人材育成コラム-プロが教えるコツとポイント-新入社員育成の在り方を考える | 採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • 第3回HRテクノロジー大賞<締切2018.6.14>
人材育成コラム-プロが教えるコツとポイント-

新入社員育成の在り方を考える

トーマツ イノベーション株式会社 編集部
2018/05/11

当社では毎年約1,000社のクライアント企業に新入社員研修を提供し、受講者である新入社員にアンケートにご協力いただいています。今回は、新入社員4,000名のアンケート結果から浮かび上がる傾向と対策についてご紹介します。

変化する新入社員の特徴

日本生産性本部が毎年発表している新入社員のタイプがありますが、2016年度の新入社員は「ドローン型」と命名されました。彼ら・彼女らは就活日程の変更や「オワハラ」のような大風にあおられながらも、無事、入社を迎えた社会人たちです。入社後は、昔のように技量が少ない分を時間や量でカバーするようなことはできず、夜間飛行(深夜残業)は厳しく規制され、上司の視界の範囲外では飛行できないようルールが敷かれています。こうして見ると、新入社員自身の特徴というよりも、社会環境や受け入れ側の企業を風刺した命名となっていることが今年の特徴と言えます。

当社では、今年も約1,000社のクライアント企業に新入社員研修を提供させていただきました。研修の最後に受講者である新入社員にアンケートのご協力を頂き、882社 3,931名から回答を得られました。今年で3年目となるこの意識調査ですが、例年からの変化として次の点が浮かび上がりました

(1)売り手市場を背景に志望通り就職でき、やる気に満ちている新入社員
(2)男性は管理職不人気、相対的に「管理職より専門職」傾向が強まる
(3)「楽しく仕事をしていたい」(男性)、「定時に帰りたい」(男女とも)層が増加
(4)「リーダーシップ上司」の人気は下降傾向、求められる「優しく、相談できる上司」

もちろん、新入社員一人ひとりは異なっており、一様の型にはめることに抵抗はありますが、傾向としては理解しておくべきではないでしょうか。問題は、このような新入社員に対して、企業側はどのようなアプローチで育成を図るべきかです。

入社3年間はゴールデンエイジ

スポーツの世界で"ゴールデンエイジ"という言葉があります。これは、9歳〜11歳頃の3年間のことを指し、この時期に基本の型や姿勢を身に付けさせないとトップアスリートに育ちにくいとされている期間です。同様の期間がビジネスパーソンにもあると考えられており、一般的にそれは入社から3年間と理解されています。入社後3年間でどのような上司・先輩に付き、どのような顧客を持ち、どのような仕事をこなし、何を学ぶかが、その後長く続く仕事人としてのキャリアを決定付けると言う専門家もいます。

ドラッカーは、「成果を上げる人と上げない人の差は才能ではなく、習慣的な姿勢や基礎的な方法が身に付いているかどうかの問題である」という主旨を述べています。『ビジョナリー・カンパニー4』では、変化の激しい時代こそ、正しい規律や習慣が偉大な成果を生み出す重要ファクターであることを、多くの事例を交えながら論じています。これらを踏まえると、新入社員の育成は仕事への正しい向き合い方、学び方、行動習慣を重視すべきと思われます。貴社の新入社員研修では、「ビジネスマナー」以外の「マインドセット」や「ビヘイビアセット」について、どのように扱っていらっしゃるでしょうか。

プロフィール

トーマツ イノベーション株式会社 編集部

トーマツ イノベーションは、人材育成サービスをトータルに提供しております。
中堅中小企業を中心として、企業成長の核である「人材育成」をサポートしてきました。
支援実績は累計10,000社以上。
その知識、経験、ノウハウは、デロイト トーマツ グループから受け継いだ40年前から続いています。
トーマツ イノベーション株式会社 企業情報

関連リンク

  • 特別読み切り

    ハラスメント防止の鍵は思いやり

    総務省の「労働力調査年報」によると、2016年の労働力人口は6,648万人。これに、翌2017年の厚労省による「将来推計人口」の結果を交えて勘案すると、2065年には2016年時点より、労働力人口が、約4割減少する見通しだ。
    労働市場が衰退していく中で、今後必要とされるのは、女性の活躍や、病気や介護者を抱えていても働ける就業環境であろう。多様な人々が、多様な働き方で、幸せに生きていける社会を目指す中、最近、巷で話題となっている、パワハラ・セクハラ事件。こうしたハラスメントは、多様性、生産性はおろか、仕事にも人生にも、何一ついいことはない。その防止対策は、日本社会において重大なテーマである。

