「働き方改革とHRTech 最前線」講演録 RPAがもたらす生産性向上

RPA がもたらす生産性向上

RPA テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長/ 一般社団法人日本RPA 協会 代表理事 大角 暢之 氏

ホワイトカラー業務の効率化を実現させ、生産性の向上に大きく寄与すると期待されているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)。今、産業界で大変な注目を集めているこのRPAは、果たして現実にはどこまで普及しているのか。またどのような課題や展望があるのか。今回、RPAテクノロジーズ株式会社代表取締役社長 一般社団法人日本RPA協会 代表理事の大角暢之氏にご登場いただき、RPAの意義ならびにその活用方法まであわせて解説していただきました。

RPA とは何か?

RPAとは数年前に米国のRPA協会にて使われ始めたバズワードであり、ロボットによるホワイトカラーの業務代行の取り組みを表す言葉です。RPAは、別名「デジタルレイバー(仮想知的労働者)」とも呼ばれ、人手不足に悩む企業の新たな労働者として注目を集めています。 では、RPAが実際に生産性向上に寄与する原理とは何でしょうか。まず人間が手作業を実行して、RPAツールが手作業の操作を記録、そしてその作業をロボットが代行するという流れです。人間が手作業で行うとIT投資・実行が不可能な課題でも、ロボットが作業を代行すれば、リードタイム×品質×コストの最適化、24時間365日稼働が図れるうえ、無制限に採用でき、離職もない…などのメリットが得られます。デジタルレイバーを導入するということは、自動化ではありません。デジタルレイバーとは、人と同じ、つまり「代行」なのです。 そもそもロボットとは何か、間接部門のロボットの定義をご説明しましょう。まず代行という面では、ホワイトカラーの5割はルーチンワークに浪費していると言われていますが、ロボットなら人間のルーチン作業をそのまま代行できます。また能力の面でも、人間と比べて、200倍のスピード、100%の正確性、24時間365日止まらずに作業できる…など圧倒的な差があります。さらに変化に強く、柔軟性があり、進化成長できるのも強みです。

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普及がはじまるRPA

昨今ブームが起き始めているRPAですが、ブーム前を振り返ってみると、ビジネスプロセスロボット(契約管理事務、顧客管理事務、コールセンター業務)、情報操作/不正検知ロボット(価格調査・変更、保険料調査、特許検索)、電子商取引業務代行ロボット(商品登録、受注、売上計上)、マーケティングロボット(サービス管理プラットフォーム、コンシェルジュ、レコメンド、ブログ・SNS投稿)などが、多くの企業で活用されていました。 そして2016年に、本格的なブームが到来。日本RPA協会とRPAホールディングスグループ各社へのお問い合わせ件数は、7,926件にのぼり、戦略的RPAの活用(縦の広がり)と、全国規模での発生(横の広がり)が同時に起こりました。 しかし現在のRPAビジネス市場には、短期的に解決すべき問題もあります。1つ目は、導入アプローチの問題。2つ目は、ツールそのものには価値がないため選定が困難という、ツールの“選定ブームの問題”。そして3つ目は、市場誕生時にありがちなケースですが、RPAエンジニアの枯渇問題です。 そこで2017年、私たちはこうした普及阻害要因を排除し、適切でスムーズなデジタルレイバー環境普及を目指すととなりました。まず、1つ目の導入アプローチの問題に対しては、通常導入まで数カ月掛かるRPAの導入を最短1カ月で可能にするRPA早期体感POCパッケージ「Digital Labor Platform」を提供。 2つ目のツール選定ブームの問題に対しては、日本国内No.1のRPAの実績から、業務に合わせた最適なRPAソフトウェア「BizRobo! Station」を提供。「Basic Robo!」、「Scan Robo!」、「blueprism」、「NICE」、「openspan」などのRPAツールを取り揃え、クライアントの課題に合わせて、ワンストップでツールの提供とトラブルシューティングを行っています。 そして3つ目のRPAエンジニアの枯渇問題に対しては、エンジニアリング専門会社「RPA ENGINEERING」を設立しました。

