立案、組織風土変革を中心とした人事全体での改革プロジェクトに取り組んでいる。現場に立脚したコンサルティングを実施。

限界に来ている日本の旧来型人事の仕組み

 本日お話させていただくテーマは大きく5つあります。1点目は、イノベーション創出のキモは人である、すなわち人事にかかっているということです。2点目は、「マス人事」から「1to1人事」へ進化せよ、ということです。3点目は、人事にもデジタルトランスフォーメーションが必要であるということ。4点目は、デジタルトランスフォーメーションにより「1to1人事」を実現していくということ。そして5点目は、人事のデジタルトランスフォーメーション実現のために必要な組織や風土について、そして今後人事部門がどうあればいいのかということをお話します。

 1点目の「イノベーション創出のキモは人である」ですが、企業はもはやイノベーション抜きでは生き残れないということです。これまでの戦後社会では、大量生産、マスの体験、消費、などがキーワードであり、ビジネスの現場で求められてきたことは、効率化、コストダウン、改善が中心でした。しかし今後求められるのは、より柔軟な生産体制であり、より個人のニーズを捉えて応えていくことです。したがって企業に求められることは効率化やコストダウンという世界観ではなく、いわばイノベーションと言うべき新たな価値創出です。こうした変革を経て新しい会社に生まれ変わって生き残っていくのか、それともこれまでのままで滅びていくのか、大きな岐路にあると考えます。皆様にもお聞きしたいのですが、今や変革、イノベーションといったキーワードが出てこない会社はもはやない、これが実態ではないかと思います。
 実際に、ある調査では日本企業の92%が「イノベーションが課題である」と答えています。日本のトップ企業各社の経営方針や経営戦略等を見ても、イノベーションが企業戦略そのものだと言える段階に来ていると考えます。

 しかしその一方で、日本企業においては、やる気のある社員がだいたい6%くらいしかいないという衝撃の結果が出ています。これはアメリカのギャラップ社が毎年サーベイしているものですが、アメリカの企業ではだいたい33%がやる気あふれる社員という結果ですが、日本はたった6%。一方、やる気のない社員が71%、さらにもっと悪い、不満をまき散らすマイナスの社員が23%もいる。こんな状況ではイノベーションが生まれないばかりか企業としての通常の成長も見込まれず、海外に対する競争力もなかなか生まれないでしょう。

 なぜこのような状況になってしまったのか。日本の旧来型の人事の仕組みは、新卒採用、終身雇用、年功序列という考え方をベースに各種人事制度を構成するものです。そこでは、横並びの同期管理、会社主導のローテーション、一律の資格滞留年数、合議を中心にした意思決定プロセスなどのほか、1年も2年をかけて構想を考えていくようなウォーターフォール型の仕事をベースにしていて、こうした企業がまだまだ多く残っています。このような旧来型の人事のあり方は、同質的な人材の集団を育てるためにデザインされたシステムです。こうした制度は必要なイノベーションの機会を創出できないばかりか、どちらかと言うと妨げているのではないかということを、まず申し上げたいと思います。これまでの戦後社会ではそれで良かったのですが、こうした人事はもうそろそろ限界にきていると認識すべきです。

デジタルトランスフォーメーションで目指す「1to1人事」

 では、今後の人事に求められていることは何か。我々が考えていることは以下の3点です。1点目は、同じ仕事を同じクオリティで出来る人間を育ててきたこれまでの世界観から脱し、人材を多様化させていくこと。ダイバーシティに近い考え方ですが、より積極的に異質な人材を取り込んでいくことが大事です。2点目は、より多くの社員の能力ややる気を引き出していくこと。3点目に、従来型のウォータープルーフ型のスピード感ではなく、まずは小さくてもトライアルをしながら進めていくアジャイル式の仕事の仕方が大事だということ。こうしたスタイルに、人事のあり方や会社そのものも変えていかなければならない、ということです。
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HRサミット2018/HRテクノロジーサミット2018 講演録

2018/9/19-9/21開催

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