従業員満足度(ES)が高い企業が実践している具体的な施策とは?

2019.03.06 
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労働力人口の大幅な減少が予想される日本において、AIやRPAの導入などと言っても、やはり「人」の生み出す価値は計り知れない。
いかにして従業員を確保できるか、そして、いかにして従業員に長く働いてもらうかは、企業存続の生命線と言える。
そのため各企業において、従業員のエンゲージメント向上への重要指標として『従業員満足度』はより重視されることになるだろう。

今回は『従業員満足度』を高いレベルで維持している企業の特徴から、企業が取り入れるべき観点を考えていく。

従業員満足度とは?

まずは、言葉の意味を確認しよう。

『従業員満足度』とは文字通り、従業員の満足度を表す指標のことだ。Employee Satisfactionを略して、「ES」とも呼ばれる。
このESに影響を及ぼすと考えられる項目はいくつかあるが、
主なものでは、
・企業ビジョンへの共感
・企業の成長度合い
・自身の仕事の内容や、仕事が社会に与える影響度合い
・業務を行う仲間や取引先などとの関係性
・仕事場の環境
・報酬や福利厚生といった待遇面
などが考えられる。

このような項目において、従業員の方々が満足のいく状態を形成できているかを“定量的に数値化”したものが、『従業員満足度』となる。
多くの会社では、年間で決まった時期に調査を行うことで、企業運営の健康診断として活用されている。

従業員満足度が上がるメリット

『従業員満足度』が上がるということは、従業員の士気向上の度合いを確認できるだけではなく、社内/社外に多くの影響を与える。

主なものは以下の通りだ。
・従業員はやらされ仕事に感じず、自律的に働くようになり、生産性が向上する。
・社外からの企業評判もよくなり、採用活動への好影響が期待できる。
・自社への愛着や帰属意識が増すことで、顧客への対応レベルが上がる。

このように従業員の満足が、次の仕事へのやる気にもつながっていく。そのやる気は社外へも伝わり、新たな価値を生む。

とくに、年々厳しさを増す「社員採用」には、社外からの応募への好影響はもちろん近年注目されつつある「従業員からの紹介(リファーラル採用)」の増加にもつながり、「従業員満足度」が欠かせない指標となっている。

従業員満足度が高い企業と低い企業の特徴

では、「従業員満足」が高い企業と、低い企業ではどのような差があるのだろうか。
満足度が高い企業の従業員には以下のような特徴がある。

【「自分ごと」で仕事を捉えることができる】
「仕事のやり方が受け身で困っている」などという声は、企業経営者や人事担当者からよく聞くこと言葉だが、従業員満足度の高い企業の特徴として「当事者意識」が強いことが挙げられる。
この場合、企業のビジョンや仕事内容への共感度も高いため、「自分ごと」として物事を考え、与えられた役割以上の業務をはたしてくれることもある。
結果、業績や生産性向上につながる。

【企業理念への共感度が高い】
企業活動において、従業員の理念共有は大きな課題だ。「誰にどのような想いで事業活動を行っているか」が重要となる。
そしてこの浸透度合いこそが、従業員一人ひとりが担当業務に対して「何が足りていないか」「もっとできることはないか」といった意識を引き出す。
また、このような意識を持った従業員が増えることで、社内への一体感が生まれ、意思疎通も図りやすくなる。現場レベルでも、よりスピーディーな判断ができるようになる。

【コミュニケーションが活性化されている】
従業員満足度の高い企業では、職場内におけるコミュニケーションが活性化されていることも特徴だ。従業員間の業務目的や達成目標の浸透も早いため、お互いにフォローしあって業務に取り組む意識が強くなる。
その結果、自然と業務の改善も行われるようになり、ミスやムダの削減へとつながる。

一方、従業員満足度が高い企業でないと業務は円滑に進まないというわけでもない。実際は多くの企業で、日々課題を抱えながらも、一定の成果を出している場合がある。ただ、従業員満足度がより高い組織のほうが、士気や生産性高く運営が行われている実態がある。

