離職率増加を防ぐために企業が取り組むべき施策とは? withコロナ時代に気をつけるポイント

2020年に始まった新型コロナウイルス感染拡大は、大きな経済的影響を与えるとともに生活者のライフスタイルを大きく変えました。
このような変化に「これまで通りにやっていくのが難しい」と感じている企業は多いでしょう。

企業が大きな変革を求められる時代といえそうですが、そのような変革の中心となるのは人材です。
しかし、優秀な人材を確保し、自社に定着させ、活躍し続けてもらうということが以前よりも難しくなってきています。

少子化により、労働人口は減少してきています。
さらに、旧来の終身雇用は崩れ、現代の労働世代にとっては、ジョブ型・メンバーシップ型などの雇用を意識し転職しながら自身のキャリア形成することも当たり前になりました。

それに加え、コロナ禍のリモートワークによる労働などは、これまでにない新たなストレスも生み出しています。
このような状況で、社員の離職を防ぐにはどのような施策を行うべきでしょうか。この記事ではそれらの点について見ていくことにします。

目次

まずは離職に至る原因の追究が大切

自社の離職率を下げることはとても大切です。
離職率が上がってしまうことで、、離職者の補充をすべく新たな人材を獲得しなくてはなりませんが、離職率の高い会社には人材が集まりにくいからです。一度離職率が上がってしまうと、以下のような悪循環が起きる可能性が高いでしょう。

  1. 離職率が上がる
  2. 新たな人材の確保が必要だが人が集まりにくい
  3. 少ない人材で業務を行うので負担が大きくなる(職場環境が悪くなる)
  4. 離職率が一層上がる

このような状況に陥らないよう離職を防ぎたいものですが、いきなり施策を講じればよいというわけではありません。
社員が離職したいと考える原因を探り、その原因を解決することが最も有効な施策になるはずです。

自社に当てはまらない施策を講じても離職率は下がりません。
まずは自社にどのような課題があるのか(社員が離職したいと考える原因はどこにあるのか)を見極めましょう。

社員が離職に至る理由としては、厚生労働省が毎年公開する雇用動向調査のなかの「転職離職者が前職を辞めた理由」が参考になります。
雇用動向調査によると転職離職者が退職したのは以下の理由による割合が高くなっています。

労働条件や給与・待遇への不満

労働条件とは、労働時間や休日などの待遇を指します。近年、働き方に対する考え方は多様化しており、多様な働き方に対応できていない職場環境は離職の大きな要因になります。
また、給与などの待遇面に不満をもつことも、さらに高い待遇を求める社員の退職要因となります。

仕事内容への不満、成長に実感が持てない

仕事内容に興味を持てない、自分の能力や個性、資格を仕事に活かせない、キャリアアップできないことも退職の要因となります。

人間関係が良好でない

職場の人間関係が良好でないことも退職の要因となります。
上司や先輩社員からのパワーハラスメントや職場内での人間関係が社員にとって好ましくない場合、退職に結び付くケースが考えられます。

会社への不安が大きい

会社の将来に不安を持つケースも、退職の要因となります。
企業業績や風評だけでなく、社会環境の変化によっても転職を考えることが考えられます。
今回の新型コロナウイルスの影響などもひとつの例でしょう。

どんな離職防止策(リテンション施策)が有効か?

離職につながる要因を特定したら、次にそれに対して有効な施策を考え、実行していきましょう。
もちろん「これさえやれば離職率が下がる」といった万能の方法は存在しません。
自社の課題に合わせて有効な施策を、できれば複数組み合わせて施行していくのがよいでしょう。

特に効果的とされる施策は以下のように分類されます。

社内コミュニケーションの活性化

社内コミュニケーションの活性化の具体例としてサイボウズ株式会社の取り組みをみてみましょう。
サイボウズ株式会社では、部署をまたぐ社内部活動を支援し、部員一人当たり年間10,000円を補助しています。
また、部門内や部門をまたぐイベントや誕生会に対して補助金をだす取り組みを実施し、社員の交流を推進しています。

待遇の改善

労働条件や給与・待遇の改善を成功させた具体例としては、神奈川県鶴巻温泉の老舗旅館「陣屋」の事例があげられます。陣屋は完全週休3日を基本とする勤務体系を採用し、多様な働き方を推進しており、平均賃上げ率を上回る賃上げ率を実現しています。