  • 94歳現役人事コンサルタント、梅島みよが行く

    第9回 日本企業の「女子教育」に失望、米国企業視察旅行を企画

    女性講師の有能な働きぶりを見て、機を見るに敏な社長が「ウメさん、女性講師をもっと増員しよう」と言い、早速、募集を始めました。女性教育コンサルタントは、会社での勤務経験や、社会人としての十分な良識が必要です。若過ぎても不相応なので、対象年齢は28歳以上としました。すると思いがけず素晴らしい人達から数多くの応募があり、その中からまず4名を採用し、講師として教育しました。

  • 人・組織にかかわる調査報告『人材開発白書』

    なぜ組織の成果があがらないのか〜組織マネジメントに必要な2つの側面〜

    事業成果を上げるために、どの企業も戦略を策定していることでしょう。しかし、戦略を策定するだけでは成果は上がりません。その戦略を実行することが欠かせません。現場のメンバーが実行してはじめてその果実を手にすることができるのです。その際にカギとなるものがミドルマネジャーです。ミドルマネジャーは、どうすればメンバーに戦略を実行させることができるのでしょうか。どのような組織マネジメントが必要なのでしょうか。国内企業27社、2,170 人への定量調査結果をもとに、成果志向の組織のマネジメント方法を説明します。

  • 働き方改革 実現への切り札とは? 〜インセンティブ制度がもたらす企業と社員のWin-Winの関係〜

    第5回 インセンティブ導入のポイント(その1)

    前回は、改めて裁量労働制の意義を問うと同時に、その導入や賞与の調整などで、インセンティブの原資を確保する方法を会社側の視点で記述した。無論、会社側の視点だけでインセンティブを導入しても、それで社員の満足が得られるかどうかは、また別の話である。社員のモチベーションを向上させるには、どれだけ成果をあげればどれだけの報酬が得られるかを、明確に公表することが大前提となる。
    もちろん、公表されたものが魅力的な内容でなければ、社員のモチベーションは逆に下がってしまうリスクも発生する。社員側から見た魅力的というのは、目標値に対する達成度に応じた支給額を公表する「支給テーブル」に記載されるインセンティブの支給額に他ならないが、会社側は予算との兼ね合いで十分に検討する必要がある。これには、支給額導入前の給与体系がどのようなものであったかも考慮する必要があるが、おおむね次のように考えるのがいいだろう。

  • 94歳現役人事コンサルタント、梅島みよが行く

    第8回 株式会社マネジメント・サービス・センター創立

    山口で順調に「一人教育コンサルタント業」をしていたある日、米軍時代の友人が「東京で一緒にコンサルタントの会社を創ろう」と誘いの電話を掛けてきました。その頃思いがけず、夫には本社へ転勤の話があったので、私は迷わず彼らと一緒に会社の創立に加わると決めました。

  • 採用担当者のための最新情報&実務チェックポイント

    第85回 2019年卒学生の残業観、インターンシップ参加率は?

    ProFuture代表の寺澤です。
    前回の原稿を入稿するタイミングで飛び込んできたのが、経団連が2021年に入社する学生を対象とした採用活動のスケジュールを見直す方向だというニュースでした。2020年の東京五輪の影響で大型のイベント施設などが使用できなくなり、採用活動に支障を来すというのが主たる理由です。2020年入社の採用活動までは、現在の「3月 採用広報解禁、6月 面接選考解禁」ルールが継続されるとのこと。経団連では、かねてより「指針」のスケジュールである「3月 採用広報解禁、6月(16年卒は8月) 面接選考解禁」は政府に押し付けられたもので、自分たちが望んだものではなく、15年卒採用までの「12月 採用広報解禁、4月 面接選考解禁」の復活を求める声が少なくありませんでした。そういう意味では、東京五輪は採用活動スケジュールを見直すための「いい口実」になったとも言えます。