HRサミット2016 スマホ世代を大きく伸ばせ!組織がどんどん自己成長する仕組み

目次

スマホ世代を大きく伸ばせ! 組織がどんどん自己成長する仕組み ~Self-Developing Organization~

サムトータル・システムズ 代表取締役社長 平野正信氏

人口が減少して人材確保が大きな課題に

日本の人口はドンドン減り、2100年には5000万人になるといわれています。これは明治末の人口と同じです。生産年齢人口も減っていき、2060年には今の半分くらいになるといわれています。 人材確保のために、今後5 ~ 10年の間に何らかの手を打つ必要があると思います。それなら外国から採用しようという発想になるかと思いますが、問題は他の先進国も同じような傾向にあるという点です。当然、人材の取り合いになります。 では、どうすればいいか──。 解決策の一つになるかも知れないのが新興国の存在です。ASEAN10カ国にインドを加えるとGDPが7兆ドル、人口は20億人になります。中国は13億人ですが、すでに少子高齢化に入っているといわれていますので、今後は東南アジアとインドの人々の労働市場における重要性が急速に高まっていくものと思われます。 実は、弊社も社員の半分はインド国籍です。しかも、大部分はインドで働いています。インドのハイデラバッドという街に数千人という規模でインド国籍の社員がいて、どんどん増えています。担当してもらっているのはソフトウェアの開発、コンサルティング、顧客サポート、クラウドの管理などです。インドから世界中の拠点のサポートを行っているわけです。 とはいえ、新興国の人材の活用がすべての企業でできるとは限りません。人材確保は大きな問題になることが予想されます。グローバルな経済は今後も向上しますが、毎日1万人が65歳を迎えるという状況が15 年以上続き、2020年には8500万人のベテラン従業員が不足するといわれているのです。人材が不足したら採用すればいいという時代は終わります。これからは今いる社員を大切にすることが重要になります。

スマホ世代が働く人の半分を占める

今後の人材確保・活用を考えた時、もう一つの問題として世代交替があげられます。日本ではスマホ世代、グローバル用語ではミレニアム世代といいますが、1975年~ 1980年以降に生まれた人達が2020年までに全労働力の半分を占めるようになります。この年代の人達がこれからの会社を担っていくことになるわけです。 この世代にはいくつかの特徴があります。まず、あげられるのが自分を大事にして欲しいという気持ちが強い点です。無視されることを非常に嫌う傾向があるだけではなく、自分に対していろいろなアクションを起こして欲しいという欲求が強いのです。また、向上心がおう盛で勉強熱心、働いた分お金が欲しいという欲求も強いという特徴もあります。 この世代のワークスタイルについては、一言でいえば「通勤よりも仕事」です。携帯端末が当たり前の存在になっている彼等は会社に出てくるということを重視していません。携帯端末をもって飛び歩く──、つまりリモートオフィスがミレニアム世代のワースタイルを語るキーワードです。 リモートオフィス化が進んだ場合、大事なのはジョブを明確にするということです。日本ではジョブディスクリプションなどいらないという人事の方がたくさんいらっしゃいますが、今後は必要になると思います。 また、今では「Twitter」や「YouTube」、「LINE」といったものが、完全に一般化しています。この辺りの変化も社内に取り込まないとミレニアム世代は納得しません。 単にシステムを入れればいいというだけではありません。SNSを使ったコミュニケーションの方法はかなり違います。メールですと、「お世話になっております」などの前置きを入れ、本文を入れ、「よろしくお願いします」などの挨拶で締めるというのがフォーマットになっています。ところが、SNS のコミュニケーションは「これから伺います」など短文です。 そういうコミュニケーションのあり方も含めて、システムや仕組みを作っていく必要があります。そうしないと、ミレニアム世代の社員は定着しません。

