従業員のパフォーマンスを高める人事評価制度とは? 重要性や制度設計のポイントについて解説!

少子高齢化によって十分な人材を確保することが難しくなりつつある今、従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めるための切り札として「人事評価制度」の導入を検討している企業は多いでしょう。

しかし、人事評価制度にはどのような種類があるのか、自社に適した評価制度は何か、よくわからずに困っている企業も少なくないのではないでしょうか。

この記事では人事評価制度の概要から、人事評価制度の種類と特徴、公平性を高めるポイントや従業員エンゲージメントを高める制度設計などについて解説します。

目次

1. 人事評価制度とは何か

1.1 人事評価制度とは

人事評価制度とは、従業員の能力・意欲・業績・貢献度などを評価し、その結果を従業員の給与や役職などの処遇決定に反映したり、人材育成や人員配置に役立てたりする制度です。

実施のタイミングは一般的に、四半期・半年・1年など、一定の期間ごとに行います。

人事評価制度は、以下に挙げる3つの制度で構成されています。

評価制度:企業が定めた基準に照らして従業員を評価する制度
等級制度:従業員を能力・職務・役割などによって区分・序列化する制度
報酬制度:評価や等級などに基づいて従業員の給与・賞与を決定する制度

人事評価制度を導入すると、以下に挙げる5つのメリットを享受できるといわれています。

● 企業ビジョンの浸透
● 人材育成の効率化
● 適材適所の人員配置の実現
● 従業員のモチベーション向上
● 企業と従業員の信頼関係の構築

人事評価の目的は、端的にいえば人材育成です。人事評価制度とは「組織パフォーマンスの向上」だけでなく、今いる人材の「育成」にも大きな影響を与え、企業の成長を目指す上で、重要な役割を持つ仕組みです。

人材育成という観点での人事評価は、業績への貢献度という視点と会社への貢献度(マインドや意識)があると考えられます。前者は達成率やKPI、KGIで計測され、後者はいわゆるbehavior(行動)と言われる視点などで測られます。

人事評価は公平で透明性の高いことが重要です。公平で透明性の高い人事評価を行うことで、評価を受ける従業員の納得感や企業に対する信頼度が高まり、自ら主体となって業務の改善やスキルアップ、能力開発に取り組むことに期待が持てます。

一方で、すべての従業員に納得感を持たせる人事制度を構築するのは難しいのが現実です。
つまり、与えられた人事制度の中で現場にいかに納得感を持たせるかがポイントになるわけです。

1.2人事評価制度の種類と特徴

自社に適した人事評価制度を導入するためには、どのような種類があるのかをひと通り押さえておくことが重要です。

以前より多くの企業に採用されているものから、トレンドとして、今注目を集めているものまで、13の人事評価制度を紹介します。

●年功序列制度
年功序列制度とは、勤続年数によって処遇を決定する人事評価制度です。

メリットデメリット
● 従業員の会社への帰属意識が高まる。
● 人事評価をスムーズに行えるようになる。
● 成果を出しても出さなくても評価に反映されないため、従業員のモチベーションが下がる。
● 有能な若手人材が離職する可能性が高まる。

 

●成果主義制度
成果主義制度とは、 仕事の成果によって処遇を決定する人事評価制度です。

メリットデメリット
● 成果を出せば出すほど評価されるため、従業員のモチベーションが高まる。
● 有能な人材を確保しやすくなる。
● 従業員間で競争が生じて多くの従業員が個人プレーに走り、チームワークが悪くなる。
● 成果を出しやすい部署と出しにくい部署との間で評価に差が生じる。
● 人件費の負担が大きくなりやすく、業績により維持が困難になる可能性がある。

 

●職能資格制度
職能資格制度とは、職務遂行能力によって処遇を決定する人事評価制度です。

メリットデメリット
● 仕事や役職ではなく能力基準の人事評価制度であるため、ゼネラリストを育成しやすくなる。
● 組織改編・人事異動をスムーズに行えるようになる。
● 評価基準が曖昧になりがちで、公平性を確保しづらい。
● 年功序列に陥りやすく、若手人材のモチベーションが下がる可能性がある。

 

 
●職務等級制度
職務等級制度とは、職務の価値や難易度によって処遇を決定する人事評価制度です。

メリットデメリット
● 職務と処遇の関係が明確であるため、公平性を確保しやすい。
● スペシャリストを育成しやすくなる。
● ジョブローテーションがしづらくなり、組織・人材が硬直化する。
● 職務記述書の管理が必要になるなど、人事業務が増える。
● 高いスキルを持った人材がよりよい条件で他企業に転職してしまうリスクがある。

