人材育成のポイントとは?企業に求められる人材教育の考え方を解説

「ヒト」が企業にとって重要な経営資源のひとつであることは、周知の事実です。
そして限りある人的資源を企業が最大限に活用するためには、「人を育てる」ことが重要です。今回は、人材育成の本質を確認しつつ、人材育成にあたって企業に求められる考え方と成功のポイントについて解説します。

目次

改めて考える、人材育成の「本質」

人材育成とは、その名のとおり「人を育てる」ことです。それではなぜ、企業が人を育てる必要があるのでしょうか。

企業は、従業員が業務の遂行に必要な知識と技術を身につけられるよう、教育・訓練を施します。
こうした取り組みは、狭義で「人を育てる活動」と言えます。
別の言葉で表すと「人材の戦力化」と言い換えられるのではないでしょうか。

ですが人材育成の「本質」は、人材の戦力化ではありません。
「本質」を理解するためには、企業にとって「人材とは何か」を正しく認識したうえで、人材育成を捉える必要があります。

経済産業省では、グローバル化、デジタル化、人手不足が進むなかで、日本企業の経営力強化の対策として、「人材力強化」を掲げています。
具体的には、これからの時代を勝ち抜くために、従来の集団的能力による日本型人材マネジメントから脱却し、多様な人材、イノベーション創出をリードする人材、自発的貢献意欲を持つ人材、自発的キャリア構築意識を持った人材の強化が提案されています。

参考:経済産業省 変革の時代における人材競争力強化のための9つの提言

現在から将来に向けて、企業に必要な人材は、経営力強化のための経営戦略を自発的に実行していくことができる人物と言えるでしょう。
ゆえに企業にとっての人材育成とは「経営戦略を自発的に実行し、成果を残せる人材を育てること」と言えるでしょう。

ドラッカーは著書「マネジメント」の中で、企業が成果を上げるためには、自社の事業を定義し、目標に具体化し、目標実行のための戦略計画を立て実行するマネジメントが必要であると説いています。

経営戦略を実行する目的は、経営計画の達成であり、ひいては経営理念の実現です。
つまり人材育成の本質とは「経営理念の実現に貢献できる人材を育てること」なのです。

人材育成の本質を捉えた考え方と成功のポイントとは

人材育成の本質を踏まえると、「人を育てる」ことは単なる人事施策の域を超えて、経営層を巻き込んだ長期的な取り組みであることがわかります。
企業は、そうした前提に立ったとき、人材育成をどのように考えるべきなのでしょうか。

企業で働く従業員は、働きがいを感じられる、キャリアプランを描くことができる職場を求めています。
その一方で、キャリア自律を果たせておらず、働きがいに気付いていない従業員が多いことも事実です。

経団連が2020年1月に発信した「人材育成に関するアンケート調査結果」によると、従業員のキャリア形成の現状は、一部の従業員が自律的にキャリアを形成している一方、多くの従業員は会社主導と回答している企業が55.2%あり、総じて会社主導でキャリア形成が行われている18.9%と自社の現状の把握・分析ができていない3%を合わせると8割弱の企業の多くの従業員がキャリア自立を果たせていないことが分かります。

この違いをなくしすべての従業員が社内において自律的にキャリア形成ができるようにするためには、企業の経営層は、従業員に経営理念と経営戦略を共有し、自律的なキャリアデザインを促さなければなりません。

また、従業員一人ひとりは、自らの働きがいに気付き、自律したキャリア開発を進めながら、高い成果を収めなければいけません。

そして人事部門にとっては、従業員のキャリアデザインを支援する取り組みが重要な人材育成の施策となります。

企業が人を育てるためには、企業の成長を見据えた経営層からのトップダウンと、従業員が自らを成長させるためのボトムアップの両立が不可欠です。

人材育成の成功のポイントは、経営理念とキャリアビジョンの実現に向けて、企業と個人が共に成長できる関係性づくりであり、そうした環境・施策を用意できるか否かにあります。

日本企業に求められる人材育成の3つのポイント

グローバル化、デジタル化、人手不足など、日本企業を取り巻く環境はスピーディーに変化しています。
そんな中、企業が現在から将来に向けて勝ち残っていくためには、ポイントをふまえた人材育成が必要です。
経団連が2020年3月に発信した「Society5.0時代を切り拓く人材の育成」の中では、次の3つのポイントが奨励されているので参考になります。

意識と組織文化の変革

意識改革には経営トップが企業理念とビジョンを従業員に浸透させ、経験の機会の提供やキャリアアップを積極的にフォローする点、多様化を重視した人材育成方針を明示します。
企業理念とビジョンの浸透には、経営トップと従業員が語り合う機会を設け、部門においてどのように実務に反映させるか議論を重ねていきます。

組織文化の改革に向けては、イノベーション創出できる組織に向け社内外の人材のコミュニケーションを向上させるために、多様な人材の交流機会を設けるようにしていきます。
具体的な事例としては、グループ企業や提携企業とのセミナーなどを介した人材交流、スタートアップ企業とのアクセラレーションプログラムの実施などがおこなわれています。
また、従業員のスキルアップと自己啓発を習慣化します。

自律的なキャリア形成の支援

従業員自身の自律的なキャリア形成を向上させることも、これからの人材育成には重要です。
そのためには、経営トップや上司、人事部門から、自律的なキャリア形成を自社が重視することを従業員に積極的に伝播していく必要があります。

人材配置は、従業員のキャリアビジョンなどの情報を確認した上で適切に評価し柔軟に対応し、従業員の意向をふまえた選択制を可能な限り採用するような人事評価制度の導入も必要でしょう。

また、実践的な業務経験を学ぶことによってスキルと経験を積ませるOJTも人事育成の重要な取り組みのひとつです。
OJTは現場の管理職や先輩などの育成担当者から部下に向けての一方的な指導教育の時間ではなく、相互のコミュニケーションをとることで、キャリアアップへの方向性を一致させます。

デジタル改革を担える能力の開発

人材育成に求められる大きなポイントのひとつに、従業員にデジタル化に対応できる能力を身につけさせる点があります。
まずは、自社のデジタル改革に対する経営戦略を従業員に明確に伝え、能力開発のための人材育成の取り組みを計画的に実行していくことが重要です。

まとめ

◆人材育成の本質とは「経営理念の実現に貢献できる人材を育てること」です。

◆人材育成の成功のポイントは、経営理念とキャリアビジョンの実現に向けて、企業と個人が共に成長できる関係性づくりであり、そうした環境・施策を用意できるか否かにあります

◆日本企業に求められる人材育成の3つのポイントは「意識と組織文化の変革」「自律的なキャリア形成の支援」「デジタル改革を担える能力の開発」です。

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