自発的に学ぶ仕組みを作り自ら開発する組織を実現

ミレニアム世代が増え、スマホなどモバイルが普及し、SNSなど、さまざまなコミュニケーションツールが当たり前になりつつある現在、重要なのは「Self-Developing Organization」、つまり「自ら開発する組織」の実現です。 そのために不可欠なのは従業員一人ひとりが、自発的に学び自然に成長していく仕組みです。 しかし、これがなかなかうまくいきません。新入社員のうちは見るもの聞くものが新鮮ですから、学ぼうという意識が強いのですが、だんだんと面倒臭くなってきて、研修などを積極的に受けなくなってしまいます。もっと楽しく学ぶ方法、学びたくなる仕組みを考える必要があります。そこで、弊社が開発したのがWinter 2016です。 Winter 2016の特徴は、何といっても使いやすさです。たとえば、インターネットの場合、アクセスすればするほど、面倒な操作が減っていきます。これはインターネット側で、ユーザーに合わせてアジャストしてくれるシステムになっているからです。 今までの社内システムのほとんど、毎回、メニューを見て同じ操作をしなくてはなりませんでしたが、Winter2016も、システムがユーザーの操作を覚え、使えば使うほど必要な操作が減っていくようになっています。 それだけではありません。ネットで何か買うと、お薦め商品が表示されます。これが意外と便利です。何度か買うと、ユーザーのニーズや好みを覚えて、的確な商品を表示してくれるようになっていきます。これもユーザーの行動や思考に合わせてシステムがアジャストしてくれているからです。Winter 2016にも同様の機能が搭載されています。 あなたはこういう仕事をしているので、こういうことを知っていた方がいいんじゃないかなという感じで、お薦めのコンテンツが出てくるのです。さらに、ユーザーの趣味も把握して、仕事と関係ないお薦めコンテンツも出てくるようにすることもできます。これにより、学ぶのが楽しくなるわけです。

ビックデータの活用できめ細かな対応が可能に

こういうことが可能になったのはビックデータが活用できるようになったからです。ビックデータというのは、その名の通り、データ量が多いため思うように活用できませんでした。それが活用できるようになってきました。 たとえば1990年代後半から2000年にかけてインターネットのサーチエンジンが出てきました。膨大なデータのなかで、あるキーワードにヒットするものを探してくるサーチエンジンは登場した時も驚きでしたが、今では瞬時に検索結果が出てきます。しかも、ずいぶんと賢くなってきて、関係のないデータはほとんど出なくなりました。 ビックデータを活用するテクノロジーが発達したことで、人事に関しては、その人のデータを全部入れてしまうということができるようになってきました。さきほどお話した推奨学習プログラムが一つの例です。 最後に、組織における生産性についてお話ししたいと思います。 教育管理システムやタレント・マネジメント・システムを入れると何がいいのかという質問をよく受けます。 1920年代から人材管理と生産性の関係について研究が行われているのですが、最近、似たような研究をマッキンゼーがしたところ、1920年代と同じような結果が出ました。 報酬も大事ですが、仲間が信頼できるかが決め手なのだそうです。上司と話ができない、経営陣の考え方がよく分からないと社員が思ったらアウトです。逆に「公平に評価される」「自分を高める環境が整っている」「職場の未来に希望が持てる」組織の生産性は高いという結果になりました。これらを実現するために教育管理システムやタレント・マネジメント・システムは有効です。 さらに、このことから何がいえるかというと、成功のカギを握っているのは人事ということです。 これからもビジネス環境はどんどん変化していきます。旧態依然とした仕組みではどこかで破綻がきます。アメリカの高名な営業マン、ジグ・ジグラーは「準備を整え、そこに機会が訪れれば成功する」といっています。また、ウォルマートの創業者、サム・ウォルトンは「成功するためには、まず教育だ」といっています。 企業として発展していくためには、Self-Developing Organizationの実現が不可欠です。そして、それを実現できるのは人事担当者なのです。ぜひ、そのことを意識して、ビジネス環境の変化に対応した仕組み作りを早目早目に心掛けていただきたいということを申し上げて、講演を終了したいとと思います。ご静聴、ありがとうございました。 平野 正信氏 サムトータル・システムズ株式会社 代表取締役社長 IBMの開発エンジニア、日経マグロウヒル社(現日経BP 社)記者、ハイペリオン日本法人代表、レッドハット・アジア担当VPなどを経て現在に至る。記者としての人脈、ソフトウエア全般、会計、人事などのITソリューションなどの豊富な経験を生かし、業界のビジョナリーとして活躍。明快な説明に定評がある。
【著者プロフィール】
「ラーニング・イノベーションLABO」編集部
人事領域において人材開発やDX・ITにおけるクリティカルな情報をお届けします。
また、人事担当者の方々が日々抱える人材育成、人材開発における課題を整理し解決していくメディアを目指しています。
人材開発の先にある、社員の方一人一人の自己開発型人材の実現を目指し気づきと学びを提供するべく情報をお届けしていきます。
Recommend おすすめ記事
サムトータルのソリューション
人材の可能性を引き出したい!
今いる社員を大事に育て、組織を強くしたい。
サムトータルのラーニングと人材開発ソリューションで
「教育と育成によって進化する組織」を実現します。
サムトータルのソリューション詳細はこちら
ラーニングを中心とする人材育成ソフトウェア 変化する社会と仕事のためのソリューション
PAGE TOP