意図しない圧迫面接に注意を

次に目につくのは、「圧迫」の文字です。100名以上の学生が「圧迫面接」、あるいは「圧迫気味の面談」「意図が分からない圧迫」など、それに類する記述をしています。企業は、学生のストレス耐性や切り返し方を見るために圧迫面接を実施することがありますが、学生の志望度を下げる大きな要因でもあり、もろ刃の剣であることを認識した上で実施に踏み切る必要があります。
さらにやっかいなのは、企業側は意図的に圧迫面接をしているわけではないのに、面接官の質問の仕方や学生の受け止め方で圧迫面接と受け取られてしまうことがあることです。学生の発言に対してことごとく否定的なコメントを返したり、あからさまに横柄な態度をとったりするのは、意図しての圧迫面接のケースが多いでしょう。一方、学生の回答に対して純粋に深掘り質問をしているだけにもかかわらず、圧迫と取られてしまうことが少なくありません。

〈深掘り質問の例〉
面接官 「学生時代に力を入れたことは何ですか?」
面接官 「なぜそれを始めようとしたんですか?」
面接官 「それで苦労したことは何ですか?」
面接官 「それをどう克服しましたか?」
面接官 「そこから学んだことは何ですか?」
面接官 「それは当社の仕事でどう活かされると思いますか」

学生の回答が本当かどうかを確かめるため、あるいは学生の「根っこ」の考え方を探るために実施するわけですが、面接官の口調や態度次第で「圧迫面接」と受け取られることもあれば、「自分をよく知ろうとしてくれた」と良い印象で受け取られることもあります。
上記の例でいえば、文字にしてしまえば同じですが、面接官がにこりともせずに矢継ぎ早に強い口調で質問する場合と、学生の回答にいちいちうなずきながら穏やかな表情でやさしい口調で質問するのとでは、受け取られ方はまったく異なります。前者は圧迫面接と受け止められ、後者は深掘り質問だと好意的に受け止められることが多くなります。意図せず圧迫面接と受け取られないよう、面接官トレーニングをしっかり実施する必要がありそうですね。

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