能力開発・教育制度を充実させる

カネテツデリカフーズ株式会社は、配属から6か月間は新入社員に指導員をつける「マンツーマン方式」を採用することで、業務指導とフォローを密におこない、新入社員を早期に戦力化するとともに離職率を低下させました。

新たなキャリアプランの提示

三幸グループは、2年間同じ部門で在籍していれば、社員が自分でキャリア形成の申請を人事に提出できる「キャリアチャレンジ制度」を設け、離職防止に努めています。

人事評価や目標管理の改善

人事評価や目標管理をわかりやすく明確化していくことも離職防止につながります。
楽天株式会社では、コンピテンシーによる月額給与とパフォーマンスによる業績賞与が決まる企業の価値観と行動指針にもとづくシンプルで分かりやすい評価制度を採用しています。

コロナ禍のリテンション施策で気を付けるべきポイント

ここまで離職につながりやすい要因の代表例や、効果的なリテンション施策の例を紹介してきました。
しかし、現在はこれに加えて「コロナ禍」という特殊な事情も加味しなくてはいけません。

コロナ禍においては、多くの企業でリモートワークが導入されています。
リモートワークによって生産性が上がり、やりがいを感じる社員もいますが、逆にこれまでになかったストレスを感じる社員もいます。

リモートワークならではの、離職につながりやすい課題の代表例を見てみましょう。

・社員同士のコミュニケーションが不足する(社内の人間関係や一体感・帰属意識が希薄化する、コミュニケーションの行き違いでミスが増えるなど)
・自己管理能力の低い社員はパフォーマンスが下がる(自信の喪失・ストレスの増大)

このような特徴を踏まえ、コロナ禍のリモートワークでのリテンション施策では以下の点にも気をつけるのがよいでしょう。

円滑にコミュニケーションが取れる体制を作る

リモートワークでは、オフィスで簡単に実現できた顔を合わせたコミュニケーションが困難になります。
そのため、メールだけでなくデイリー業務の連携が密にできるチャットツールやミーティング用のWEB会議ツールを準備しなければなりません。

社員同士が気楽に雑談できる場や時間を作る

オフィスでは雑談からイノベーションがうまれることや、円滑な人間関係の向上による職場の生産性向上につながる機会がありましたが、リモートワークではその機会が困難になります。
その解決策として、チャットツールなどを使ってリモートワークでも社員同士の雑談が可能な環境を構築する企業が出てきています。

目標管理(目標設定・進捗確認)に力を入れる

リモートワークでは、普段マネージャーがオフィスで実行できていたスタッフの行動把握ができなくなります。
そのため、リモートワークでも可能な目標管理(目標設定・進捗確認)ができるように体制を整える必要があります。
解決策として、目標管理のフレームワークOKR(Objectives and Key Results)などを導入するのもひとつの方法です。

1on1ミーティングで課題を拾い、フォローを継続する

上司と部下のコミュニケーションや業務や目標の相互確認の場として1on1ミーティングの採用も有効です。
1on1ミーティングはリモートワークでも可能であり、頻度を高めることで高い効果が期待できます。

まとめ

◆人材の確保・定着が難しい時代において、離職率を下げるのはとても重要となる。そのためには、まず離職する理由を明確にした上で、その理由に合わせた施策を講じていかなくてはならない。

◆社員が離職を考える理由の代表例は、以下のようなものとなる。
・労働条件や給与・待遇への不満
・仕事内容への不満
・人間関係が良好でない
・会社への不安が大きい
・成長に実感が持てない

自社の社員がどのような不満を抱えているのか見極め、それを解消できる施策を考えよう。

◆コロナ禍のリモートワーク環境では以下の点にも注意する。
・円滑にコミュニケーションが取れる体制を作る
・社員同士が気楽に雑談できる場や時間を作る
・目標管理(目標設定・進捗確認)に力を入れる
・1on1ミーティングで課題を拾い、フォローを継続する

◆本記事を参考に、自社に合った離職防止策(リテンション施策)を実施し、優秀な人材が定着しやすい職場環境を実現しよう。

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