健康経営の施策は何から始める?取り組みやすい事例をご紹介

2020.02.07 
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健康経営の施策は何から始める?取り組みやすい事例をご紹介

企業が従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営の重要性が見直されている。
しかし、何から始めればよいか悩んでいる企業も多いのではないだろうか。

この記事では、健康経営促進の施策を導入する際のポイントを解説し、健康経営推進に成功した企業の具体的な事例を紹介する。

目次

健康経営推進の施策を導入する際のポイント

健康経営推進の施策を導入する際のポイントについて、経済産業省が発表した「企業の健康経営ガイドブック」を参考にみていこう。

【健康経営推進の施策導入の際に気をつけるべき5つのポイント】
1.健康経営を企業経営の重要項目として位置づける
従業員の健康を経営課題として捉え、実行力を伴って健康経営に取り組むためにもっとも重要な点は、健康経営を企業経営の重要項目として位置づけることだ。

経営者自身が、企業経営の上で健康経営が重要であることを理解し、社内と社外に向けて自社が健康経営を企業経営の柱とすることを発信することがスタートになる。

具体的には、企業理念に健康経営を明文化し、従業員や投資家に向けメッセージとして伝えていく。
その理念を実現させるために、企業としてどのように行動していくかを示した行動指針に基づいた施策を実行するのである。

2.組織体制づくりをする
健康経営を推進し、実行していくためには、組織体制づくりも重要だ。

健康経営を成功させるためには、今まで以上に従業員の健康管理や健康増進に企業が密接にかかわっていく必要があり、それを実施できるだけの経験とスキルをもった組織が必要となるのである。

人材配置が可能であれば、専門に業務を行う部署を新たにつくるのが理想的だ。
リソースが困難な場合は、人事担当部社など関連性が深い部署に、健康経営の担当者を配置することになるであろう。

担当職員は、従業員の健康管理や健康増進に関する専門的な資格を持っていることが望ましい。
健康経営に関わる担当者に対する研修も重要である。

組織体制づくりは、企業側だけの問題ではない。
サポートを受ける側の従業員自身の参加や健康維持に対する行動が同時進行しなければ成り立たない。

健康経営が企業経営の重要項目であることを認識して、全社・全部門の従業員が参加・行動できるように、経営者と役職を持った人が、健康経営推進のための施策導入から運用にいたるまで継続して関わっていく体制を整える必要もある。

3.従業員の健康状態を把握
健康経営を企業経営の重要項目として位置づけることが決まり、組織体制づくりも固まれば、施策を実行する土台ができたことになる。

健康経営は、従業員の健康状態の実態の把握から具体的な施策へとすすめていく。
従業員の健康状態の把握は、健康経営を推進して運用していくうえで、非常に重要なベースになるのだ。

従業員の健康状態がわかるデータは、企業と健康保険組合などが保有しているデータを活用するとよい。
企業は従業員の定期健康診断のデータを保有し、人事関連部門は、長時間労働のデータを管理している。

それらのデータを分析することで、従業員の長時間労働と健康の関連性などの、実態を明らかにしていく事ができる。
部門や職場、業務内容によっても健康状態の差異があるかもしれない。
従業員の健康状態の把握によって従業員の現状分析ができ、その結果をもとに健康経営に向けての施策を検討できるのである。

4.施策の実行
従業員の健康状態の把握によって明らかになった従業員の現状を分析することで、それぞれの企業の健康経営の課題がでてくる。
課題解決に向けた計画・目標をたて、目標達成に向けて施策を実行するのである。

施策の代表的な例としては、喫煙ルールの策定、長時間労働の抑制、休暇取得の促進などがあげられる。
個々の従業員に対して、生活習慣改善のアドバイスを行う企業も出てきている。

5.施策の評価と改善の継続
健康経営の施策は、PDCAのフローにのって、スパイラルが継続していく事が重要だ。
そのためには、評価が重要なポイントになる。
健康経営の評価には、ストラクチャー(構造)・プロセス(過程)・アウトカム(成果)の 3 視点を持って評価し、更なる改善施策を検討し続けることが重要である。

健康経営をすでに取り入れている企業の事例

健康経営をすでに取り入れている企業の事例をみると、より具体的に施策がイメージできる。

【A社の取り組み】
A社では「運動」「禁煙」「食事」「睡眠」「健康診断」という5つのテーマで、健康経営に取り組んでいる。

運動や禁煙については、個人の力ではなかなか改善できない従業員に向けて、チャレンジ施策を企業が提案し、実際に卒煙した社員が出るなどの実績を上げている。

【B社の取り組み】
B社では、従業員自身の健康管理意欲を高める施策を実行している。ツールに、スマートフォンやeラーニング受講を採用し、定期健康診断の結果から従業員自身が課題を見つけ、行動を起こすことで、ポイントが付与される取り組みだ。

食生活を改善する取り組みでは、糖質量を制限することで社員の血糖値や血圧が改善し、疾病での休職者が0.1%減、メンタル疾患での休職者が0.2%減という結果につながった。

【C社の取り組み】
C社では、「健康管理」「メンタルヘルス対策」「健康増進」をテーマに、予防を中心にした施策を実施している。
具体的には食事、運動、禁煙のイベントを定期的に実施している。

その成果もあり、健康経営銘柄に4年間連続で選定され、過去5年間の転職的離職率も0%となっている。

【D社の取り組み】
D社は、企業上げての健康経営に成功している企業として有名で、「従業員の健康無くして、よいモノづくりはできない」という意味合いの理念を掲げている。

従業員の健康管理に対する意識は高く、健康経営の取組によって、長期休業者数や従業員1人当たりの休業日数を減少させている。

【E社の取り組み】
E社は、「生活習慣病」「メンタルヘルス」に注目した健康経営施策を実施している。

生活習慣病対策として、定期健康診断の結果による産業医や保険スタッフのアドバイスや、社内レストランではメニューを工夫して従業員に提供している。

メンタルヘルス対策としては、長時間労働が顕著な従業員に対し、人事や上席が面談を行うなどチェック制度を実施している。

また、傷病休職者の職場復帰に際しては、対象者に段階的な復帰支援プログラムを策定することで、復職1年後の出社継続率の改善につながっている。

まとめ

健康経営を推進・成功させるにためには、自社の現状を把握し、その分析から課題に適した取り組みをみつけることが重要である。
健康経営の推進に成功した企業の事例を参考にし、課題解決のための施策を検討・実行することで、健康経営の成功の第一歩となるだろう。
健康経営が企業経営の重要項目であることを認識し、全社・全部門の従業員が健康増進のため参加・行動できる施策を実施してほしい。

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参考リンク

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