デジタルレイバーがアイデアを形にする

「こういうことをしたい」、「こういうものを作りたい」――。実は現場にはアイデアが溢れています。今までは会社に要望を出しても、投資がされず、諦めざるを得ないケースが数多くありました。しかしこれからはデジタルレイバーが、現場のさまざまなアイデアを形にしてくれる時代です。実際さまざまな企業で、現場の顧客接点でのアイデアをデジタルレイバーが実行して、収益を上げる、あるいはロスを低減する事例が見られるようになりました。 例えば、ある世界的な洗剤・化粧品メーカーでは、毎朝6時にデジタルレイバーがamazonなど全サイトからデータを取り、自社の商品がどこのサイトで最も安く売られているかを調べ出し、比較サイトを作って顧客を誘導しています。これも社員のアイデアから始まりました。こうしたデジタル時代のマーケティング手法も、今やどんどん普及しています。その他にもレンタカー会社や旅行代理店の予約・キャンセル受付や、AIのアルゴリズムを実装した欠品予測および発注業務など、デジタルレイバーの活用事例は今後も増え続けるでしょう。人を使えば、教えたり、雇用を確保する必要がありますが、デジタルレイバーなら気軽に、正確に、速いスピードで、アイデアを形にしてくれるのです。

今後の展開について

直接部門については、戦後の生産工場のオペレーション(人+機械の2層構造)から、現在の生産工場のオペレーション(人+FA+機械の3層構造)へと移り、ブルーカラーの作業代行によってすでに世界を席巻しています。 一方、間接部門の実態はどうでしょうか。ホワイトカラーは未だにすべて人が作業を行っており、人+ITの2層構造になっています。デジタルレイバーの普及の鍵は、点ではなく、いかに面を塗るかです。では、どのようにして面を塗ればいいのか――そのための構想をいくつかご紹介します。 例えば、エンタープライズ領域では、RPAプロデューサーとの専用商品・事業推進を加速させていきます。またレガシー対応としては、「Document RPA Solution」を開発。非定型帳票・文書管理の代行を行います。またデジタルレイバーの一般化のためには、ソフトバンク社と業務提携をし、HRテクノロジーとしてデジタルレイバーの普及を目指します。さらに、業界のIssueとWishをデジタルレイバーによって解決・実現する専門のサービス、通称「マッチ棒」を新規事業として立ち上げます。 30年前にはパソコンが、20年前にはインターネットが、10年前にはスマホが、世の中に登場しました。そして今、それらすべてが定着しています。同じように、RPAも2年後には必ず企業の全社員が使えるようになっているでしょう。RPAを昨今の単なるブームとはとらえず、デジタルレイバーを活用した新たなイノベーションの波として捉えるべきです。 弊社は、デジタルレイバーをスケールすることに関しては絶対的な自信を持っています。ロボット1台から対応でき、もちろん全社展開も可能です。デジタルレイバーはビジネスにおける幅広い知識や専門性があればこそ、成立するもの。そういう意味でもぜひ皆さんから、さまざまな専門知識等を教えていただければ幸いです。今後ともよろしくお願いいたします。

RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長/ 一般社団法人日本RPA 協会 代表理事 大角 暢之 氏

RPAテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長/ 一般社団法人日本RPA協会 代表理事 早稲田大学を卒業後、アンダーセンコンサルティング株式会社(現アクセンチュア株式会社)に入社。 2000年オープンアソシエイツ株式会社を設立し取締役に就任、ビズロボ事業部を発足し、「BizRobo!」の提供を開始。 2013年ビズロボジャパン株式会社(現RPAテクノロジーズ株式会社)を設立し代表取締役社長に就任。 2016年7月一般社団法人日本RPA協会を設立し、代表理事に就任。主な著書に、「RPA革命の衝撃」(東洋経済新報社)。 主な出演に、BS-TBS「ザ・トップリーダーズ( 第一回)」(2016年3 月放映)、TBS「がっちりマンデー!!」(2017年3月放映)

【著者プロフィール】
「ラーニング・イノベーションLABO」編集部
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