企業活動の主力となるミレニアム世代とは? ミレニアム世代の特徴や気をつけたいポイントについて解説

昨今、ミレニアム世代は、企業の中でも採用、育成、そして定着促進において、重要なターゲットレイヤーになっています。
企業は、ミレニアム世代が望むキャリア、つまりは生き方を知って、デジタルネイティブの特徴やキャリアビジョンの傾向の把握に努め、彼らに効果的な能力開発の機会を提供していくことを迫られています。
この記事ではミレニアム世代とは何か、ミレニアム世代の特徴やタレントマネジメント、採用マーケティングなどについて解説します。
1.ミレニアム世代とは
1980年~2000年に生まれた世代は「ミレニアム世代」と呼ばれ、21歳~36歳までがこの世代に該当します。
ミレニアム世代とは、いわゆるデジタルネイティブ世代であり、彼らはICTの進展によってインフラ整備が進み、PCやスマートフォンなどのデジタルデバイスが普及した環境で育ってきた背景があります。
そのため企業は、既成概念に囚われず、デジタルネイティブが持つ興味、価値観、能力に注目する必要があるのです。
企業は、ミレニアム世代が望むキャリア、つまりは生き方を知る必要があるでしょう。
デジタルネイティブの特徴やキャリアビジョンの傾向の把握に努め、彼らに効果的な能力開発の機会を提供しなければなりません。
参考
・ミレニアム世代(デジタルネイティブ世代)が求めるタレントマネジメントとは?特徴と傾向を解説
2.ミレニアム世代の特徴
ミレニアム世代の特徴としては大きく分けて次の3点があります。
・「自分がやりたいこと」に正直
・仕事選びは知名度や規模より、「やりがいを感じるか」「自分が成長できるか」「尊敬する人と仕事ができるか」など、自己の満足感を重視
・既存の価値観にとらわれず新しいチャレンジをする
そしてミレニアム世代が企業に求めるものは次の3点があると言われています。
・スキルアップ・キャリアアップできるか
・自分のワークライフバランスを実現できる環境が整っているか
・自分が働きやすい良好な人間関係が実現できるか
サムトータル・システムズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:平野 正信)が2016年9月2日~9月15日に、上場および未上場企業の人事担当者を対象に、『「ミレニアム世代」の育成』に関する調査を実施しました。
「ミレニアム世代について以下の特徴があると感じるか」を聞いたところ、「デジタルネイティブ(SNSなどのデジタルツールを使いこなす」が40%で第1位となりました。
「私を知って欲しいという承認欲求が強い」が34%で第2位、「他者評価より自己評価・自己成長を重視する」が31%で第3位となりました。
ミレニアム世代は子供の頃から携帯電話や携帯端末を使って生活をしており、仕事のためにデジタル機器を使っている世代とは明らかにデジタル機器に対する新密度が異なっている、という風に感じられているようです。
第6位ではありますが「PCが無くてもスマホで仕事をする」が2割弱もあります。
しかし一方で、21歳~36歳ぐらいの世代に対しては、日本では「ミレニアム世代」というよりも「若手人材」として認識している人事が多いようです。
その上でデジタル時代の情報の洪水の中で育った彼らが「情報を鵜呑みにしないか心配」であり、「様々な情報を分析・整理し、自分の考えとしてまとめ上げる必要がある」との意見が挙がりました。

参考:
・「ミレニアム世代」の特徴と育成に関する調査結果報告
・ミレニアム世代を採用にむすびつけるために必要な採用マーケティングとは
3.ミレニアム世代のタレントマネジメントとは
企業によるタレントマネジメントの導入目的は、「人材調達」「人材育成」「適材適所への配置」「人材定着」に関する課題の解決です。
タレントマネジメントが必要となってきた背景
従業員の働き方が多様化し企業はワークライフバランスを考慮する必要が出てきました。
また、企業を取り巻く環境は、テクノロジーの急速な進化によってスピードを増しています。
現代を勝ち抜いていくには、時代の変化に合わせたスピーディーな経営戦略が必要です。
さらに、労働人口の減少による人材不足は、従業員一人ひとりの生産アップを必要とします。
ミレニアム世代の能力の最大化が経営目標達成の鍵になる
タレントマネジメントは、経営目標達成のための人事面での人材戦略であり、これから企業の中核となるミレニアム世代に対応し能力を最大限に発揮させることが最重要課題となります。
そして企業が望む「ミレニアム世代の能力の最大化」は、タレントマネジメントによって実現されるのです。
