HRテックの市場規模はどこまで広がる?HRテックの最新情報

2019.07.24 
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HRテックの市場規模はどこまで広がる?HRテックの最新情報

近年は、日本でも海外でもHRテック市場が急速に拡大している。
国内においても採用、タレントマネジメント、離職対策、エンゲージメントほか幅広い分野において、次々と革新的な新サービスが登場。

本記事では、2019年前半時点でのHRテック市場の動向や最新情報をお伝えする。

目次

HRテックの市場規模について

日本国内のHRテックのクラウド市場は2015年度には77億円の規模だったものの、2017年度には約179.5億円まで成長、2018年度は250.8億円、2023年度には1000億円に到達すると予測されている。

急速に伸びている市場で、世界のHRテック市場規模は140億ドル、つまり約1兆5400億円という巨大なマーケットだ(米国のCB Insights社の調査)。

欧米と比較すると提供しているサービスの種類が少なく、HRテックを導入する企業の数もまだそれほど多くない日本の市場は、今後の伸びしろが大きい、成長市場だと言える。

HRテックが活用されている領域

HRテックが活用されている領域は以下の3つ

1. 人事業務のデータ化・一元管理
社員一人一人のスキルや属性、異動歴、研修履歴、人事評価、勤怠などの人事業務に関するさまざまな情報をデータ化し一元管理できる。

2. 業務の効率化
IT技術によりオペレーションのノウハウを人事管理業務全般に波及させることに成功。人事関連のオペレーション業務の効率化が一層進んだ。

3. 分析したデータの人事施策への活用
ビッグデータを解析する技術が発達したことで、社員の行動データを収集分析することができる。その分析結果をさまざまな人事施策に活用することが可能になった。

HRテックの導入によって期待できる効果

1. 人材の確保・育成
ソーシャルメディアを通した人材獲得や、AIのリコメンデーションを活用した、効率的な面接による候補者の絞り込みで採用業務の負担を軽減できる。
社員のスキルデータを基に必要とされる研修を選別し、セミナーの受講やe-ラーニングの配信など、人材育成での活用も期待できる。

2. データ分析による人材・組織開発
人事データ分析による評価制度の適正化。分析したデータからのシミュレーションで適材適所な人材配置や外部からの採用によって、組織開発や業績向上に効果が発揮できる

3. 人材の流出の防止
組織の現状を可視化することで従業員のエンゲージメント向上をサポートし、人材の流出を防ぐことができる。社員の行動データから離職しそうな社員を見つけ出し必要な対策を講じるなどの施策で離職率の改善に役立つ。雇用形態や属性などに適応した、社員が「働きやすい」と思える人事制度や福利厚生の整備にも活用できる。

HRテックが注目を集める理由

近年、日本の求人マーケットは、若年層人口の減少により売り手市場になっている。多くの企業は優秀な人材の採用、リテンションに苦戦している。また、グローバル化により、国内だけでなく海外拠点まで統合した人材マネジメントを行う必要がある企業も増えている。

さらに、近年の働き方改革の推進により、残業時間や従業員のメンタルヘルス管理をより徹底する必要があるほか、ワークライフバランスを考慮した働き方にも対応していかなければならない。人事部門の抱えているさまざまな課題を解決するツールとして、HRテックに期待が高まっている。

海外でも、HR領域の課題を解決するテクノロジーへの期待は高く、近年の米国では巨大なリスクマネーがHRテクノロジー系のスタートアップ企業に集まっている。その中から、企業価値が10億ドル(1000億円)を超える、いわゆる「ユニコーン企業」も生まれている。

日本でもタレントマネジメント領域でトップシェアを誇るK社が、2019年3月に東証マザーズに上場。公開価格の約2倍である3970円で初値を付け、業界内外から注目を集めた。

HRテックの海外注目サービス

HRテック市場では、約6割を米国企業が占めているが、イギリス、カナダ、インドなどもHRテック先進国であり、いろいろなサービスが提供されている。ここでは、海外の注目HRテックサービスを紹介しよう。

・W社(アメリカ)
人事領域から財務領域まで一つのプラットフォームで分析できるソリューションシステム。日本を代表する大手グローバル企業も導入。

・B社(イギリス):
採用にCRMの概念を導入し、採用候補者を顧客として捉え、コミュニケーションをとることで優秀な人材の採用に結びつけるサービス。

・B社(カナダ):
従業員がオンライン上で支援したいチャリティやボランティア活動に寄付をすると、寄付金控除が認められるプラットフォーム。CSR活動への啓発とともに従業員エンゲージメント向上を目指したサービス。米国大手IT企業も活用。

・S社(インド):
従業員の行動分析データをもとに、組織の生産性や従業員エンゲージメントを向上させるシステム。世界12か国70社以上のクライアントをもつ。

まとめ

HRテックは、業務の効率化、離職防止、従業員エンゲージメント向上ほかさまざまな人材マネジメント上の課題を解決できるツールとして期待されている。

今後は、いかに優良なHRテックサービスを選択し活用していくかが、企業の人材マネジメントにはもちろん、競争力の差にも繋がっていくだろう。

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参考リンク

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