HRプロ編集部取材×注目人事トレンド サムトータル・システムズ×RPA テクノロジーズ 特別対談  RPAを活用したタレントマネジメントによる企業の人事戦略とは

目次

RPAを活用したタレントマネジメントによる企業の人事戦略とは

AIやRPAといったテクノロジーの急速な進歩によって、今まさに働き方が変わろうとしている。
人とテクノロジーの役割分担はどこにあるのか。新時代におけるタレントマネジメントのあり方はどうなるのか。
RPAの先駆者であるRPAテクノロジーズの大角氏、IT技術を活用した人材育成ソリューション、タレントマネジメントを提供するサムトータル・システムズの古沢氏の、お二人のそれぞれの立場から「働き方」を変革し生産性を向上させる人事戦略について語っていただいた。

聞き手:HR プロ編集部

RPA はIT というよりもHR テクノロジー

RPAテクノロジーズ株式会社
代表取締役社長
大角 暢之 氏

―最近よく耳にする「RPA」についてどんなものなのか教えていただけますか。

大角 RPAはRobotic Process Automationの略で、これまでホワイトカラーが担ってきたオフィスにおける業務をデジタルレイバー(Digital Labor)に代行させるものです。
この技術は10年ほど前から出始めていたのですが、RPAの協会が2015年にアメリカで設立され、日本でも2016年から一般的に認知されるようになってきました。
現在では定着しているFA(Factory Automation)と異なるところは、工業製品の製造工程における作業を代行するFAに対し、デジタルレイバーは帳票書類の付け合わせなどといった知的業務のバックオフィス業務を担うところにあります。

古沢 それがホワイトカラーの業務代行といわれるゆえんなのですね。

大角 そうですね。デジタルレイバーの特徴は処理スピードの速さ、正確さ、24時間稼働できることです。
人が行っている業務の手順をデジタルレイバーに覚えさせることで、単純な作業だけでなくより高度な業務をも代行させることが可能になっています。

古沢 将来的に労働人口が減少する中で、私たちタレントマネジメントの業界から見てもRPAの技術にはとても注目しています。

大角 デジタルレイバーはスピード、正確さ、稼働時間とオフィス業務の担い手として大きなポテンシャルがあります。新しい労働力といってもいいでしょう。
しかしながら、RPAを導入するメリットは単なる労働力の確保にあるのではなく、オフィス業務の大半を占めていた業務をデジタルレイバーに任せることによって、人間はもっと生産性の高い業務を担うことが可能になることにあります。

古沢 そう、そこなんですよね。昨今、タレント( 優秀人材) の獲得にあたって、企業間の競争が激化しています。人材の獲得は当然のことながら、その能力を発揮する生産性の向上や、そのためのモチベーションの向上がとても大切です。
そのためにはより有意義な仕事にシフトすることによって、高いレベルで能力を発揮できる組織づくりが重要なのですが、その仕組みづくりとしてRPAの導入はとても有効な手段のひとつですね。

大角 はい、そういった意味で、私たちはRPAとは「働き方」そのものを変革するツールであり、ITというよりも、HRテクノロジーだと思っています。

サムトータル・システムズ 株式会社
マーケティングディレクター
古沢 淳 氏

―「AIやRPAによって雇用が減るのでは?」といった論調もありますが、それはない、ということですね。

大角 ありえない話です。むしろ、ムダな仕事を省いて生産性の向上に貢献できると思っています。

古沢 私も同感です。私たちサムトータルではタレントマネジメントによって、業務内容の見える化を進めていまして、ソフトウェアを利用して、社員の業務内容がグラフで見られるようになっています。ひとりひとりの業務内容を明確にした上で、処理業務はデジタルレイバーに任せることによって、本来の業務に集中することができますね。まさに「働き方改革」です。

大角 その通りだと思います。RPAを導入される企業の要望の多くは、「デジタルレイバーに業務を任せることで人件費を削減したい」というのではなく、「膨大な業務の量によって本来の仕事が圧迫されているので、そこを改善して業務効率を図りたい」というものです。デジタルレイバーが人にとって代わるというのではなく、生産性の向上を手助けしているのです。
「人件費の抑制」と「生産性の向上」は似ているようでも全く思想の異なるものなのです。

古沢 「人が減るのか?」というレベルの話ではなく、人の適切な配置や能力の向上など、組織のあり方そのものを問うているのだと思います。

RPA と人事戦略の融合によって促進されるタレントエクスパンション

―RPAを導入される企業にはどんなところがありますか?