 

 
●役割等級制度
役割等級制度とは、企業が求める役割の大きさによって処遇を決定する人事評価制度です。「ミッショングレード制」とも呼ばれます。

メリットデメリット
● 明確な目標設定ができるため、合理的な評価が可能。
● 自分が果たすべき役割を理解できるようになるため、従業員の主体性が高まる。
● ノウハウが無いと運用が難しい。
● 役割変更によって従業員にとって納得のいかない減給・降格が起こる可能性がある。

 

 
●MBO
MBOとは、目標に対する達成度合いによって、処遇を決定する人事評価制度です。目標管理制度とも呼ばれます。

メリットデメリット
● 自ら目標を設定することで、従業員の主体性やモチベーションが高まる。
● 個人・チーム目標と全社目標を連動させることで、業績アップを目指せる。
● 目標達成に執着するあまり低すぎる目標を設定するようになり、かえってパフォーマンスが低下する可能性がある。
● プロセスを無視した評価に陥りやすい。

 

 
●OKR
OKRとは、全社目標を達成するために努力して得られた主要な成果を短期サイクルで評価し、処遇を決定する人事評価制度です。

メリットデメリット
● 1つの大きな目標を共有することで、従業員の企業への帰属意識やチームワークを高められる。
● 短期間で目標を変更できるため、柔軟な方針転換が可能になる。
● 100%の目標達成が難しいため、従業員のモチベーションが下がる可能性がある。
● 効果を得るためにはフィードバックを頻繁に行う必要がある。

 

 
●コンピテンシー評価
コンピテンシー評価とは、業績のよい従業員の行動特性を基準として従業員を評価し、処遇を決定する人事評価制度です。

メリットデメリット
● 具体的な評価基準を設定できるため、従業員にとって納得のいく評価を実現できる。
● 従業員を効率よく育成できる。
● 従業員の改善行動やアイデアの行動など主体性を促進し、生産性向上につながる。
● 業績アップにつながる行動を正確に把握できなければ、十分な効果を得られない。
● 評価基準の選定に手間が掛かるため、環境変化が著しい企業には向かない。

 

 
●バリュー評価
バリュー評価とは、行動規範の実践度合いによって処遇を決定する人事評価制度です。「行動評価」や「プロセス評価」ともよばれます。

メリットデメリット
● 従業員が企業の価値観を理解し、能動的に行動できるようになる。
● 従業員の足並みが揃い、チームワークが高まる。
● 具体的で明瞭な行動規範を設定しなければ、うまく運用できない。
● 客観的な数値化が困難なため、主観的な評価に陥りやすい。

 

 
●360度評価
360度評価とは、1人の従業員を上司・同僚・部下などのさまざまな立場の人が評価し、処遇を決定する人事評価制度です。「多面評価」とも呼ばれます。

メリットデメリット
● 1人の上司による評価よりも客観的で公平な評価が可能。評価される側の納得度が高まる。
● 常に見られていると感じられるために適度な緊張感が生まれ、従業員のパフォーマンスが向上する。
● 従業員全員に正しい評価の仕方を指導しなければ、評価にブレが生じてしまう。
● 評価に馴れ合いが生じたり、不信感が生じたりする可能性がある。

 

 
●ノーレイティング
ノーレイティングとは、数字や記号を用いてのランク付けをせず、面談などを通じて評価を行う人事評価制度です。

メリットデメリット
● 密度の高い面談を行うことで、従業員と強固な信頼関係を築くことができる。
● 従業員間の競争が無くなるため、チームワークが高まる。
● 外的要因に迅速に対応できるようになり、生産性向上が期待できる。
● 効果を得るためには、評価者のマネジメント能力を磨く必要がある。
● 定期的に面談を行う必要があるため、評価者の負担が大きい。

 

 
●リアルタイムフィードバック
リアルタイムフィードバックとは、従業員の働きぶりに対してフィードバックを通じてその都度評価する人事評価制度です。

メリットデメリット
● こまめに業務を振り返ることで、的確な評価を実現できる。
● こまやかな軌道修正が可能になる。
● 効果を得るためには、評価者のフィードバックスキルを磨く必要がある。
● 高い頻度でフィードバックを行わなければならないため、評価者の負担が大きい。

 