では、従業員満足度の低い企業の特徴にはどのようなものがあるのだろうか。一例を紹介しよう。

【従業員が自分の目標を短期的で狭い範囲で設定してしまっている】
短期的で狭い範囲で目標設定し、その範囲で業務を行うと、中期的な視点で全体最適を考える発想に繋がらず、改善意識や新たな発想が生まれにくくなる。変化に対応できにくくなり、変化に対応が必要な企業はマイナスに作用する。

【コミュニケーション不足による組織の疲弊感】
仕事へのモチベーションも下がっている状態にある時には、従業員のネガティブ思考が強くなっていることが考えられる。「誰かに何かを言われることが嫌」「お互いに何を考えているかわからない」といった負の循環が生まれやすくなる状態だ。
その結果、従業員間のコミュニケーションが減り、活気のない状態となる。

このような状態に陥らないために、企業は従業員満足度を下げている要因を正しく掴み、その課題にアプローチしていくことが必要だ。

従業員満足度の調査方法

ここまで従業員満足度がもたらす影響をお話してきたが、従業員満足度を知るためには、定期的な調査を実施することが必要だ。
この把握に失敗している企業の中には、従業員満足度調査を一過性のものと捉えて、継続的な調査を行わないといった特徴がある。
1年や2年で、すぐには結果が出ない場合が多いため、計画的で継続的な調査がお勧めだ。

自社で従業員満足度を把握するためにはアンケート調査が一般的だが、単に「現在の会社への満足度」だけを確認していればよいというわけではない。
とくに必要な観点を以下に列挙する。

□調査目的の明確化
この調査の結果、回答によって自分に何かが降りかかるとネガティブなイメージを持たれてしまわれては、正確な状況把握ができない。
もちろん経営陣への集計の報告は行うと思うが、それを主目的として説明するのではなく、従業員の満足度向上に向けた改善や施策を打ち出すことを主目的とすることを従業員に明示し、調査をおこなう。

□従業員満足度を把握するのに調査すべき重要項目5つ
従業員の満足に影響する項目はさまざまなものがあるが、質問を複雑にしすぎると、企業側、従業員側ともに状況把握が複雑となる。

・企業ビジョンへの共感度
・会社への満足度
・仕事への満足度
・職場への満足度
・福利厚生や給与面など処遇への満足度
これらの観点で質問を構成するとよい。

□計画的かつ定期的におこなう
1回だけの調査で全てを解決しようとしても、それが出来ないケースが多くある。
それは、調査自体はあくまでも現状課題を特定する手段だけであって、その結果をどう活用していくかということが、調査実施と同じくらい重要であるからだ。
そのためには定期的な調査実施と考課測定を行うことが大切だ。
また、調査時期が毎年ずれると、業務の波によって調査結果が変動することもある。次の観点は大切に調査を設計しよう。

・従業員満足度調査を実施することの告知
・毎年同じ時期の実施
・調査後の動き

とくに、「調査後の動き」については、分析・報告で終わってしまうことが大半だ。しかし、それでは解決にはつながらない。ますます従業員満足を下げる状況となる。
大事なのは結果を踏まえて課題に対しての対処・改善をしていくことだ。
多くの企業は課題の把握はできているものの、そこからの改善施策の実施フェーズで足踏みをしているケースが多いようだ。

従業員満足度を上げるために

従業員満足度を上げるために制度導入などで充実をはかることも大切だが、日々の業務における改善も欠かせない。
最後に、チェックすべきポイントを列挙する。

□企業ビジョンの徹底的な共有
□目標の見える化
□メンバーと上長が本気で語り合えるコミュニケーション機会の創出
□多様なメンバーが働きやすい環境づくり

今後、従業員満足度の向上は、ますます重要な「経営課題」となっていく。
従業員満足度の向上を図る対策をしていくことが、企業が生き残るためには欠かすことができない。従業員満足度を上げるための施策にぜひ取り組んでいこう。

参考リンク

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