人材育成プログラムにおけるフレームワークとは? 設計や実施の具体的なポイント


少子高齢化による労働生産人口の減少などを背景に、人材の不足に陥っている企業は増えてきており今後、更に増えていくでしょう。
このような環境において企業には、限りある人材をどのように育成するかという課題の重要性が高まり、その必要性が求められています。

その一方で「人材育成に充てられるリソースや時間が限られている」「人材育成の基準が曖昧」「人材育成の目的の共有が難しい」など、課題が多くなっていると人事担当者は感じているのではないでしょうか。
こうした課題を解決するには「フレームワーク」の設計・活用が効果的です。
この記事では人材育成プログラムにおけるフレームワークの設計・活用についてご紹介します。

目次

人材育成プログラムにフレームワークが役立つ理由

フレームワークとは「考える上での枠組み」のことです。実際に起こった成功例や失敗例を踏まえ、成功しやすいパターンを抽出したものと言えるでしょう。
このフレームワークを使うことには以下のようなメリットがあります。

効率的に仕事を進めることができる(限られた時間を有効に使うことができる)

フレームワークは、仕事を進めるうえで必要な多様な情報を組み合わせて理論的に考えるサポートをしてくれるため、効率的に作業を進めることができ、時間を有効に使うことができます。

目的やその達成のためにすべきことが明確になる(基準が明確になる・メンバー内で目的の共有がしやすい)

共通のフレームワークを使うことで、メンバー内で評価や判断基準や目的を共有することができます。
その結果、プロジェクトの目的や行動目標が明確になります。

このメリットは人材育成プログラムに活かせます。

人材育成プログラムに活用できるフレームワークの例

ここでは特に人材育成プログラムで効果を発揮するフレームワークの代表例を紹介します。

思考の6段階モデル

思考の6段階モデルは、教育を「記憶」「理解」「応用」「分析」「評価」「創造」の6つの段階で実行するフレームワークで、6段階をふまえて人材育成プログラムを考えることで効率的なプログラムを組むことができます。

ロバート・カッツの理論

ロバート・カッツの理論は、社員の階層に応じて必要とされるスキルを「コンセプチュアルスキル」「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」と明確化しているフレームワークで、人材育成プログラムを改善する際に有効なフレームワークです。

70:20:10フレームワーク

70:20:10フレームワークは、人材育成は、実務70%、人によって20%、研修によって10%実行すべきというフレームワークです。
人の成長には実務を経験させる必要があり、社員の人材育成のプログラムには、実際の仕事を通した実務を経験させる機会の割合が、多くとれるように設定していく必要があります。

カークパトリックモデル

カークパトリックモデルは、1959年にアメリカの経営学者であるカークパトリック博士が提案した教育の評価方法のモデルで、研修の成果を「反応」「学習」「行動」「成果」の4つのレベルに分け、どのレベルをいつ測定するかを決め、プログラムの成果を測定します。

レベル1:反応
研修直後のアンケートなどによる満足度の評価

レベル2:学習
試験やレポートによる学習到達度の評価

レベル3:行動
受講者自身や他者による行動変化の評価

レベル4:業績
研修後の社員や部門の業績度合いの評価

SMARTの法則

SMARTの法則は、目標を達成するプログラムには「明確性」「計量性」「割り当て設定」「実現可能性」「期限設定」といった5つの成功因子があるとするフレームワークで、人材育成プログラムの設計に活用できるフレームワークです。

人材育成プログラムにフレームワークを使う場合に注意すべき点

フレームワークは人材育成において効果を発揮するものの、注意すべき点もあります。
活用方法を間違えると効果的に作用しないこともあるので気を付けましょう。

フレームワークに落とし込めば全ての課題が解決するというわけではない

フレームワークはどんな課題も解決できる万能なものではありません。
現実にはフレームワークでは解決できない問題もあるので、フレームワークに囚われすぎずに柔軟に解決策を考えることも必要です。

フレームワークの実施それ自体が目的化してしまう場合がある

フレームワークを実施することそれ自体が目的化し、本来の目的を見失ってしまうケースもあるので注意してください。

最終的なアウトプットを基準にフレームワークを選ぶべき

最終的に求められるアウトプットを設定し、それに必要な知識・スキルを逆算してフレームワークを設計していくのが良いでしょう。

実際の場面を想定してシミュレーションし設計すべき

フレームワークを設計する際には実際の活用場面をリアルに想定してシミュレーションした方が良いでしょう(そうしないと実施の段階で「想定外」のことに多々遭遇するはめになってしまいます)。

現場で修正を加えながら使い続けていくべき

フレームワークを設計したら、実際の場面で使いつつ、フィードバックをし、必要に応じて修正を加えていくべきです。
特に現場で何らかの変化があったり、フレームワークで対応できない事案があった場合、フィードバック・修正をしていくことでより現場に有効になるでしょう。

まとめ

◆人手不足を背景に、人材育成の重要性が高くなっている。
しかし、人材育成には多くの企業が共通して課題を抱えている。
・ 人材育成に充てる時間が限られている
・人材育成の基準が曖昧
・メンバー内で目的の共有が難しい
などである。
これらの課題を解決するために有効なのがフレームワークである。

◆フレームワークはこれまでの成功例や失敗例を踏まえた「思考の枠組み」であり、業務の効率化や目的・基準の明確化、目的の共有に役立つ。

◆ただし、フレームワークさえ使えば全ての課題が解決できるというわけではなく、ときにはフレームワークに囚われずに解決方法を考えることも必要である。
フレームワークは現実の場面を想定して設計し、必要に応じてフィードバック・修正を加えつつ運用していくことが大切である。

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