就活支援に奔走するリクルーター・社員

続いて、理系学生が選んだ「リクルーター・社員の印象の良かった会社」を見てみましょう[図表2]。1位には、昨年トップ10圏外だった「トヨタ自動車」と昨年3位の「日立製作所」の2社が同数で並び、3位には昨年トップだった「パナソニック」が入りました。4位には昨年9位の「デンソー」が入り、昨年「パナソニック」と並んでトップだった「三菱電機」は、今年は「カゴメ」「キヤノン」らと並んで7位となりました。こちらも上位企業の理由コメントを見てみましょう。
第80回 2018年卒学生が選ぶ、印象のよかった「リクルーター・社員」「面接官」とその理由
[1位]トヨタ自動車
・OBのリクルーターが毎週学校に来てESの添削や話をしてくれた。優しく、時に厳しい指摘をいただけた(上位私立大)
・何度も会う機会があり、気軽に相談に乗ってもらうことができた(上位国公立大)
・就活生のことを考えてくれているのが話している中で伝わってきた(上位国公立大)
・聞いた質問に対して、ひと言目に結論をズバッと教えていただける。これにより全員が常に考えながら仕事をしているから簡潔な受け答えができるのだと感じた(上位国公立大)
・丁寧にES添削などをしていただけた。話も面白かった。雑談も含めつつ、真面目な話もしてくださった(旧帝大クラス)
・非常に熱心に学生の話を聞いた上で企業説明を行ってくれた(旧帝大クラス)
・内定までしっかりサポートしてもらえた。時間を割いてもらって、ESの内容などをチェックしてもらえた(上位国公立大)

[1位]日立製作所
・懇親会でいろいろ教えてくれた。弟のようにかわいがってくれた(早慶クラス)
・質問に対して、自分の考えをはっきりと答えてくれた(上位私立大)
・リクルーターの方がとても丁寧にアドバイスをしてくれた(上位国公立大)
・堅実にしかし新しいことをやっていく活力を、話しぶりから感じた(上位国公立大)
・エントリーシートの添削に関してダントツで良かった。この先輩社員のようになりたいと思った(旧帝大クラス)
・事業部を悩むときも親身になってくれた。自分の意思を尊重してくれた(旧帝大クラス)
・担当のリクルーターが付いてくれてES等を丁寧に添削してくださった(旧帝大クラス)
・ESの添削や面接の練習をしてもらえた(その他国公立大)

[3位]パナソニック
・親身になって対応してくれた(上位私立大)
・他企業が第一志望だったのにも関わらず、ESの添削や就活の相談など親身になって対応してくれた(上位国公立大)
・面接の練習でかなりのフィードバックがもらえた(上位国公立大)
・プレゼン内容の資料を添削してくれた(旧帝大クラス)
・一方的に話すだけでなく、こちらの現状も聞きながら的確な対応をしてくれた(旧帝大クラス)
・研究室のOBだったため、親身に相談に乗ってくれた(旧帝大クラス)
・面接のための資料作りやESの添削を丁寧にしていただいた(旧帝大クラス)

[4位]デンソー
・いきいきと働いている様子が分かるような人柄だった(上位国公立大)
・ざっくばらんに話していただいた(上位国公立大)
・リクルーターが多数いて、長い時間質問に答えてくれた。また、合格できるように教えてくれる情報が、ほかの会社では言ってくれないような選考プロセスについての内容だった(旧帝大クラス)
・非常に親身になって話を聞いてくださり、質問にも誠実に答えていただけた(旧帝大クラス)

[7位]カゴメ
・学生一人ひとりのことを考えてくださっていることが伝わってきた(上位国公立大)
・説明を詳しくしてくれた(その他私立大)
・笑顔が良かった(その他国公立大)

[7位]三菱電機
・非常に優しく、就活生の目線で話をしてくださった(上位私立大)
・エントリーシートの添削や面接練習の機会を多く設けてくれた(上位国公立大)
・リクルーターさんが、エントリーシートの添削から、面接で使う研究発表の資料の添削まで手厚いサポートをしてくれた(上位国公立大)
・親身になって、メールでの質問や、面接でのプレゼン資料の添削などをしてくださった(上位国公立大)

[7位]東海旅客鉄道(JR東海)
・一人に対し長時間を割いてくれた(中堅私立大)
・JR東海に勤めているという使命感がどの社員の方からも感じられ、こういう社会人に私もなりたいと思えた(旧帝大クラス)
・元気で明るくニコニコしていた。仕事ができそうな雰囲気があった(旧帝大クラス)
・選考途中で丁寧にフォローしてもらった(旧帝大クラス)

学生のコメントを見ると、好印象のリクルーター・社員の要素として、「親身」「丁寧な質疑応答」といった企業・仕事に関する情報提供と並んで、「エントリーシートの添削」「研究発表資料の添削」「模擬面接」などの就活支援、それもかなり具体的な、その会社に合格するためのノウハウ指南の提供を挙げる学生が多くなっています。
「いきいきと働く様子にあこがれた」「信念をもって働いていることが分かった」「社会人の視野の高さに気づかされた」といったコメントが、以前はもっと見受けられたのですが、最近はめっきり減ってきています。リクルーターや社員がそこまで突っこんだ話が出てきておらず、手っ取り早い就活支援にとどまってしまっているのかもしれません。ただ、学生や新入社員を評して「マニュアル世代」と呼ぶようになって久しいですが、その度合いは年々強くなっているような気がします。

印象の良くないリクルーター・社員とは

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