理系には研究所見学をセット

最後に、「印象のよかったセミナー・会社説明会」の理系トップ20を見てみましょう[図表7]。1位は採用ホームページと同じく「パナソニック」、2位には同1位の「NTTデータ」と同9位の「ライオン」、4位に同1位の「味の素」も入りましたが、「ソニー」はトップ20にはランクインしませんでした。
第79回 2018年卒学生が選ぶ、印象のよかった「採用ホームページ」、「セミナー・会社説明会」と、その理由
[1位]パナソニック
・細かい事業部ごとに説明者がいて、説明を詳しくしてくれたから(上位私立大)
・OGがたくさんくる。実質のリクルーター面談になるが技術面談をしっかり見てもらえ、大いに役に立った(上位国公立大)
・社員の方とじっくりお話する機会を設けていただいたため(上位国公立大)
・先輩社員の方、OBの方のサポートが手厚かった(旧帝大クラス)
・少人数に別れての質疑応答だったので、質問がしやすく、知りたい情報を得られたから(旧帝大クラス)
・受付がよかった(その他国公立大)
・先輩社員の声を多く聞けるため、社内の雰囲気が分かる。業務内容についてもざっくばらんに話してもらえた(その他国公立大)

[2位]ライオン
・チャレンジ精神あふれる社風が伝わり、今後海外を中心に事業を展開していくビジョンが見えたため(早慶クラス)
・人事の方の説明がはきはきしていてとても聞きやすかった(早慶クラス)
・社員の皆さんが明るく話してくれたため、楽しんで仕事をしているのが感じられた(上位国公立大)
・説明が丁寧かつ分かりやすかった(旧帝大クラス)
・研究所見学もついており、具体的に仕事内容をイメージできた(旧帝大クラス)
・研究所見学を含む、充実した内容が用意されていたから。また、帰り道で通ると危ない場所を教えてくれるなど、学生に親切(その他国公立大)

[2位]NTTデータ
・多くの社員と触れ合う機会をくれたため(早慶クラス)
・社員さんが優しくまた規模も小さかったので社風がしっかり伝わってきた。無駄な時間が全然なくて楽しかった(早慶クラス)
・社員の話がかなり個人的なもので、働く姿を想像しやすかった(上位私立大)
・技術職希望限定セミナーでは、具体的な話が聞けてよかった(上位国公立大)
・社員の方の雰囲気が良かったため(旧帝大クラス)
・会社説明会に参加した企業の中でも最も多くの社員と情報交換する機会があったため(その他国公立大)

[4位]味の素
・「人を大事にする」というスローガンどおりに対応した社員の方々が懇切丁寧に質問に答えてくれたため(早慶クラス)
・技術力に誇りを持っている方が多かったから(早慶クラス)
・希望職種ごとに詳しく説明をしてくれたこと、また多く質疑応答が取られていたため(上位国公立大)
・学生の専門分野別にブースを設けてくれたため(旧帝大クラス)
・グループワークなどを取り入れて、他の説明会よりも印象に残りやすかった(旧帝大クラス)
・社員に質問できる時間が長かった(旧帝大クラス)

[5位]野村総合研究所(NRI)
・学生への対応が非常に丁寧(早慶クラス)
・参加人数が多く個別に話を聞くことのできる時間は必ずしも長くなかったが、パワーポイントの資料が他の企業とは比較にならないほど分かりやすく作り込まれていた(早慶クラス)
・会社説明のパンフレットが非常に分かりやすかった(上位国公立大)
・社員の方の受け答えがしっかりしていたから(旧帝大クラス)
・現場社員の方が来てくださり、座談会形式で話せたから(旧帝大クラス)

[10位]トヨタ自動車
・社員の方がトヨタの魅力について熱く語っていた(上位私立大)
・女性に特化したセミナーでいろんな部署の話を聞けた(上位私立大)
・交通費がしっかり出た(旧帝大クラス)
・リクルーターへの質問時間を設けてくれたから(旧帝大クラス)

[15位]三菱電機
・説明会の合間の休憩時間における社員同士の会話に笑顔が多く見られ、雰囲気がよかったから(上位国公立大)
・さまざまな切り口から(事業所、女性向けなど)企業を理解できる説明会があった(上位国公立大)
・社員の方々の親切さは他社と比べて非常に高かった。こちらがリラックスできるように、優しい態度で接してくれた(その他国公立大)
・それぞれの事業所で何をしているのかを具体的に知ることができた(その他国公立大)

印象のよいセミナー・説明会にするためには、「多くの社員との接触機会」「少人数制・大学別・女性限定」「グループワークによる理解促進」「ブース形式」「丁寧な質疑応答」「しっかりしたプレゼンテーション」「誠実な応対」「笑顔」「コンセプトの異なる複数のセミナー開催」といったキーワードが挙げられます。そのほか、理系では「研究所・工場見学」を組み合わせるほか、「交通費」「飲食物」「グッズ」などのちょっとした気遣いも印象をよくすることにつながります。

次回は、「印象のよい社員・リクルーター」と「印象のよい面接官」のいた会社について取り上げます。ご期待ください。

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