人材の流出を防ぐには?育児休暇や時短勤務制度の見直し

近年、働き方の多様化が進みその中でも企業間の人材の獲得競争が激化しています。
その中で人材の流動化が進み、優秀な人材を獲得できるチャンスが増えてきているといわれています。
しかし、裏を返せば、魅力に欠ける企業は優秀な人材が流出してしまう可能性も高まっているといえるでしょう。

この記事では、人材の流出が企業に招くリスクについて解説し、人材の流出を引き起こす主な原因や人材の流出を防ぐために押さえておきたいポイントと対策を紹介します。

目次

人材の流出が企業に招く4つのリスク

人材が流出すると、企業には以下に挙げる4つのリスクが降りかかってきます。

●人材採用・育成コストの増加
人材を採用する際には求人媒体の利用料や紹介会社への手数料、採用にかかわる担当者の人件費など、人材を育成する際には会場費や教材費、教育担当者の人件費などのコストがかかります。
人材が流出すると、それまでその人材の採用・育成にかけた多額のコストが無駄になってしまうことに加え、流出した人材の穴を埋めるため、再び多額の人材採用・育成コストをかけなければならなくなります。

●ノウハウ・顧客の流出
勤続年数が長く、優秀な人材が流出した場合、その人材が積み重ねてきたノウハウや獲得してきた顧客も一緒に流出してしまいます。
また、運営方法や業務システム、技術、知識など、企業が独自に積み上げてきたノウハウが流出してしまう可能性もあるでしょう。
もし、流出した人材がライバル企業に就職した場合、ノウハウ・顧客がライバル企業に奪われ、大打撃を受ける危険性があるのです。

●生産性・業務効率の低下
人材が流出すると、新たな人材を確保して育て上げるまで、流出した人材が担当していた業務を残った人材に振り分けなければならなくなります。
その結果、従業員1人当たりの業務負担が増え、従業員のモチベーションが下がったり、更なる人材の流出が起こるなど、最悪負のスパイラルに陥ったりしてしまうこともあります。結果としてして生産性・業務効率が低下するでしょう。
生産性・業務効率が低下し続けると、成長が鈍化し、経営難に陥ってしまうのです。

●ブランド力の低下
人材の流出を止められずにいると、実態はどうであれ「あの企業は労働環境がよくないのだろう」「低賃金で重労働を強いられるのだろう」などと悪いイメージを持たれるようになり、ブランド力が低下してしまいます。
ブランド力が低下すると、新たに優秀な人材を獲得することが難しくなったり、顧客からの信頼を失ったりと、業績が悪化する可能性も高まるでしょう。

人材の流出を引き起こす主な原因

人材の流出を引き起こす主な原因としては、以下の5つが挙げられます。

●給与が低い・手当が少ない
給与が仕事に見合わないと感じられる場合、転職を考える従業員が現れます。
特に、同業他社と比べて基本給を低く設定したり、サービス残業が横行したりしている企業からは従業員の心が離れていくでしょう。
また、基本給を平均水準に合わせて設定していても、住宅手当や通勤手当などの手当が手薄だと、従業員の不満が募ります。

●労働環境が悪い
過労に陥るほど労働環境が悪い企業からは、多くの従業員が流出してしまいます。
中でも、深夜までの長時間労働を強制したり、休日出勤を求めたりする企業や、休暇を気軽に取ることが難しい企業など、家族やプライベートを犠牲にしなければ働けない企業からは、従業員が離れていくでしょう。

●評価が不当
もし、自分より明らかに努力を怠っており、成果も挙げていない人の方が高い評価を受けていると知ったら、ほとんどの人はやる気を失ってしまうでしょう。
今、従業員のモチベーションを高めるシステムとして評価制度が注目を集めていますが、評価が不当と受け取られた場合は人材流出の原因になってしまうため、注意が必要です。

●キャリアを積めない
キャリアとは無関係の雑務ばかり任されて一向にキャリアを積めない企業からは、上昇志向が高い従業員は逃げていきます。
また、教育制度が整えられていない企業や、キャリアパスが明示されていない企業も、最短距離でキャリアアップを目指したいと考えている従業員からは見放されてしまうでしょう。

●人間関係が悪い
パワハラやセクハラが横行していたり、質問をすることも憚られるほど空気がピリピリしていたりするなど、人間関係が悪い企業に長く勤めたいと思う従業員はいません。
一方「従業員は全員家族」と謳うアットホームな企業も、濃密な人間関係を築いたりプライベートに干渉されたりすることを嫌う従業員からは忌避されます。

