中小企業の働き方改革をチェック!罰則付きの改正項目をまとめて解説

2020.09.04 
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中小企業の働き方改革をチェック!罰則付きの改正項目をまとめて解説

近年、政府が推進する「働き方改革」によって、従業員の労働環境を見なおす動きが広まっている。
2019年4月施行の「有給休暇取得の義務化」に続き、すでに大企業では適用済みの「時間外労働の罰則付き上限規制」が、2020年4月より中小企業でも適用が始まった。

「有給休暇取得の義務化」も「時間外労働の罰則付き上限規制」も、企業の努力義務ではなく法的な罰則付きの規定だ。
よって、違反した企業には懲役や罰金といった罰則が科せられる。
働き方改革によって改正された項目は、従業員も含めた企業全体が十分に理解しておく必要があるだろう。

本記事では、働き方改革関連法によって中小企業は何が変わるのか、罰則のある改正項目を2019年4月と2020年4月以降の施行に分けて解説する。

目次

2019年4月施行の働き方改革関連法をおさらい

まずは、2019年4月より施行された働き方改革関連法から、罰則付きの改正項目の内容をおさらいしていく。

有給休暇取得の義務化

事業者は、年間10日以上の有給休暇が付与されている従業員に対し、年間最低5日の有給休暇を取得させなければならない。
なお、有給休暇取得の義務は正社員に限らず、有給休暇取得の条件を満たしているパートやアルバイトに対しても同様に適用される。

有給休暇取得義務に違反し、従業員に年間5日以上の有給休暇を取得させなかった場合には「30万円以下の罰金」が科せられる。
また、従業員の要求する時季に有給休暇を付与しなかった場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる。

フレックスタイム制の清算期間の上限延長

フレックスタイム制とは、あらかじめ働く時間の総量を定めたうえで、従業員自らが日々の始業・終業時刻、労働時間を決められる制度である。
法改正にともない、フレックスタイムの精算期間の上限がこれまでの1ヶ月単位から3ヶ月に延長。
1ヶ月以上の清算期間を設定する場合は労使協定を締結し、届出することが義務化された。

精算期間が1ヶ月を超えるにもかかわらず、労使協定の締結・届出を怠った場合は「30万円以下の罰金」が科せられる。

医師の面接指導

働き方改革関連法により、高度プロフェッショナル制度の対象従業員が長時間労働で健康を害さないよう、医師の面接指導が義務化された。
事業者は、高度プロフェッショナル制度の対象従業員の在社時間が一定の時間数を超過した場合、従業員の申し出がなくとも医師による面接指導を実施しなければならない。

高度プロフェッショナル制度とは、一定の年収要件を満たす高度な専門知識等を有した従業員に、労働基準法に基づいた労働時間や休日に関する規定を適用しない制度である。

高度プロフェッショナル制度の対象者が就業しているにもかかわらず、医師の面接指導の義務に従わなかった企業には「50万円以下の罰金」が科せられる。

2020年4月以降に施行された働き方改革関連法

続いて、2020年4月以降に施行された働き方改革関連法から、罰則付きの改正項目の内容を見ていく。

時間外労働の上限規制

2019年4月より大企業で施行された時間外労働の上限規制は、2020年4月より中小企業でも適用開始となった。

法改正により、月45時間、年360時間の時間外労働を法律上の上限とすることが定められた。
また、臨時的な事情がある場合でも、年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を時間外労働の上限に設定しなければならない。

法改正前は法律上の上限はなく、月45時間、年360時間の時間外労働を超えたとしても、企業への行政指導のみだった。
しかし、法改正後は上限規制を超える時間外労働をさせた企業に対し「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる。

月60時間を超える残業の割増率の猶予廃止

法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働に対し、企業は残業代として通常賃金の1.25倍の割増賃金を支払わなければならない。
これに加え、月60時間を超える時間外労働に関しては、1.5倍の割増賃金を支払うことが労働基準法によって定められている。

大企業ではすでに導入されているが、経営力や資金力が必ずしも強いとはいえない中小企業に対しては猶予期間が設けられた。しかし、働き方改革関連法の成立により、中小企業への適用猶予措置は2023年4月1日をもって終了することが決定した。

適用猶予措置が終了した後も、月60時間を超える時間外労働に対し1.5倍の割増率による残業代を支払わない事業者には、「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる。

まとめ

「有給休暇取得の義務化」が2019年4月より施行されたのに続き、すでに大企業では始まっていた「時間外労働の罰則付き上限規制」が2020年4月より中小企業でも適用開始となった。
時間外労働の上限規則に違反した企業には、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる。

また、大企業では導入されている「月60時間を超える残業の割増率の猶予廃止」に関しても、中小企業への適用猶予措置が2023年4月1日をもって終了することが法改正によって決定した。違反した企業には、「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられる。

このように、働き方改革は大企業のみならず、中小企業にも大きな影響を及ぼしている。今回紹介した罰則付き改正項目を今一度確認し、自社の働き方や労働環境を見なおす参考にしてほしい。

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