人事に必要な「HRテクノロジー」はここまで進化した!変化するHRテクノロジー

2019.11.25 
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人事に必要な「HRテクノロジー」はここまで進化した!変化するHRテクノロジー

近年、人事領域におけるテクノロジーの取り組みが進み、「HR Tech(HRテック)」という言葉を耳にする機会が増えている。欧米をはじめとする海外の国々で盛り上がっているHRテクノロジーの波は、日本では2016年末から注目が高まり、現在は大手企業を中心に導入が進み、成功事例も増えている。

目次

HRテクノロジーの歴史

ここ数年でHRテクノロジーは日本でも知られるようになった。
以前より、人事分野で活用されているシステムは、給与や労務管理などが主であったが、クラウドサービスの普及や人材の多様化、ビッグデータを容易に分析できるテクノロジーなどの進化に伴い、その活用の幅を大きく広げている。

日本でも急速に広まりつつある理由

キーワードは、第4次産業革命。
HRテクノロジーが発展した背景には、国内の産業構造の変化があげられる。

これまでの日本では産業の主流は製造業であったが、現在ではサービス業がGDPの約75%を占めている。この産業構造の転換により、同一クオリティの大量生産が実現できることを求められた「製造業の時代」と異なり、製造業にもサービスという付加価値を付けて発展させていくことが当たり前の時代になった。

そのため、従来の効率化、という考え方から発展し、自ら考え変革を起こせる人材(イノベーション人材など)をいかに確保し育成するか、が経営課題になっている

一方で、働き方の多様化や雇用の流動化が進んでいる現在、これまでのような人事担当者の記憶や経験則にもとづく管理では対応が難しくなりつつあり、より人事に求められることは高度化している現状がある。
この解決をするのが、HRテクノロジーである。

HRテクノロジーの進化について

従来のHRテクノロジーは、定型業務を効率化することを目的とした、「採用実務のオペレーション化や給与計算・労務管理を行うための人事管理システム導入」であった。そこから発展を遂げて、「生産性向上のためのタスクマネジメントシステムや適材適所を実現するタレントマネジメントシステム」「現場において効果的にOJTを行うためのラーニングマネジメントシステム」などが登場している。

各企業におけるHRテクノロジーの導入・活用事例

○H社
個人の「生産性」および「配置フィット感」の意識を測る心理尺度構成と、その尺度構成を用いたサーベイを大学の学術指導を受け独自に開発。AIを用いて、サーベイで得た個人の意識とさまざまな人事・行動データを分析することで、一人ひとりの行動変革を促す課題抽出を行う。効果的かつ効率的な、より精度の高い人事施策の実行へとつなぐ取り組みが、高く評価された。

○C社
クラウドと動画を活用し、リモート環境でもまるで目の前にいるかのように双方向のやりとりができるOJT教育を実現。研修時間、トレーナーの人件費の削減に成功し、サービス産業のオペレーションを効率化した点が評価された。
また、その場にいなくても上司が部下を評価し、横同士のコミュニケーションもしっかりとれることから離職率の低下にも貢献しているといえる。

○S社
バーチャルヘルプデスクによる人事機能のパラダイムシフトと社員のエクスペリエンス(体験)向上を実現。問い合わせ内容や閲覧情報などの蓄積データを定点観測、分析するEinstein Analyticsなどを駆使。問い合わせそのものを減らし、社員がすぐに答えに辿りつけるような仕掛けが、社員のエンゲージメント向上にも寄与する点が評価された。

引用:日本最大級の人事ポータルサイト【HRpro】

会社全体と人事業務の生産性を高める

HRテクノロジーの導入は、人と組織の課題を解決し、企業の成長を前進させる大きな可能性を秘めている。
HRテクノロジーの導入で従来の人事・管理部門の業務がどう変わるかを、改めて整理しよう。

①『採用』業務
→採用活動の各プロセスデータを集め分析。集めた正確なデータを資料化、それをもとに、より効果的な採用戦略を練ることが可能となる。

②『研修・教育』
→人材育成・社員研修は、その社員の環境によりばらつきが出てはならない。常に一定レベルの教育を確保できるHRテクノロジーにより人材育成を効果的に行うことができる。

③『人事企画』
→社員のキャリアや志向をデータ化し、配属先の上司との相性なども調べることで、どこに誰を配置すればよいのか、後任を誰にすべきかなどを客観的に判断できる。

④『評価』
→テクノロジーによる客観的な評価により、公平さや透明性が得られる。リアルタイムな評価を行うことで社員のモチベーションを向上させる効果も。

⑤『勤怠管理』『給与計算』業務
→アウトソースや専用システムの活用でほとんどの企業ですでに効率化されていたが、最近ではRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、定型業務の自動化も進んでいる。

⑥『入退社手続き』『年末調整』などの労務業務
→煩雑で手間がかかり、手書きで記入するなどアナログな方法で行っている企業が少なくないため、HRテクノロジーを利用すれば、従業員情報の転記などの二度手間が必要なくなり、業務を大幅効率化できる。

これらのHRテクノロジー導入効果により、人事の仕事はより戦略的な「人材マネジメント」へとシフトできるようになるのではないだろうか。

まとめ

人事領域におけるテクノロジーの取り組みHRテクノロジーの波は、日本では2016年末から注目が高まり、現在は大手企業を中心に導入が進み、成功事例も増えている。

従来のHRテクノロジーは、定型業務を効率化することを目的とした単純なシステム化であった。そこから発展を遂げてAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)といった新たな技術を活用することで、人事の仕事をさらに効率化することができるようになった。

HRテクノロジーの導入は、人と組織の課題を解決し、企業の成長を前進させる大きな可能性を秘めているが、テクノロジーはあくまで「ツール」であり、重要なことはテクノロジーを「どの様に活用していくか」である。

人事の仕事を、企業全体の業績にも影響を及ぼす「人材マネジメント」へとシフトするために、進化したHRテクノロジーを活用してほしい。

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参考リンク

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