●ピアボーナス
ピアボーナスとは、従業員同士が互いを評価し、報酬を贈り合う人事評価制度です。

メリットデメリット
● 業績につながらないことも評価されるため、従業員のモチベーションが高まる。
● ポジティブな企業風土が醸成され、心理的安全性を高められる。
● 報酬を用意するためのコストがかかる。
● 周囲から評価されにくい業務をおろそかにする従業員が出てくる可能性がある。

 

参考
・人事評価制度の種類と特徴とは?自社に適した評価制度を導入する際のポイント

・人事評価制度の公平性を高めるポイントとは?透明性・納得性を確保するための仕組み作

2.自社に適した評価制度を導入するために押さえておきたい3つのポイント

自社に適した評価制度を導入するために押さえておきたいポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

●人事評価制度の導入目的を明確にする
人事評価制度の導入を検討する際には、何よりもまず、人事評価制度の導入目的を明確にすることが大切です。

自社が抱えている問題を把握したうえで、なぜ人事評価制度を導入する必要があるのか、人事評価制度を導入することによって何を得たいのかをはっきりさせれば、自社に適した人事評価制度が選択できるようになります。

●評価の公平性・透明性を確保できるかチェックする
どの人事評価制度が自社に適しているかを判断するためには、評価の公平性・透明性を確保できるかをチェックすることも必要不可欠です。

従業員が納得できる評価を実現できるとされている人事評価制度も、自社のビジネスモデルでは公平性・透明性を確保することが難しい場合があります。

そのため、自社のビジネスモデルを分析したうえで、公平性・透明性を確保できる人事評価制度を採用してください。

●無理なく運用できるかを吟味する
人事評価制度が自社に適しているかどうかを判断するためには、無理なく運用できるかを吟味することも重要です。

せっかく人事評価制度を導入しても、正しく運用できなければ効果を得ることはできません。

人事評価制度を導入する際には、他の業務に支障をきたすことなく運用できるか、しっかりとシミュレーションしておきましょう。

参考
・人事評価制度の種類と特徴とは?自社に適した評価制度を導入する際のポイント

3.公平性・透明性・納得性を確保する人事評価の仕組みとは?

3.1 人事評価の評価誤差

企業が人事制度の公平性をはかる上で注意したいポイントの一つに「評価誤差」があります。

評価誤差とは、評価者の主観や印象によって、評価のばらつき(誤差)が生じてしまうことです。

評価の基準が判断を下す人の感覚によって左右される場合、その評価は極めて不透明なものになり、結果として従業員のモチベーションの低下や離職に結びついてしまうこともあります。

企業側は常に公正な評価ができているか、判断に誤りがないかどうかを意識する必要があるわけです。

評価誤差が起こる代表的な要因には以下の4点があげられます。

●ハロー効果:認知バイアスとも呼ばれる用語。先入観により評価対象者の良い面だけに評価が引っ張られること。

●論理的誤差:評価者の理屈、独自の理論によって都合のいい解釈を行うこと。思考のクセによって結論づけしてしまうこと。

●近接誤差:期末誤差や直近誤差とも呼ばれる評価者が陥りやすい誤差。直近に起こった出来事が大きく印象に残っているため、期間全体の評価が正しくなされないこと。

●寛大化傾向と厳格化傾向:寛大化傾向は対象者すべてに評価が甘く、厳格化傾向は対象者すべてに評価が厳しいこと。評価者の価値観で評価が左右されてしまうこと。

3.2 人事評価制度の公平性を高めるポイント

企業と従業員が一丸となって成長していくためには、従業員一人ひとりの士気が上がるような、客観的で公平性や透明性の高い人事評価を行うことが大切です。
それにはまず、人事評価の仕組みを適切なものに見直すことが大切です。

ポイントは人事評価で生じるデータをすべてシステム化し、主観性を除いて多角的で公平な評価がおこなえるようにすることです。
システム管理することで、高い評価を得た従業員の行動特性が明確に基準化され、企業は一人ひとりの具体的な行動目標を設定しやすくなります。

また、これにより従業員が評価基準をイメージしやすくなれば、人事評価の透明性や納得性が確保され、満足度の向上にもつながっていくわけです。

具体的には組織体制や規模に合ったシステムの導入などで、個人のスキル管理、目標設定、結果、フィードバックなどの流れをすべてデータベース化することがあげられます。

データベースを活用して「なぜあの人が高評価なのか」といった不透明な人事考課から起こるトラブルや離職を未然に防ぎ、目標に向かって必要なアドバイスをていねいに行うことができるようになります。
システム化した評価結果を複数で確認し、コンセンサスを得ることや、合意形成することもポイントの一つとなります。

