オンボーディングが必要とされる背景や期待される効果とは?5つの成功事例もご紹介します!

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「1日も早く仕事に慣れ、活躍してほしい」、「せっかく採用したのだから、定着してほしい」
新入社員の即戦力化や早期離職の防止は、人材不足が深刻化する昨今、多くの企業が抱える共通の課題となっています。

そうした中、注目されているのが、「オンボーディング」です。これは採用した人材を組織の一員としてスムーズに定着化、戦力化させる人材育成プログラムの一つで、導入する企業が年々増えています。

この記事では、オンボーディングの概要や必要とされる背景、期待される効果等を解説しつつ、オンボーディングの具体的な施策事例などもご紹介します。

目次

オンボーディングとは?

オンボーディングとは、新卒・中途を問わず新たに採用した従業員に対して継続的に教育・サポートを行うことで、企業の一員としてスムーズに定着し、早期に成果を出せるようにするための人材育成プログラムです。飛行機や船に乗り込んだ状態を意味する「on-board」から派生した言葉で、「新しい従業員がいち早く現場に慣れるようにサポートする」という意味合いから、人事用語としても使われるようになりました。

入社したばかりの従業員は、慣れない仕事や環境に少なからず不安や戸惑いを感じるものです。1日でも早く馴染み、戦力となってもらうためには、周りのサポートが欠かせません。オンボーディングでは、研修を通じて業務に必要な知識やスキルを習得するだけでなく、教育担当者をはじめとするさまざまな従業員とのコミュニケーション、1on1ミーティング、サーベイといった施策を通じて、組織に馴染むための情報や価値観を学んでいきます。

オンボーディングが必要とされる背景

なぜ今、オンボーディングが注目されているのか、その背景を見ていきましょう。総務省統計局が実施した「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均」によると、労働力人口(15歳以上の人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は、2021年平均で6860万人と、2019年をピークに減少傾向にあります。人口減少および少子高齢化により、労働力人口はますます減少すると見られており、今後企業はさらなる人材不足に悩まされる可能性が高いのです。

一方、厚生労働省が公表している「新規学卒者の離職状況」によると、ここ10年間の3年以内の離職率は、高卒者では4割前後、大卒者では3割前後と高い水準にて推移しています。労働力人口が減少することで企業間における人材獲得競争の激化が見込まれる昨今、新卒社員の早期離職防止や定着率の向上は、多くの企業が共通して抱える課題となっています。人材不足や労働市場の変化などの荒波に負けず、強固な経営基盤を構築するためには、オンボーディングによる早期戦力化と離職率低下・定着率向上が必要不可欠なのです。

オンボーディングがもたらす効果とは?

オンボーディングによって期待される主な効果としては、以下の3つが挙げられます。

①採用・育成コストの削減
従業員を新たに採用する際には、ナビ媒体への掲載を含めた求人広告費、説明会の会場費用、採用ツールの制作費といった採用コストと、研修ツールの制作費、教育担当者の人件費、研究費用といった育成コストがかかります。オンボーディングによって離職率が低下し、定着率が向上すれば、採用・育成コストの無駄を防ぐことができる上、コストをかけた分の採算が取れるようになるでしょう。また、欠員補充にかかる採用・育成コストも削減可能です。

②従業員エンゲージメントの向上
従業員エンゲージメントとは、従業員の企業に対する信頼、愛着、貢献意欲などを示す指標です。オンボーディングを通じて手厚くサポートしてあげれば、新入社員は企業に対してより一層、強い信頼や愛着を寄せるようになります。またいち早く戦力として活躍できるようになれば、自信ややりがいも増し、貢献したいという意欲がますます高まるでしょう。さらに従業員エンゲージメントが高まれば、生産性が向上し、組織力も強化されます。

③採用競争力の強化
オンボーディングは、新入社員の育成やエンゲージメントの向上のみならず、採用競争力の強化にも寄与します。採用活動の中で、新入社員に手厚いサポートを行っていることをアピールすれば、求職者の心を惹きつけることができるでしょう。またオンボーディングによって育成したエンゲージメントの高い従業員が、「リファラル採用(=自社の従業員に人材を紹介してもらう採用方法)」に貢献してくれることも期待できます。

オンボーディングの成功事例

では、具体的にどのような取り組みをすれば効果があるのでしょうか。オンボーディングの5つの成功事例をもとに、その施策やポイントを解説します。

【日本オラクル】
データベース事業やクラウド事業を主力として手がける日本オラクルは、2016年に「社員エンゲージメント室」を立ち上げ、中途採用の営業社員向けに「5週間研修」を始めました。1週間ごとに、集合研修による基礎学習、OJT、ロールプレイングなどを実施し、習熟度を細かく確認していきます。

またOJTにおいては、現場の上司だけではなく、ナビゲーター(先輩社員が担当。社内のルールを教えるなど細かいサポートを実施する)や、サクセスマネージャー(社員エンゲージメント室が担当。入社者の成功にコミットする)といった専任スタッフを配置しているのも特徴です。

