社員のリテラシーを高める!個人情報漏洩の対策に関する研修のススメ

個人情報の漏洩は、企業にとって一大事です。
もし個人情報を漏洩してしまったら、多額の損害賠償を請求されるうえ、積み上げてきた社会的信用も一度に失ってしまう可能性があります。
この記事では、個人情報漏洩の主な原因と対策方法を紹介したうえで、社員のリテラシーを高め、個人情報漏洩対策の徹底に有効な研修について解説します。

個人情報漏洩の主な原因

個人情報の漏洩を防ぐためには、その原因を押さえておくことが大切です。
個人情報漏洩の主な原因としては、以下の7つが挙げられます。

●管理ルール
個人情報の管理ルールが定められていなかったり、管理ルールが定められていても周知や遵守が徹底されていなかったり、抜け穴があると、個人情報の誤開示や誤廃棄、悪意のある持ち出しなどが発生して個人情報が漏洩してしまいます。

●置き忘れ
個人情報が書かれた書類や個人情報が記録されているUSBメモリ、SDカードなどの補助記憶装置、個人情報にアクセスできるパソコンやタブレットなどの情報機器を出先に置き忘れ、個人情報の漏洩を起こしてしまう人も少なくありません。

●誤操作
メール送信の宛先や内容、添付ファイル、BCC設定などを間違えたり、Webサイト上に誤って個人情報を掲載してしまったりするなどの誤操作も、個人情報漏洩につながるため、注意が必要です。

●サイバー攻撃
WebサイトやOS、ソフトウェアなどの脆弱性を突かれてコンピュータウイルスなどのマルウェアを送り込まれたり、システムに不正アクセスされたりするなどのサイバー攻撃を受けると、個人情報が漏洩してしまいます。

●盗難
社外に持ち出した個人情報が置き引きや車上荒らしなどによって盗難されたり、事務所に侵入した泥棒に個人情報を盗まれたりするケースもあります。
残念ながら、身内であるはずの社員に個人情報が盗まれることもあります。

●会話漏れ
電車やバスなどの公共交通機関内や喫茶店・レストランなどの飲食店、オフィスビルのエレベーター・エントランスなど、不特定多数の人が行き交う場で個人情報を交えた会話をすると、知らず知らずのうちに個人情報が漏洩してしまう可能性があります。

●ネットリテラシー不足
ネットリテラシーが低い社員は、悪気なくSNSやファイル共有ソフトなどで個人情報を不特定多数の人に発信してしまう可能性があるため、対策が必要です。

個人情報漏洩を防ぐための主な対策方法


個人情報漏洩を防ぐため、危機意識の高い企業は以下に挙げる9つの対策に取り組んでいます

●守秘義務契約の締結
業務上、知り得た個人情報を口外してはいけないということを社員に強く認識させるためには、守秘義務契約を締結することが効果的です。
ただし、契約書を渡して署名させるだけでは大きな効果を期待することはできません。
しっかりと読み合わせを行い、個人情報を守ることの大切さを社員に伝えましょう。

●管理ルールの明確化
個人情報を取り扱う際にはどのような点に注意すべきか、個人情報を破棄する際にはどのような手順を踏むべきかなど、個人情報を管理する際のルールはすべて文字に起こしてマニュアル化し、社員全員で共有しましょう。
個人情報の保管場所に注意喚起の張り紙を貼り、確認を義務付けるなどの対策もおすすめです。

●許可のない持ち出しの禁止
個人情報が書かれた書類や個人情報が保存された情報機器などを社外に持ち出すことは、原則禁止とすべきです。
やむを得ず個人情報を持ち出さなければならない場合には、専用のバッグを使用させて肌身離さず携帯することを約束させる、紛失防止タグを付ける、リモートロック設定をするなどの対策を徹底してください。

●安易な放置・廃棄の禁止
社内であっても、個人情報が書かれた書類を机の上などの不特定多数の目に触れる場所に放置したり、個人情報が入ったパソコンをロックせずに離席したりすることは禁止すべきです。
また、個人情報が書かれた書類をシュレッダーにかけずにそのままゴミ箱に捨てたり、データを消去せずにパソコンを捨てたりすることも固く禁止しましょう。

●チェック体制の強化
誤操作による個人情報漏洩を防ぐためには、チェック体制を強化することが有効です。
メールを送信する際には必ず複数人で宛先や内容、添付ファイル、BCC設定などを隈なく確認し、Webサイトを公開する際にも必ず複数人で隅々までプレビューをチェックしてください。
なお、チェックリストを作成・活用すれば、より抜かりなくチェックできます。

●誤操作防止システムの活用
メール送信の宛先や添付ファイルの間違い、Webサイトへの個人情報の誤掲載などは、誤操作防止システムを活用することによって防ぐことができます。
誤操作防止システムの導入にはある程度のコストがかかりますが、チェックにかかる労力や人的ミスを削減できるため、長い目で見ればコストカットが期待できます。

●セキュリティ体制の強化
サイバー攻撃を防ぐためには、セキュリティソフトを導入することはもちろん、ソフトを最新の状態に保つことも大切です。
また、個人情報が書かれた書類は金庫にしまうよう義務付けたり、すべてのパソコンにセキュリティワイヤーを付けたり、警備サービスを利用したりするなどの物理的な盗難被害を防ぐためのセキュリティ対策も実施してください。

●権限の制限
社員の誰もが個人情報にアクセスできる状態にしておくことは、あまりにも無防備です。
個人情報へのアクセス権限は、個人情報を取り扱う業務に携わる社員だけに限定しておきましょう。
また、アクセス権限を他の社員に貸与・譲渡させないようにルールを設けて遵守させることも大切です。