タレントマネジメントは、ミレニアム世代の自発的・継続的な育成、ひいては「自ら進化する組織」を作り上げます。
なぜならそれは、彼らの継続的な成長とキャリアモビリティをもたらすからです。
参考
・ミレニアム世代(デジタルネイティブ世代)が求めるタレントマネジメントとは?特徴と傾向を解説
4.ミレニアム世代を採用に結び付けるための必要な採用マーケティング
人材採用の世界にマーケティングの考え方を取り入れたアプローチを「採用マーケティング」と言い、優秀なミレニアム世代の人材を採用するにはミレニアム世代の特徴や企業に何を求めるのかを考慮した採用候補者個人に最適な採用マーケティングが必要と言われています。
マーケティングで使われる「パーソナライズ」という用語があります。
パーソナライズとは、顧客全員に同じサービスやコンテンツを提供するのではなく、一人ひとりの属性や購買、行動履歴に基づいて最適な情報を提供する手法、しくみのことを指しますが、ミレニアム世代の採用マーケティングにおいては、採用候補者個人に最適なパーソナライズが必要となるのです。
企業はミレニアム世代を対象に、どのような採用マーケティングを取る事が望ましいのでしょうか。ここでは、4つの具体例を紹介しましょう。
一人ひとりと話せる時間を設ける
採用のプロセスでは、大勢の候補者を一堂に集めて説明会などを実施することが多いと思います。
企業の規模によりますが、大手企業なら相当な数の候補者を集めておこない、中小企業やベンチャー企業なら20人から30人程度の候補者を集めて説明会を実施するケースが多いはずです。
ミレニアム世代の採用を考える場合、一人ひとりと話せる時間を設ける工夫が必要です。
講演やセミナー方式で、一人の担当者が一方的に話す説明会だけでは、ミレニアム世代の心に響くパーソナライズ対応は難しくなります。
たとえば、20人から30人ぐらいの候補者を集めて説明会を実施するケースでは、自社の社員を動員させて、一対一で話せる時間を設けるという方法があります。
一人ひとりの働き方の考え方に合わせて採用活動をする
企業を取り巻く環境の大きな変化の中に、多様化する従業員の働き方に対するニーズがあります。
採用候補者も同様で、一人ひとりの働き方に対する考え方には違いがあります。
ミレニアム世代の採用を考える場合、一人ひとりの働き方に対する考え方を聞き取るプロセスを設け、考え方を聞いたうえで、自社が、採用候補者の働き方に対する考え方を実現できる環境であることを説明していく必要があります。
場合によってはキャリアコンサルティングに近い話を面接でする
ミレニアム世代は、どこの企業で働くかよりも自分がそこで何をするのかというキャリアを重視する傾向があります。
面接の場面では、採用候補者が本当にやりたいことは何か、なにを目標にしているのかといった、キャリアコンサルティングに近い話を面接ですることも効果的です。
入社前に多くの社員に会わせ、具体的なキャリアビジョンが見えるようにする
ミレニアム世代には、入社後に自分がどのようなキャリアを積んでいけるかを明確化する必要があります。
採用担当者は、入社後のキャリアアップのステップを意識して伝えていかなければなりません。
より明確に具体的にキャリアの展望が見えるようにする方法として、入社前にできるだけ多くの社員に会わせることが効果的であるといわれています。
参考:
・ミレニアム世代を採用にむすびつけるために必要な採用マーケティングとは
5.まとめ
・ミレニアム世代は個を大事にして、マス対応ではなく、個人に最適な対応を求めているといわれています。
今後企業の中核をなす主力として、ミレニアム世代には的確な対応を取る必要があるでしょう。
・タレントマネジメントシステムを導入することで、企業において個々に蓄積されてきた組織全体の人材情報を最新のITシステムとモバイル通信機器を対応させて、PCやスマートフォンなどのデジタルデバイスの中で育ってきたミレニアム世代のニーズを満たした人材戦略が実現します。
・ミレニアム世代を適切に採用する為に必要な採用マーケティングを実現するためには、採用プロセスの詳細なデータが正確に蓄積され、採用に関わるメンバーが誰でも使えるように共有化される必要があります。
従来のエクセルシートでの情報管理では限界が生じます。
優秀なミレニアム世代を採用するためにも、まずはテクノロジーの活用の検討から始めてみてはいかがでしょうか。
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