また、人事評価をシステム上で一元化することにより、これまで評価を担当してきた上司や人事の負担を軽減し、業務を効率的に行えるようになります。
本来の業務、例えば、時間をかけて取り組みたい面談や人材育成などにも注力できるわけです。

参考
・人事評価制度の公平性を高めるポイントとは?透明性・納得性を確保するための仕組み作り

4.従業員エンゲージメントと人事評価

4.1 従業員エンゲージメントと人事評価の関係

従業員エンゲージメントは、主に以下に挙げる3つの要素で構成されているといわれています。

● 理解度(企業のビジョンへの理解、支持)
● 共感度(企業への帰属意識、愛着)
● 行動意欲(企業の成功への貢献意欲、主体性)

従業員エンゲージメントを高めるためには、これらの要素を満たすことを意識した施策を打つことが大切です。

具体的な施策としては、ビジョンの共有やコミュニケーションの向上などがよく挙げられますが、表面的な施策のみで従業員エンゲージメントを底上げすることはできません。

着実に従業員エンゲージメントを高めるためには、抜本的な改革が必要です。
人事評価制度の整備は、その最たるものとして挙げられます。

人事評価制度を整備し、適材適所の人事配置を行ったり、適切なインセンティブを付与したりすることで、従業員は「この会社では努力すれば報われる」と感じるようになり、従業員エンゲージメントが高まることが期待できます。

4.2 従業員エンゲージメントの向上につながる人事評価制度の具体例

従業員エンゲージメントの向上につながる人事評価制度として、以下の8つが挙げられます。

●MBO
MBOとは、個人単位もしくは部署単位で目標を設定し、達成度合いを評価する人事評価制度で、目標管理制度とも呼ばれます。
かの有名な経営学者ドラッカーが提唱した人事評価制度としても広く知られています。

評価指標が明確になることで、客観的に公平な評価を実現できるうえ、自主性を育めるため、従業員エンゲージメントの向上を期待できます。

また、経営目標と連動する目標を設定するように促せば、業績アップを目指せます。

●OKR
OKRとは、企業全体で達成を目指す大きな目標を設定し、目標達成のために個々人が努力して得られた主要な成果などを評価する人事評価制度です。

全従業員が1つの目標を共有することにより、従業員一人ひとりが企業に貢献しているという実感を得られるため、従業員エンゲージメントの向上につながります。

なお、OKRの効果を高めるためには、目標設定から評価までを可能な限り短いサイクルで回していくことが大切です。

●バリュー評価
バリュー評価とは、従業員が企業の求める行動規範に沿う行動をできているか否かを評価する人事評価制度です。

成果ではなく行動を重視する人事評価制度であるため、行動評価とも呼ばれます。

従業員は自分が企業の求められている行動は何かを考え、能動的に行動を起こせるようになるため、従業員エンゲージメントの向上が促進されます。

従業員の足並みが揃い、組織力も高まるため、業務効率が高まることも期待できます。

●コンピテンシー評価
コンピテンシー評価とは、高い業績を上げている社員に共通する行動特性を基準とし、従業員の能力を評価する人事評価制度です。

評価基準がより具体的であるため、評価のしやすさはもちろん、評価への納得度も高められます。

また、従業員は業績を上げるためにはどのような力を培えばよいかを理解できるようになるため、仕事へのモチベーション、ひいては従業員エンゲージメントを高められます。

●360度評価
360度評価とは、1人の従業員を上司・同僚・部下などがそれぞれの立場から評価する人事評価制度です。

従業員の能力をさまざまな角度から測ることができる人事評価制度であるため、多面評価とも呼ばれます。

上司はもちろん、同僚や部下も自分をよく見てくれていると感じられるため、従業員同士の信頼関係が高まり、従業員エンゲージメントが向上します。

加えて、適度な緊張感が生まれるため、従業員一人ひとりの生産性向上も期待できます。

●ノーレイティング
ノーレイティングとは、数字や記号を用いてのランク付けは一切せず、1on1ミーティングによるフィードバックを行う人事評価制度です。

一カ月に一度など、高い頻度で1on1ミーティングを開催すれば、上司と部下の信頼関係が強固なものになり、従業員エンゲージメントをより一層高めることができます。

また、従業員間の競争が無くなり、従業員同士が協力関係を結べるようになるため、業務効率も高まるでしょう。

●リアルタイムフィードバック
リアルタイムフィードバックとは、1つのタスクを終えたタイミングなどでこまめにフィードバックを行う人事評価制度です。

1つ1つの業務をこまめに振り返ることによって確実性の高い評価を実現できるうえ、コミュニケーションも活性化するため、従業員エンゲージメントが向上します。

さらに、こまやかな軌道修正も可能になるため、あらゆる変化に即座に対応できる組織づくりの一助となることが期待できます。

●ピアボーナス
ピアボーナスとは、従業員同士が互いを評価し、インセンティブを送り合う人事評価制度です。給与やボーナスに次ぐ報酬であることから、第三の給与とも呼ばれます。

