~保健同人社とヒューマネージ、60 万人の大規模調査にもとづく組織活性度分析の結果を発表~

株式会社保健同人社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中島 敏樹、以下保健同人社)と
株式会社ヒューマネージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齋藤 亮三、以下ヒューマネージ)は、

2019 年ストレスチェック実施状況総括にて、近年注目を集めている“プレゼンティーズム”評価を使った組織活性度分析の結果を発表しました。
本調査は、NPO 法人健康経営研究会 理事長 岡田邦夫先生との共同調査で、60 万人の大規模なものとなります。

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“プレゼンティーズム”とは;
これまで、企業におけるメンタルヘルス支援は、主に“アブセンティーズム”と言われる
「欠勤や休職など、心身の不調により出勤できない状態」の従業員を対象として、
予防と対策が講じられてきました。しかし近年、 “プレゼンティーズム”
(出勤しているにもかかわらず、心身の健康上の問題でパフォーマンスが落ちている状態)が
注目を集めており、健康経営優良法人(ホワイト 500)*認定においても重要な指標となっています。

*「健康経営優良法人」は、経営産業省が創設した認定制度。
特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する。
うち、「ホワイト 500」は大規模法人部門の認定法人を指し、2019 年の認定企業は
816 法人(2019年12月1日現在)。
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●通常の「75%未満」のパフォーマンスで勤務している従業員が、1/4 を占める。

過去4週間の仕事の実績について、通常の状態を 100%として評価してもらったところ、
「100%以上の状態で勤務できている」と回答した割合は 1 割(11.1%)にすぎず、
残り9割の従業員は、何らかの心身の健康上の問題によって、
本来のパフォーマンスを発揮できていないことがわかりました。

特にパフォーマンスが低下している状態である、通常の「50%未満」「50~75%未満」と回答した従業員が
1/4(25%)を占めており、組織の生産性にマイナスの影響を及ぼしていると考えられます。

●本来のパフォーマンスを発揮できていないのは、特に“女性”“若年層”に多い傾向。

性別×年代別に詳しくみると、(1)どの年代も、男性よりも女性のほうが、
本来のパフォーマンスを発揮できていないと回答する割合が高く、
(2)年代が若くなるほど、本来のパフォーマンスを発揮できていないと回答する割合が
高くなる傾向がみられました。
プレゼンティーズムへの対応を考える際、“女性”“若年層”へのアプローチが重要と考えられます。


●TEAMS EAP コンサルタントの考察

“プレゼンティーズム”(疾病就業)は、近年、組織の活性度、
労働生産性を測る指標として注目されています。
保健同人社とヒューマネージは、昨年、NPO 法人健康経営研究会 理事長 岡田邦夫先生との
共同研究として、プレゼンティーズムを科学的に評価する尺度を開発しました。
今回の組織活性度分析は、この尺度を用いています。

プレゼンティーズムは、

①ストレスの原因にどう対処するか(コーピング)、
②人付き合いの技術(ソーシャルスキル)と関連性があることがわかっており、
特に①コーピングについては「認知による対処」、②ソーシャルスキルについては
「マネジメントスキル」との高い関連性がみられます。
これらのスキルの向上を図ることで、プレゼンティーズムの改善~組織の生産性向上が期待できるといえます。
今回の分析をもとに、組織の生産性向上、健康経営実現に向け、
より効果的な取り組みをご支援していく所存です。