ビジネスマナー教育は「頭」「体」「心」で企画する

人材育成コラム-プロが教えるコツとポイント-

ビジネスマナーはビジネスパーソンの基本スキルの一つとして位置付けられていますが、そもそもなぜビジネスマナーを習得する必要があるのでしょうか。多くの企業が新入社員研修で実施する「ビジネスマナー」をテーマに、「頭」「体」「心」の切り口で研修企画を考えていきます。

新入社員研修で最も実施されるテーマは「ビジネスマナー」

今回のテーマは、社会人の基本スキルとして多くの企業が新入社員研修で実施する「ビジネスマナー」です。

HR総合研究所が行った「新入社員研修に関する調査」(2013年、N=389)によると、入社時の研修で「ビジネスマナー」を導入している企業は93%、次いで多いのが「社会人としての心構え」で84%でした。

トーマツ イノベーションでも、毎年約4,000人ほどの新入社員を対象に新入社員研修を実施しています。新入社員研修では社会人としての心構え、身だしなみ、言葉づかい、名刺交換、おじぎ、電話応対など、ビジネスマナーを中心とした基本スキルを習得目標としています。

ビジネスマナー教育の真髄は「相手を不快にさせない心」

ビジネスマナーはビジネスパーソンの基本スキルの一つとして位置付けられていますが、そもそもなぜビジネスマナーを習得する必要があるのでしょうか。

それは、ビジネスマナーが習得できていないとビジネスの相手としてみなされなくなるからです。
例えば、お客さまに対して敬語が正しく使えない場合、表面的には何事もなかったかのように対応されるかもしれませんが、「まだまだ半人前」と思われてしまい、ビジネスの話には進みません。相手がビジネスマナーに厳しい方の場合は、その場で商談を切り上げられてしまうかもしれません。

つまり、ビジネスにおいて適切な場面で身だしなみ、言葉づかい、名刺交換、おじぎ、電話応対などのビジネスマナーが発揮できないと「共通基盤がない」として、ビジネスパーソンのコミュニティからはじき出されてしまうのです。

また近年はグローバル化が進んでいます。当社の公開型ビジネス研修のBiz CAMPUS Basic でも様々な国の方がご参加されています。 海外では、名刺交換の代わりに固い握手を交わすなど、日本のビジネスマナーと異なる点が見られます。このような「世界で通用するビジネスマナー」という要素を研修の中に取り入れるのも良いかもしれません。世界と日本の相違からビジネスマナーを学ぶことは、翻って、日本のマナーの特徴が浮き彫りにされ、学びが多くなります。

独自の文化や商慣習などの影響で、業種・業界、企業、あるいは国によってビジネスマナーの所作は異なる点があります。しかし、ビジネスマナー教育の真髄「相手を不快にさせない心」は世界共通の概念です。では、「相手を不快にさせない心」はどのようにすれば養うことができるのでしょうか。

ビジネスマナー教育は「頭」「体」「心」で企画する

まずはビジネスマナーで学ぶべき要素を大きく「頭」「体」「心」 の3つに分けます。

最初は「頭」、つまり「知識」です。名刺交換やおじぎの種類、電話応対の方法など、まずは知識として理解します。

次に「体」です。頭で理解したビジネスマナーの知識をアウトプットしながら体で表現するトレーニングをします。最初は研修やOJTなどで指導し、徐々に指導の比率を下げて自律できるように支援します。ここでのポイントは回数を重ねることです。回数を重ねるほどになめらかな所作ができるようになります。また、様々な状況を経験することで状況に合わせた所作ができる応用力を身に付けることができるようになります。

そして最後に「心」です。表面的な所作だけでなく「相手を不快にさせない心」を体現できるようになることです。しかし、この「心」は研修やOJTだけで身に付きません。上司や先輩社員が常日頃ビジネスマナーの真髄を若手社員に語り続ける、あるいは「相手を不快にさせない心」とはいったいどういうことか、社員同士の討議などを通じて徐々に理解を深めるという方法が効果的です。

来春のビジネスマナー教育研修を企画する際は、「相手を不快にさせない心」を養うことを最終ゴールとして、「頭」「体」「心」の切り口で考えてみてはいかがでしょうか。
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著者プロフィール

トーマツ イノベーション株式会社 編集部

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