人材の流出を防ぐために押さえておきたい3つのポイント

人材の流出を防ぐための対策を講じる際には、以下に挙げる3つのポイントを押さえておきましょう。

●真の原因を明らかにする
離職する従業員に直接離職の理由を聞いたとしても、遠慮して本当の理由を告げてくれない可能性があります。
また、他に重大な人材流出の原因がある可能性も考えなければなりません。

より効果的な対策を打つためには、離職した従業員の周囲にヒアリングやアンケート調査をおこない人材流出の真の原因を明らかにする必要があるのです。

●流出防止にはインセンティブが必要
何のインセンティブもなしに人材の流出を防ぐことは困難です。
インセンティブには金銭報酬などの「物質的インセンティブ」や昇進などの「評価的インセンティブ」、キャリアアップの道筋を示す「自己実現的インセンティブ」などがあります。
人材流出の原因に応じてどのインセンティブを手厚くするかを吟味し、対策を練りましょう。

●ワークライフバランスを主軸に据える
ひと昔前までは「仕事に人生を捧げるべき」という考え方が尊ばれていましたが、今では「仕事もプライベートも充実させるべき」という考え方が主流となっています。
そのため、人材の流出を防ぐ対策を講じる際には、ワークライフバランスを主軸に据えるように心がけてください。

人材の流出を防ぐ7つの対策

人材の流出を防ぐ主な対策としては、以下の7つが挙げられます。

●賃金制度の見直し
人材の流出原因が給与への不満である場合、基本給・賞与・手当などの賃金制度の見直しを図りましょう。具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。

● 基本給・賞与に業績を反映
● 住宅手当や家族手当など、従業員の生活を支える手当の拡充
● 資格手当など、従業員のスキルに応じた手当の支給

●働き方の見直し
ワークライフバランスのとりづらさが人材の流出につながっている場合には、多様な働き方を認めることが大切です。具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。

● 1日1時間の超短時間勤務の導入など、短時間勤務制度の拡充
● フレックスタイム制度の導入
● テレワーク・在宅勤務制度の導入

●休暇制度の見直し
休暇制度の見直しも、ワークライフバランスのとりづらさの解消に有効です。具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。

● 育児休暇・介護休暇の拡充
● リフレッシュ休暇やアニバーサリー休暇など、特別休暇の導入
● 半休や時間単位年休など、中抜けを可能にする休暇制度の導入

●評価制度の見直し
評価に不満を募らせて離職する従業員が後を絶たない場合には、評価制度の見直しをしましょう。
評価制度を見直す際には、ブレることのない明確な評価基準を設け、誰もが納得できる公平な評価方法を採用することが大切です。
ピアボーナス制度や360度評価など、従業員同士の信頼構築に寄与する評価制度の導入もおすすめです。

●キャリアパスの見直し
キャリアアップに不安を抱いて離職する従業員を減らすための施策としては、キャリアパスの見直しが挙げられます。
従業員が目標とするキャリアに到達するために必要なスキルや経験を具体的な指標として明示し、キャリアを積むための教育体制を拡充すれば、従業員のキャリアへの不満を取り除き、モチベーションを高めることができるでしょう。

●人員配置の見直し
人員配置の見直しも、キャリアアップへの不安解消につながります。
スキルや経験、資質、特性、希望、キャリアビジョンなどを一元管理できるタレントマネジメントシステムなどを活用すれば、従業員にとっても企業にとっても適材適所の人材配置を実現できるでしょう。

●社内コミュニケーションの見直し
人間関係の悪化を何とかしたいのであれば、社内コミュニケーションを見直してみてください。具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。

● コミュニケーション研修やハラスメント研修の実施
● 従業員同士が気軽にコミュニケーションを取れる社内SNSの導入
● 1on1など定期的な面談の実施

まとめ

◆人材の流出は「人材採用・育成コストの増加」「ノウハウ・顧客の流出」「生産性・業務効率の低下」「ブランド力の低下」といった企業にとって看過できないリスクをもたらす。

◆人材の流出を抑えるためには、真の原因を割り出し、適切な対策を講じることが大切となる。

◆今回紹介した7つの対策を参考に、従業員が企業に留まりたいと思うインセンティブを付与する施策や、ワークライフバランスの向上に資する施策を検討してみよう。

【著者プロフィール】
「ラーニング・イノベーションLABO」編集部
人事領域において人材開発やDX・ITにおけるクリティカルな情報をお届けします。
また、人事担当者の方々が日々抱える人材育成、人材開発における課題を整理し解決していくメディアを目指しています。
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