その他にも、各部門独自のオンボーディングや相談体制の拡充、人材情報を統合的に管理するクラウド型人事ソリューション「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management」の活用など、コアバリューの共有や従業員同士がつながる環境づくりに注力し、従業員エンゲージメントを向上させています。

【LINE】
モバイルメッセンジャーアプリケーション「LINE」をはじめ、多様なインターネット関連事業を展開するLINEは、中途採用者の早期適応を目的として、2017年5月より高頻度のアンケートを通じて組織の状態を可視化する「従業員向けパルスサーベイ」と「人間関係の診断サーベイ」を導入するなど、オンボーディングに力を入れています。

また、入社後10日間のサポートメールの配信や、LINEを通じて社員がわからないことを何でも聞ける社内オンラインサービス「LINE CARE」の提供、さらに対面でも「LINE CARE」と同じサービスが受けられるサービスカウンターを設置するなど、きめ細やかなサポート体制を構築。中途採用者の早期適応や定着率の向上につなげています。

【GMOペパボ】
ハンドメイドマーケット「minne」をはじめとする、さまざまなインターネットサービスを提供しているGMOペパボは、2018年より中途採用のエンジニア向けのオンボーディングプログラム「ペパボカクテル」を導入しています。

本プログラムでは、気軽に質問したり、コミュニケーションが図れるチャットツールの社内チャンネル「カクテルチャンネル」や、上司との「1on1面談」、毎月第2金曜日に約2時間かけて開催される社内勉強会「ペパボテックフライデー」、新しく入社したエンジニアがさまざまな事業部のエンジニアと気軽にランチに行ける制度「ランチワゴン」、目標設計のためのフォーマット「やっていきシート」など、キャリア形成とコミュニケーションの活性化を推進する多様な施策を実施。事業部の垣根を越えて教え合い、助け合う文化が根付き、従業員の帰属意識を高めることに成功しています。

【メルカリ】
日本最大のフリマサービス「メルカリ」を提供しているメルカリは、従来の「採用に強い会社」組織から「人が成長できる会社」組織への方向転換を目指し、2019年より2カ月間のオンボーディングを開始しました。

この中で、CTO自らがメルカリのエンジニアリング組織の体制、現状の課題感や将来の展望について新メンバーにプレゼンする「エンジニアオリエンテーション」、必要な情報や知りたい情報にいつでもすぐにアクセスできる「オンボーディングポータル」、知識や経験豊富なシニアエンジニアをメンターとして割り当てる「メンター制度」、Google Meetでつながりながら、ランチを各自で用意して一緒に食べる「リモートメンターランチ」。

さらにはオンボーディングの達成度合いを図る目安として、技術領域ごとに独自のKPIを立て、その進捗を確認する「オンボーディングサーベイ」など、オープンさと手厚さを兼ね備えたさまざまな施策を実施。リモートでも不安や孤独に悩まされずに働くことができる環境を構築しています。

【サイボウズ】
グループウェア「サイボウズ Office」や業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」などを手がけるサイボウズは、2019年にキャリア採用を積極的に行うことを決め、2020年からキャリア入社の従業員を対象に3カ月間のオンボーディング研修を実施。現在は新卒にも対象を広げ、組織文化理解と関係性構築を目的とした取り組みを進めています。

新卒者に対しては「サイボウズでわくわくしながら働いてもらうための準備」をコンセプトとした「新卒オンボーディング」を、中途採用者に対しては「サイボウズの制度と風土に慣れて、安心して仕事ができるようになる」をコンセプトとした「キャリアオンボーディング」を実施。オンボーディング期間中には、密なコミュニケーションを通じてメンバーの状況を把握するサイボウズ流の1on1ミーティング「ザツダン」や、入社1カ月、3カ月、6カ月のタイミングで新入社員のコンディションをヒアリングする「オンボーディングサーベイ」などを実施し、心理的安全性を醸成しています。

まとめ

◆オンボーディングとは、新たに採用した従業員の早期戦力化と離職率低下・定着率向上を目指し、継続的に教育・サポートを行う人材育成プログラム。人材不足や労働市場の変化を乗り越えるための大きな鍵として、注目を集めている。

◆オンボーディングの効果を最大限享受するためには、自社が抱える課題を見極め、適切な施策を打つことが大切。

◆施策は定期的に見直し、アップデートしていくことも効果を高める重要なポイントとなる。今回ご紹介した各社の成功事例等を参考にしていただき、自社に適したオンボーディングの取り組みを推進してみてはいかがだろうか。

【著者プロフィール】
「ラーニング・イノベーションLABO」編集部
人事領域において人材開発やDX・ITにおけるクリティカルな情報をお届けします。
また、人事担当者の方々が日々抱える人材育成、人材開発における課題を整理し解決していくメディアを目指しています。
人材開発の先にある、社員の方一人一人の自己開発型人材の実現を目指し気づきと学びを提供するべく情報をお届けしていきます。
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