業績に関することはもちろん、業績につながらないことも評価されるため、従業員はあらゆる仕事に精力的に取り組めるようになります。

また、従業員同士が互いを褒め合うことにより、ポジティブな企業風土が醸成され、従業員の企業への愛着心、ひいては従業員エンゲージメントが高まります。

参考
・エンゲージメントを高める人事評価制度とは? 制度設計・設置のポイントを解説

5.人事評価制度を設計・設置する際に押さえておくべき5つのポイント

自社に合う人事評価制度を設計・設置するためには、以下に挙げる5つのポイントを押さえておくことが大切です。

●人事評価制度の設置目的を明確にする
人事評価制度を設計する際には、まず、なぜ人事評価制度を設置するのか、その目的を明確にしましょう。

なんとなくよさそうだからと他の企業の人事評価制度を真似してみても、人事評価制度をうまく機能させることはできません。

自社が抱えている問題は何かを調査したうえで、問題解決につながる具体的な目的を設定し、目的達成につながる人事評価制度を練り上げてください。

●評価基準を明確にして公にする
人事評価制度を設計する際には、評価基準を明確にすることも重要です。

評価基準が曖昧では、従業員はかえって不安を覚え、従業員エンゲージメントが下がってしまう可能性があります。

そのため、評価基準は具体的かつ単純明快ものにし、さらに、すべての従業員に公表するように心がけましょう。

評価基準がわかれば、従業員は自分の目指すべき方向性がわかるようになり、仕事へのモチベーションを高めることができます。

●公平で誰もが納得できる評価方法を採用する
人事評価制度を設計する際には、公平で誰もが納得できる評価方法を採用するように心がけましょう。

担当している業務によって評価にバラつきが出たり、評価者によって評価がまちまちになってしまったりする評価方法を採用すると、従業員のモチベーション低下、ひいては従業員エンゲージメントの低下を招いてしまいます。

自社のビジネスモデルを分析し、自社に合う評価方法をよく吟味してください。

●人材育成や人員配置に結びつけられる制度を設計する
人材育成や人員配置に結びつけられるように人事評価制度を設計することも、重要なポイントです。

従業員を評価するだけの人事評価制度となってしまっては、せっかく設置した人事評価制度が形骸化してしまいます。

フィードバックの機会を多く設けたり、従業員一人ひとりの特性を把握できる評価方法を取り入れたりして人材育成や人員配置に役立て、従業員エンゲージメントの向上につなげましょう。

●無理なく運用できる制度を設計する
人事評価制度の設計がひと通り終わったら、設置する前に無理なく運用できるかどうかをシミュレーションしてください。

どれほど優れた人事評価制度が出来上がったとしても、企業のキャパシティをオーバーしてしまうものであれば、うまく活用することはできません。
評価する側も評価される側も大きな負担を感じないよう、人事評価制度はできるだけシンプルに仕上げましょう。

参考
・エンゲージメントを高める人事評価制度とは? 制度設計・設置のポイントを解説

6.まとめ

人事評価は、企業が従業員の能力や課題点を把握し、パフォーマンスとモチベーションを向上させるために重要な制度です。

従業員一人ひとりが自身の目指す方向性を把握できるように、企業は常に公平で明確な評価基準を提示することが大切です。

人事評価制度の整備によって従業員エンゲージメントを高めたいと考えている企業は、今回紹介したポイントを押さえ、従業員エンゲージメントの向上につながる人事評価制度を設計・設置してみてはいかがでしょうか。

【著者プロフィール】
「ラーニング・イノベーションLABO」編集部
人事領域において人材開発やDX・ITにおけるクリティカルな情報をお届けします。
また、人事担当者の方々が日々抱える人材育成、人材開発における課題を整理し解決していくメディアを目指しています。
人材開発の先にある、社員の方一人一人の自己開発型人材の実現を目指し気づきと学びを提供するべく情報をお届けしていきます。
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