エンゲージメントを高める人事評価制度とは? 制度設計・設置のポイントを解説

従業員エンゲージメントを高めることの重要性は、今や多くの企業が認識しているところです。
しかし、どうすれば従業員エンゲージメントを高められるのかという観点に立つと、対策がよくわからずに頭を抱えている企業も少なくないのではないでしょうか。

従業員エンゲージメントを高めるための施策にはさまざまなものがあります。
なかでも高い効果を期待できるのが、人事評価制度の整備です。

そこでこの記事では、従業員エンゲージメントと人事評価の関係について解説し、従業員エンゲージメントの向上につながる人事評価制度の具体例や、人事評価制度を設計・設置する際に押さえておくべきポイントを紹介します。

目次

従業員エンゲージメントと人事評価の関係

従業員エンゲージメントは、主に以下に挙げる3つの要素で構成されているといわれています。

● 理解度(企業のビジョンへの理解、支持)
● 共感度(企業への帰属意識、愛着)
● 行動意欲(企業の成功への貢献意欲、主体性)


従業員エンゲージメントを高めるためには、これらの要素を満たすことを意識した施策を打つことが大切です。

具体的な施策としては、ビジョンの共有やコミュニケーションの向上などがよく挙げられますが、表面的な施策のみで従業員エンゲージメントを底上げすることはできません。

着実に従業員エンゲージメントを高めるためには、抜本的な改革が必要です。
人事評価制度の整備は、その最たるものとして挙げられます。

人事評価制度を整備し、適材適所の人事配置を行ったり、適切なインセンティブを付与することで、従業員は「この会社では努力すれば報われる」と感じるようになり、従業員エンゲージメントが高まることが期待できます。

従業員エンゲージメントの向上につながる人事評価制度の具体例

従業員エンゲージメントの向上につながる人事評価制度として、以下の8つが挙げられます。

●MBO
MBOとは、個人単位もしくは部署単位で目標を設定し、達成度合いを評価する人事評価制度で、目標管理制度とも呼ばれます。
かの有名な経営学者ドラッカーが提唱した人事評価制度としても広く知られています。

評価指標が明確になることで、客観的に公平な評価を実現できるうえ、自主性を育めるため、従業員エンゲージメントの向上を期待できます。
また、経営目標と連動する目標を設定するように促せば、業績アップを目指せます。

●OKR
OKRとは、企業全体で達成を目指す大きな目標を設定し、目標達成のために個々人が努力して得られた主要な成果などを評価する人事評価制度です。

全従業員が1つの目標を共有することにより、従業員一人ひとりが企業に貢献しているという実感を得られるため、従業員エンゲージメントの向上につながります。

なお、OKRの効果を高めるためには、目標設定から評価までを可能な限り短いサイクルで回していくことが大切です。

●バリュー評価
バリュー評価とは、従業員が企業の求める行動規範に沿う行動をできているか否かを評価する人事評価制度です。
成果ではなく行動を重視する人事評価制度であるため、行動評価とも呼ばれます。

従業員は自分が企業の求められている行動は何かを考え、能動的に行動を起こせるようになるため、従業員エンゲージメントの向上が促進されます。
従業員の足並みが揃い、組織力も高まるため、業務効率が高まることも期待できます。

●コンピテンシー評価
コンピテンシー評価とは、高い業績を上げている社員に共通する行動特性を基準とし、従業員の能力を評価する人事評価制度です。
評価基準がより具体的であるため、評価のしやすさはもちろん、評価への納得度も高められます。

また、従業員は業績を上げるためにはどのような力を培えばよいかを理解できるようになるため、仕事へのモチベーション、ひいては従業員エンゲージメントを高められます。

●360度評価
360度評価とは、1人の従業員を上司・同僚・部下などがそれぞれの立場から評価する人事評価制度です。
従業員の能力をさまざまな角度から測ることができる人事評価制度であるため、多面評価とも呼ばれます。