●私物の情報機器の使用禁止
私物のパソコンやスマートフォンなどの情報機器を使用させることは、ウイルス感染や持ち出しなどのトラブルを誘発してしまいます。
そのため、私物の情報機器の使用は禁止し、業務用の情報機器を支給した方が得策です。
やむを得ず私物の情報機器の使用を許可する場合には、社内と同レベルのセキュリティ対策を施すことを義務付けましょう。

個人情報漏洩対策の徹底には「研修」が有効

個人情報漏洩の対策を練っても、徹底しなければ意味がありません。
個人情報漏洩の対策を徹底するためには、社員のリテラシーを高める研修の実施が有効です。
研修を通して個人情報を守ることの大切さをじっくり教育すれば、個人情報漏洩を防止する意識を社員に深く根付かせることができます。
そこでこの章では、研修に盛り込むべき内容と主な研修スタイル、実施ポイントを紹介します。

●個人情報漏洩対策研修に盛り込むべき内容
個人情報漏洩の対策研修に盛り込むべき内容としては、以下の5つが挙げられます。

・個人情報漏洩に関する法律
個人情報保護法や不正アクセス禁止法など、個人情報漏洩に関する法律の内容を丁寧に説明し、個人情報漏洩は民事でも刑事でも責任を問われる重大な罪であることを伝えましょう。

・個人情報漏洩に関する社内ルール
自社における個人情報漏洩に関する社内ルールを行き渡らせることも大切です。
社内ルールを破った場合にはどのような罰則があるのかもあわせて伝えると、社員に緊張感を持たせることができます。

・個人情報漏洩による被害・損失の事例
個人情報漏洩が起こったとき、企業および顧客に降りかかる被害・損失を実際に起こった事件・事故の事例を通して紹介することにより、個人情報が漏洩することの恐ろしさをより鮮明に伝えることができます。

・個人情報漏洩を防ぐための対策方法
「個人情報が書かれた書類を机上に放置しない」「他の社員にパスワードを教えない」など、個々人が日常的に取り組めることを中心に対策方法を伝授しましょう。
ロールプレイングを取り入れることもおすすめです。

・個人情報漏洩が起きたときの対処法
どれほど綿密な対策を講じても、個人情報漏洩が起こってしまう可能性がゼロになることはありません。
そのため「個人情報を紛失したと気づいたら上司にすぐ報告する」など、個人情報漏洩が起きたときの対処法についてもしっかり伝えておきましょう。

●個人情報漏洩対策研修の主なスタイル
個人情報漏洩対策研修の主なスタイルとしては、以下の5つが挙げられます。

・講義
大人数の社員に同時に研修を受けさせたいのであれば、講義スタイルがおすすめです。
社員の理解度を確かめながら研修を進められるため、高い教育効果が期待できます。

・ディスカッション
社員同士でディスカッションをさせることにより、社員一人ひとりが個人情報漏洩対策に対し当事者意識をもって行動できる状態に落とし込むことができます。

・テキスト
社員を集合させることが難しい企業には、テキストを配布して自学自習をさせる研修がおすすめです。

・動画
専門講師による講義動画を配布することで、社員全員に質の高い研修を受けさせることができます。

・e-ラーニング
e-ラーニングを導入することで、社員はいつでも気軽に研修を受けられるようになるうえ、進捗管理も容易になります。

●個人情報漏洩対策研修の実施ポイント
個人情報漏洩対策研修の効果を高めるために、以下の3つの実施ポイントを守りましょう。

・定期的に実施する
個人情報漏洩の対策研修を実施しても、一度きりではすぐに効果が薄れてしまいます。
そのため、個人情報漏洩の対策研修は最低でも1年に1回、定期的に実施するようにしましょう。
毎月個人情報漏洩に関するニュースを届けるなど、継続的に注意喚起することもおすすめです。

・社員全員に参加させる
個人情報漏洩の対策研修は、社員全員に参加させることで大きな効果を発揮します。
そのため、社員全員が研修に参加できるよう、しっかりと計画を立てることが大切です。
また、社員の誰もが無理なく研修を受けられるよう、複数の研修スタイルを用意しておくとよいでしょう。

・理解度の確認を行う
個人情報漏洩の対策研修を受けさせても、社員を放置してしまえば十分な効果が期待できません。
個人情報漏洩の対策研修を実施した後は、小テストなどを実施して理解度の確認を行いましょう。
なお、理解度が十分でない社員がいた場合には放置せず、補習研修を実施するなどして理解を深めましょう。

まとめ

◆個人情報漏洩は、管理ミスや置き忘れ、誤操作、サイバー攻撃など、さまざまな原因で発生する。

◆個人情報漏洩を防ぐための対策方法としては、守秘義務契約の締結や管理ルールの明確化、許可のない持ち出しの禁止などが考えられるが、対策を徹底するためには、研修によって社員のリテラシーを高め、社員全員に個人情報を守る意識を浸透させることが大切である。

◆個人情報漏洩をしっかり防ぎ、積み上げてきた信用を守り続けたいと考えている企業は、ぜひ、今回紹介した個人情報漏洩の対策研修を実践してみましょう。

【著者プロフィール】
「ラーニング・イノベーションLABO」編集部
人事領域において人材開発やDX・ITにおけるクリティカルな情報をお届けします。
また、人事担当者の方々が日々抱える人材育成、人材開発における課題を整理し解決していくメディアを目指しています。
人材開発の先にある、社員の方一人一人の自己開発型人材の実現を目指し気づきと学びを提供するべく情報をお届けしていきます。
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