タレントマネジメントとラーニングマネジメントの概念・関係性を理解し企業の人材育成へ

企業が従業員に学習機会を提供する際に、タレントマネジメントを意識せず、安易にラーニングマネジメントをとらえその場しのぎの簡易なeラーニングを採用するケースが多くみられます。タレントマネジメントとは、保有する優秀な人材のスキルと能力を企業が把握し、優秀な人材が十分に能力を発揮して会社に貢献できるような、適所の人材配置や更なるスキルアップを企業経営の施策として実行していく事です。企業の人材関連部門は、はじめにタレントマネジメントとラーニングマネジメントの関係性を正しく理解する必要があります。

目次

eラーニングを実施すればよい、という勘違い。ラーニングマネージメントのマネージメント機能(管理機能)が欠けている

企業が持続的な成長をしていく上で、以前からタレントマネジメントは注目されてきました。採用・育成・配置・選抜などを効率的で効果的に実行していくためには、従業員のスキルと能力を把握して企業経営の向上のために活かしていくというタレントマネジメントの概念が必要だからです。さらに企業は、近年新たに直面している人事戦略上の課題を解決しなければなりません。それは、生産年齢人口の減少によって厳しくなる「人材の確保」、価値観の多様化によって個別の対応が迫られる「従業員満足度の向上」、ICTの進展によってボーダレス化する「ビジネス環境への対応」です。こうした課題の網羅的な解決手段としても、タレントマネジメントは注目を集めています。

企業は、そうした背景のなかで「既存従業員の質の向上」というニーズを高め、従業員も自身の質の向上を求めています。質の向上とは、「業績向上」「目標達成」「キャリア発達」です。企業側は従業員の「キャリア発達」を求め、従業員側も自身のキャリアを向上するための機会を求めているのです。現在、従業員の質の向上を実現する手段としてスキル習得や能力開発を促す学習機会の提供とそれを推進するための学習管理、いわゆるラーニングマネジメントに取り組む企業が非常に多くなっています。

しかし企業が、従業員に学習機会を提供する際に、タレントマネジメントを意識せず、管理機能の薄いeラーニングのみを実行しているケースが多いのが現状です。また、その実行を支援するツールとして、ラーニングマネジメントとタレントマネジメントがシームレスに連携したシステムではなく、安価で容易に導入できることを理由にeラーニング機能だけを選択しがちです。この背景には、企業がタレントマネジメントとラーニングマネジメントの概念、関係性を正しく理解できていない、という問題があります。

【参考】社員教育をもう一度見直す!効果が出るe-ラーニングの選び方

タレントマネジメントとラーニングマネジメントの概念、関係性

企業は、経営目標達成のための「人材戦略上の課題」解決策としてタレントマネジメントを導入します。タレントマネジメントで解決する課題は、「人材調達」「人材育成」「適材適所への配置」「人材定着」に関するものです。そのなかで「人材育成」や「人材定着」には、従業員に対する「教育機会の提供」と「働くモチベーションの維持」が求められます。つまり、企業は従業員に自ら学ぶ機会を与え創出することでキャリア発達を求め従業員のリテンションも高めていく、一方で従業員も学ぶ機会を創出することで企業の功績向上に寄与するスキルやモチベーションを創出するということです。

その手段の1つが、使いやすい管理機能をもったラーニングマネジメントなのです。つまり、タレントマネジメントとラーニングマネジメントの関係は、並列でもなければ個別でもありません。タレントマネジメントは、ラーニングマネジメントを内包しているものと言えるのです。

「ラーニング×タレントマネジメント」がもたらす価値

今後の企業の成長には、従業員の能力の最大化が急務となっています。そのため企業は、従業員に継続的な成長とキャリアモビリティをもたらす必要があります。それは、企業がタレントマネジメントの概念や思考を理解し着実に実行していくことで実現するのです。タレントマネジメントでは、従業員の多種多様な人材関連情報を一元管理し、活用します。企業は、それを実行できる環境づくりの一環として、タレントマネジメントシステムを導入します。

タレントマネジメントシステムの機能の一部としてLMSは入っているので、しっかりとタレントマネジメントの概念や思考を理解し実行していく上で、ラーニングマネジメントと統合管理が必要です。結果としてタレントマネジメントシステムに連携されているLMSとタレントマネジメントを大きな概念の中で同期させ使っていく必要があるということです。「ラーニング×タレントマネジメント」のシームレスな連携は、企業に次のような価値をもたらします。

SHRMが2006年に発表した、タレントマネジメントの定義にあるように、「ラーニング×タレントマネジメント」のシームレスな連携は、現在から将来にかけて継続的に企業が発展していくために必要なスキルと能力のある従業員を惹きつけ、能力を開発し、企業に引き留め活用していくことで、システム化された企業戦略としての価値をもたらします。

さらに、ASTDが2009年に発表したタレントマネジメントの定義を参考に考えると、「ラーニング×タレントマネジメント」のシームレスな連携は、企業の目的達成のために必要な採用・育成・配置・選抜をスムーズに実現できるプロセスを価値としてもたらします。

2つの価値は、結果として企業経営目標達成のために、短期および長期の成果をもたらすことが期待されます。

【参考】タレントマネジメントシステムを取り入れてすぐに始めるべき企業とは

まとめ

現在の企業には、「従業員とともに成長できる環境づくり」が求められています。「ラーニング×タレントマネジメント」はその答えと言ってもよいでしょう。企業は、「従業員への学習機会の提供」を目的化し、「簡易型LMSの導入」のみで人と組織がともに育つ環境が整う、と勘違いしてはいけません。

企業の人材関連部門は、はじめにタレントマネジメントとラーニングマネジメントの関係性を正しく理解する必要があります。そのうえで、自社の人材戦略上の課題に沿ったタレントマネジメントプランを立案し、その実行支援ツールとして「ラーニングと一体化したタレントマネジメントシステム」の導入を検討しましょう。

併せて経営層に対して、経営目標達成のための必要性を訴えかけなければなりません。経営層からの理解が得られてこそ、「ラーニング×タレントマネジメントの実行環境づくり」に着手できるということを、肝に銘じるべきです。

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