大角 2011年くらいから金融業界を中心にRPAの導入が広がってきました。業務の内容は帳票類の付け合わせなどからスタートし、順に業務範囲は広がってきています。
また、ネット上の不正情報をクロールしてチェックするモニタリング業務なども、人が張り付いているわけにはいきませんので、デジタルレイバーが行っています。
RPA導入の流れは、地域や業種問わず広がってきています。

―これからRPAの導入が一般化していくにあたり、人は何をしていくべきなのでしょうか。

大角 業務には人間にしかできないものがありますから、そちらにシフトしていくことになります。これまでバックオフィスと言われた事務作業に追われていたものをデジタルレイバーに任せることによって、本来の仕事であるクリエイティビティの高い業務にエネルギーを注いでいくことになるでしょう。

古沢 そこで、人事は本来の人の活力を引き出すことができるか、が問われてくるわけです。
会社のビジョンと、人材の育成、活用ビジョンを重ね合わせ、作業はデジタルレイバーに任せ、創造性を人に任せる戦略。
こうして見てくると、RPAとタレントマネジメントは密接に結びついていると思います。

大角 今後はRPAを担当する部門はシステムと人事をまたいだものになることが理想だと思います。
ITの登場によって経営と現場の間にシステム部門が作られました。RPAの場合は業務内容を分析した上で、単純業務をデジタルレイバーに振り分け、空いた人員をどの生産性の高い業務に活用していくか、を考えるわけですから、人事戦略的な部門として機能させていくことが重要です。

古沢 人が働くことにおいて、仕事に納得感を持つことや、やりたいことにチャレンジし成長する過程が大切ですから、これまで負ってきたモチベーションを下げかねない単純業務の負担が軽減されることは、タレントエクスパンション(優秀人材の能力向上、成長)を考える上でとても意義のあることだと思います。

大角 優秀な人材をどうつなぎとめるか、ということに大きく貢献できると思いますよ。

古沢 RPAによる「働き方改革」とタレントマネジメントが融合することで、強い組織を作ることができる。これが、先ほどおっしゃっていた「RPAはHRテクノロジー」だという本当の理由なのですね。

ロボットに作業を学習させるデジタルレイバー

―これから企業がRPAを導入するには、どんなところから始めればよいのでしょうか。

大角 まずは物量が無制限にある仕事、単調で人が嫌がる仕事をデジタルレイバーに任せることからスタートするのがいいでしょう。
CRMやAIといった技術だとハードルが高い気がしますが、デジタルレイバーを活用する分には比較的容易に導入できます。
これまでのようにシステムを設計して組む必要はなく、作業工程をやってみせることでロボットがその作業工程を学習していきますので誰でもすぐに扱うことができます。また、業務フローが変更になったとしても、システムの変更をすることなく、再度学習をさせればよいのです。

―デジタルレイバーを活用するための人材育成も必要になりますね。

大角 ミレニアム世代ではデジタル環境に慣れ親しんでいる上、スマホやタブレットなどのデバイスの機能も向上していますから、デジタルを使った教育システムを提供することが有効だと思います。

古沢 気を付けなければならないのは、現代の情報があふれた世の中では、チュートリアルサイトやSNSなどによる、横での情報交換も盛んですから、使えない教材は見向きもされませんし、どんどんと淘汰されていきます。
ですから、タレントマネジメントの教育システムでも、教材やしくみの向上は不可欠です。RPAを使いこなす上でも、デジタルを活用した、より効果的な教材を充実させていく必要があるでしょう。

―最後に、企業の人事担当者に向けてメッセージをお願いします。

大角 先ほどもお話ししましたが、私たちはRPAとはITではなくHRテクノロジーだと思っています。
単に業務効率やコストダウンの観点からだけではなく、デジタルレイバーをひとつの労働力としてとらえ、人間がより生産性の高い仕事にシフトしていけるような働き方の変革として戦略的に考えていただければと思います。

古沢 人は目的があって力を発揮し成長しますから、「何のために仕事をするのか」を与えてあげる必要があります。
RPAの導入によって作業を軽減することで、人間が人間らしく働く環境を整えることが人事、ひいては経営の役割なのではないでしょうか。

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