離職率が高い業界・企業は?ランキングから見る業界・企業の特徴について徹底解説


人事においては、優秀な人材を採用し、さらに活躍できる人材に育てていくことが求められます。
しかし、これらは「人材の定着」とセットになって初めて大きな意味を持ちます。

せっかく優秀な人材を採用し、育てたとしても、すぐに離職してしまう人が多ければ、十分な成果を得ることはできません。
実は、離職率は業界によって大きく異なります。
業界ごとの離職率から「離職率が高い業界の特徴」を読み解くことは、自社に人材を定着させていくためのヒントになるはずです。

そこでこの記事では、業界ごとの離職率のランキングから業界の特徴を読み解き、自社に人材を定着させるためのポイントを紹介します。

目次

【業界別の離職率ランキング】離職率の高い業界・低い業界はどこか?

早速、厚生労働省が調査した令和元年の業界別離職率の状況を確認してみましょう。

参照:2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要/厚生労働省
このグラフを、離職率の高い業界順に並べ替えると以下のランキングとなります。

ランキングトップは「宿泊業、飲食サービス業」で26.9%、逆に最も離職率が低い「建設業」は9.2%でした。両者の間には約18%もの差があります。

離職率の高い業界の特徴

前項では離職率の高い業界のランキングを確認しました。
しかし、離職率のデータはあくまでも「業界の平均」でしかなく、実際には企業ごとにばらつきがあります。
ランキング1位の「宿泊業、飲食サービス業」の中にも離職率が低い企業があるでしょうし「建設業」の中にも離職率のとても高い企業はあるかもしれません。
大切なのは、離職率の高い業界の特徴を分析することです。
離職率の高い業界のおもな特徴や傾向としては以下になります。

BtoC業界である

企業には大きく分けて、企業に対してサービスを提供するBtoB(Business to Business)企業と、個人の消費者を対象とするBtoC(Business to Customer)企業があります。
ランキングの上位に入っている業界はほとんどがBtoC企業の業界です。あくまでも傾向ではあるのですがBtoC企業が高い傾向が出ております。

残業が多い

BtoC企業で働く場合、あくまでも傾向として残業が多くなることがあります。
個人の消費者を対象とする場合、平日の営業時間だけで業務を完結させることが難しくなるからです。
日中は接客で事務仕事に手をつけられず、顧客が帰った後に夜遅くまで残業をするといったこともあるでしょう。

平均年収が低い

離職率が高い業界の多くは平均年収が低い傾向にあります。
労働時間や負担が多く、給与が少ないといったことから、人材が定着しにくい傾向が見て取れます。
ただ、年収が低いことにより離職率が高いことの相関はあくまでも傾向で企業ごとや個人ごとによって個別の理由があることは間違いありません。

教育や福利厚生が十分でない

人材が定着しないと少人数に業務負荷が集中し、目の前の業務をこなすことだけに追われてしまいがちです。
教育などを十分に行うこともできず、福利厚生などのシステムを整えるのも難しくなってしまうでしょう。その結果、ますます人材が定着しにくくなってしまうという悪循環も起こりやすいことが予測されます。

離職率を抑え、優秀な人材を定着させるポイントとは?

離職率が高い業界のランキングから、離職率の高い業界のおもな特徴を見てきましたが、自社の離職率を下げ、人材を定着させるためにはどんなことに気をつければ良いのでしょうか。
まずは以下の観点で自社の職場環境をチェックして改善策を考え実行することが重要です。

採用時にミスマッチを防げているか

採用時に、業界の特徴や残業量、ノルマ、年収、福利厚生などを採用候補者に明確に伝えることで、採用後の退職を予防できます。

労働管理が十分にできているか

働きすぎや、仕事量にかたよりがないかなど、社員の労務管理をきちんと実施する体制を整えることで退職を予防します。

福利厚生・手当は十分に整っているか

社員の価値観やライフイベントのニーズに合った福利厚生や手当が整っているかを確認し、改善を目指します。

労働環境・待遇は適切か

労務環境や待遇面が適切であるかを確認し、改善を目指します。厚生労働省が調査した「平成30年 雇用動向調査結果の概況」によると転職入職者が前職を辞めた理由で割合が高かったのは、定年や契約期間満了を除くと「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」が男女とも最も高く、次いで男性は「給料等収入が少なかった」、女性は「職場の人間関係が好ましくなかった」の順になっています。

社風や職場の人間環境は良好か

社風や職場の人間関係も社員が退職を決める大きな理由になります。自社の現状をふまえ改善を目指す必要があります。

先に挙げた「離職率が高い業界の特徴」については、もちろん業界によっては変えることがほとんど不可能な項目もあります。
しかし、上記のポイントに沿って自社の環境を見直し、少しずつ改善に向けて動き出すことができれば、現状よりも人材が定着しやすくなるでしょう。

また、人材が定着しやすい環境になれば採用時にアピールができ、良い人材が集まりやすいという好循環にもつながります。

まとめ

◆離職率の高い業界をランキングで確認し、それらの業界の特徴について解説してきたが、
もちろん、該当する業界の全企業に当てはまるわけではなく、その業界の全企業の離職率が高いということでもない。
また、企業ごと個人ごとそれぞれに理由があり一概に言えないのも確かです。
しかし、離職率の高い業界の特徴を見てみると、労働時間や負担の大きさに対して報酬が少ないと感じられていることが、離職率が高い要因の1つのようにも見える。

◆離職率が低くなり人材が定着するようになれば、労働環境が改善され、さらに多くの人材が集まるようになるなど、好循環が生まれる。
ぜひ自社の環境を見直し、少しずつ改善に向けて動き出してみよう。

【著者プロフィール】
「ラーニング・イノベーションLABO」編集部
人事領域において人材開発やDX・ITにおけるクリティカルな情報をお届けします。
また、人事担当者の方々が日々抱える人材育成、人材開発における課題を整理し解決していくメディアを目指しています。
人材開発の先にある、社員の方一人一人の自己開発型人材の実現を目指し気づきと学びを提供するべく情報をお届けしていきます。
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