上司はもちろん、同僚や部下も自分をよく見てくれていると感じられるため、従業員同士の信頼関係が高まり、従業員エンゲージメントが向上します。

加えて、適度な緊張感が生まれるため、従業員一人ひとりの生産性向上も期待できます。

●ノーレイティング
ノーレイティングとは、数字や記号を用いてのランク付けは一切せず、1on1ミーティングによるフィードバックを行う人事評価制度です。

一カ月に一度など、高い頻度で1on1ミーティングを開催すれば、上司と部下の信頼関係が強固なものになり、従業員エンゲージメントをより一層高めることができます。

また、従業員間の競争が無くなり、従業員同士が協力関係を結べるようになるため、業務効率も高まるでしょう。

●リアルタイムフィードバック
リアルタイムフィードバックとは、1つのタスクを終えたタイミングなどでこまめにフィードバックを行う人事評価制度です。

1つ1つの業務をこまめに振り返ることによって確実性の高い評価を実現できるうえ、コミュニケーションも活性化するため、従業員エンゲージメントが向上します。

さらに、こまやかな軌道修正も可能になるため、あらゆる変化に即座に対応できる組織づくりの一助となることを期待できます。

●ピアボーナス
ピアボーナスとは、従業員同士が互いを評価し、インセンティブを送り合う人事評価制度です。
給与やボーナスに次ぐ報酬であることから、第三の給与とも呼ばれます。

業績に関することはもちろん、業績につながらないことも評価されるため、従業員はあらゆる仕事に精力的に取り組めるようになります。

また、従業員同士が互いを褒め合うことにより、ポジティブな企業風土が醸成され、従業員の企業への愛着心、ひいては従業員エンゲージメントが高まります。

人事評価制度を設計・設置する際に押さえておくべき5つのポイント

自社に合う人事評価制度を設計・設置するためには、以下に挙げる5つのポイントを押さえておくことが大切です。

●人事評価制度の設置目的を明確にする
人事評価制度を設計する際には、まず、なぜ人事評価制度を設置するのか、その目的を明確にしましょう。

なんとなくよさそうだからと他の企業の人事評価制度を真似してみても、人事評価制度をうまく機能させることはできません。
自社が抱えている問題は何かを調査したうえで、問題解決につながるより具体的な目的を設定し、目的達成につながる人事評価制度を練り上げてください。

●評価基準を明確にして公にする
人事評価制度を設計する際には、評価基準を明確にすることも重要です。

評価基準が曖昧では、従業員はかえって不安を覚え、従業員エンゲージメントが下がってしまう可能性があります。
そのため、評価基準は具体的かつ単純明快ものにし、さらに、すべての従業員に公表するように心がけましょう。

評価基準がわかれば、従業員は自分の目指すべき方向性がわかるようになり、仕事へのモチベーションを高めることができます。

●公平で誰もが納得できる評価方法を採用する
人事評価制度を設計する際には、公平で誰もが納得できる評価方法を採用するように心がけましょう。

担当している業務によって評価にバラつきが出たり、評価者によって評価がまちまちになってしまったりする評価方法を採用すると、従業員のモチベーション低下、ひいては従業員エンゲージメントの低下を招いてしまいます。
自社のビジネスモデルを分析し、自社に合う評価方法をよく吟味してください。

●人材育成や人員配置に結びつけられる制度を設計する
人材育成や人員配置に結びつけられるように人事評価制度を設計することも、重要なポイントです。

従業員を評価するだけの人事評価制度となってしまっては、せっかく設置した人事評価制度が形骸化してしまいます。
フィードバックの機会を多く設けたり、従業員一人ひとりの特性を把握できる評価方法を取り入れたりして人材育成や人員配置に役立て、従業員エンゲージメントの向上につなげましょう。

●無理なく運用できる制度を設計する
人事評価制度の設計がひととおり終わったら、設置する前に無理なく運用できるかどうかをシミュレーションしてください。

どれほど優れた人事評価制度が出来上がったとしても、企業のキャパシティをオーバーしてしまうものであれば、うまく活用することはできません。
評価する側も評価される側も大きな負担を感じないよう、人事評価制度はできるだけシンプルに仕上げましょう。

まとめ

◆従業員エンゲージメントの向上には、人事評価制度の整備が欠かせないと言っても過言ではない。

◆従業員エンゲージメントを高める人事評価制度には、MBOやOKR、バリュー評価、コンピテンシー評価など、さまざまなものがある。

◆設計・設置の際には、成功している企業の人事評価制度をそのまま取り入れるのではなく、自社に合う人事評価制度を一から設計することが大切である。

◆人事評価制度の整備によって従業員エンゲージメントを高めたいと考えている企業は、今回紹介した5つのポイントを押さえ、従業員エンゲージメントの向上につながる人事評価制度を設計・設置しよう。

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