日本と海外の働き方を比較!事例で学ぶ働き方改革

2020.07.27 
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日本と海外の働き方を比較!事例で学ぶ働き方改革

2019年4月より順次施行されている働き方改革関連法案。これまでの働き方を見直し、労働者一人ひとりの生産性を上げることを目的としている。

日本生産性本部が公表した『労働生産性の国際比較 2019』によると、2018年における日本の1時間あたりの労働生産性は、OECD加盟36カ国中21位となる46.8ドル(4,744円)だった。
この数字は、アメリカ(74.7ドル)の6割強の水準であり、イタリア(57.9ドル)やカナダ(54.8ドル)をやや下回る水準である。
日本の労働生産性は、データが公表された1970年以降、主要7カ国の中で最下位の状況が続いている。

働き方改革に取り組むのは日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、アジアと世界各地で積極的に推進されている。
この記事では、海外で取り組まれている働き方改革の事例から、日本と海外の働き方はどう違うのかについて紹介する。

目次

アメリカの働き方事例

アメリカでは、政府が主体となって働き方改革を推進するのではなく、個々の民間企業がそれぞれ独自の制度改革を行っている。
その中で、アメリカを中心に注目されている新しい働き方が「ギグ・エコノミー」だ。

ギグ・エコノミーとは、インターネットを通じて短期・単発の仕事を請け負う就業形態であり、日本でいう個人事業主やフリーランスと類似している。
アメリカCNNの経済ニュースサイトによると、2017年時点ではアメリカ全労働者の34%がギグ・エコノミーに属しているとの調査結果がある。
ギグ・エコノミーはアメリカ社会に浸透し、短期・単発の仕事で生計を立てるのは珍しくない状況だ。

また、企業に雇用されている労働者においても、働く時間や場所、休暇の自由度を高めた働き方「フレキシブル・ワーク」の実現を目指している。
政府や企業はこの推進のためにワークライフバランスプログラムを用意し、施策の中核として位置づけている。

ヨーロッパの働き方事例

●北欧

北欧では、日本に比べて冬が長いという気候の問題や物価・外食費が高いといった理由から、朝早くから働きはじめ、労働時間をできる限り短縮して早めに帰宅するのが一般的だ。
北欧の企業は労働時間の管理が厳密ではなく、生産性を上げて早めに仕事を終わらせることができれば、労働時間を短くすることや休暇を増やすこともできる。

さらに残業という概念はなく、有給休暇はすべて取得するのが当たり前の文化がある。
スウェーデンやフィンランドではテレワークの普及率が高く、在宅勤務に理解のある企業が多いのも特徴だ。

●ドイツ

ドイツの1人あたりの労働生産性は日本の約1.5倍である。
1日10時間以上の労働は法律で禁止され、最低でも24日間の有給休暇の取得を徹底している。
定時までに仕事を終えられるよう、仕事にかかるムダを省き、効率よく作業を進めることを重視しているのだ。

2018年におけるドイツの有給休暇取得率は100%と言われており、支給されたすべての有給休暇を消化している。
対する日本の有給休暇取得率は50%と、調査対象の世界19カ国の中で最下位だった。
(出典:総合旅行サイト・エクスペディア・ジャパン 世界19ヶ国 有給休暇・国際比較調査2018)

ドイツにとって休暇は従業員のもつ平等な権利として認識されている。
業務内容を社内メンバーで共有したり、個人で業務を担当せずチームで担当するなど、休暇を取った従業員の業務を他のメンバーが補う体制が整えられている。
従業員は休みを取りやすくするために、早めに休暇予定をしっかりと立てておくのが一般的だ。

アジアの働き方事例

●タイ

タイでは、2003年にタイ政府が開発した働き方改革「WHP(Happy Workplace Program)」が注目されている。従業員のQOLや健康を促進するための8つのコンセプトだ。

○HWP 〜「Happy 8」と呼ばれる8つのコンセプト〜
1. Happy Body(心身ともに健康な体をつくる)
2. Happy Relax(リラックスする時間をもつ)
3. Happy Heart(親切心と思いやりをもつ)
4. Happy Soul(道徳心と信頼を培う)
5. Happy Brain(生涯学習を促進する)
6. Happy Money(適切なお金の管理方法を学ぶ)
7. Happy Family(従業員の家族にとっても幸せな環境をつくる)
8. Happy Society(充実した社会の実現および周りの人をいたわる)

HWP導入により、「欠勤率の下落」や「職務満足度の向上」などの成果が確認されており、離職率の低下にも大きな効果があると考えられている。

●ベトナム

ベトナムでは終身雇用制度がなく、複数の仕事を兼業するのが当たり前だ。
日本でいう個人事業主やフリーランスのような就業形態が多く、個人のスキルが重視されている。

2020年までにスタートアップ企業を100万社創出するというスローガンがあり、若者が多いベトナムでは毎年多数の若い起業家が誕生している。
ベトナム人は家族を大切にしており、仕事は「自分と家族が生きていくためのもの」と捉えている。

基本的に残業はせず、仕事は時間内に集中してこなし、後は家族との時間を楽しく過ごす。
会社選びは、やりがいや自分の適性よりも給与の良し悪しで決める人が多く、待遇の良い会社が見つかれば転職する人材も少なくない。

まとめ

日本生産性本部が公表した労働生産性の国際比較によると、日本の1時間あたりの労働生産性は、主要7カ国の中で最下位の状況が続いている。
日本政府は労働者の生産性向上を目的とした「働き方改革」を積極的に推進している。

働き方改革は日本だけではなく、アメリカや北欧、ドイツ、タイなど世界各地でもさまざまな取り組みが行われている。

インターネットを通じて短期・単発の仕事を請け負うギグ・エコノミーが浸透するアメリカ、仕事の効率性を高め労働時間を短くし、有給休暇を積極的に取得するヨーロッパ、自由度が高く多様な働き方が認められているタイやベトナム。

世界で取り組まれる働き方事例を参考に、今一度日本の働き方について考えていきたい。

参考リンク

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