帰属意識とは?会社への帰属意識を高める方法と具体的な施策とは

2019.01.29 
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少子高齢化による人材不足が進む中、人材確保のために注目されているのが、従業員の会社への帰属意識の向上だ。今回は、帰属意識の意味と、帰属意識が高いといわれている会社が取り組んだ具体的な施策を紹介する。

帰属意識とは?

帰属意識とは元々は心理学の用語だ。
ある集団の一員である、その集団に所属している感覚、意識のことを帰属意識と言う。
この言葉の使い方は「帰属意識がある/ない」あるいは「帰属意識が高い/低い」といった表現で表される。

所属する集団の単位は大きなものから小さなものまでが対象となり得る。
例えば国籍、出身地域、宗教や思想、一族としての血縁関係や家族、特定の団体、自治体、コミュニティー、あるいは自分の務める企業のメンバーであることなども含まれる。

帰属意識が及ぼす影響

帰属意識が低くなるとそのグループの中で居場所がないと感じたり、積極的な帰属意識の欠落はグループに対する興味の喪失を意味する。
帰属意識が高くなるとそのグループに対する興味が大きくなり、グループに対する貢献の意識やそのグループに所属していることでの自尊心といったものも高まる。

グループの単位が小さくなると帰属意識が高まる

グループの単位が小さくなればなるほど親密感が向上し一体感はより強力なものになる傾向がある。
例えば私たちが日本人であることよりも、同郷であったり、同じ学校の出身であることが分かったり、慣れ親しんだ郷土料理の味について話す時の方が帰属感を強く感じ、親密感がぐっと高まる、という経験をした方も多いのではないだろうか。

帰属意識はバランスが重要

帰属意識が高くなりすぎると、場合によっては人それぞれの価値観があることを見失い、他のメンバーに対して束縛的になったり何かを強要したりする傾向が出てくるので過度に帰属意識が高い、あるいは低いのは好ましいことではない。

企業が従業員の帰属意識に着目する理由

帰属意識は本来グループに所属するメンバーに自然に醸成されるものであるが、リーダーが魅力的であったり、そのグループに所属することでの安心感、安全感やその他のメリットが感じられれば、メンバーは積極的にそのグループに関わりたいと思うようになり、またグループの存続や繁栄を望むようになる。

この心の動き、帰属意識は企業と従業員の間においても当てはまり、企業にとっては非常に重要なものである。企業が従業員の帰属意識に着目する理由はここにあるのだ。

日本における終身雇用制度がすでに過去のものとなりつつある現在の状況の中では、ただでさえ帰属意識は希薄になりがちであり、帰属意識が低ければ従業員は職場に自分の居場所がないと感じたり、自分の仕事への興味を失い、離職していくことにもつながる可能性がある。

これは社員の能力に関わらず起こることで、たとえ有能な能力の高い社員であっても自分の勤める企業に対して魅力的と思えなければ帰属意識は下がり、やがて自分がより所属したいと思う企業への転職を望むようになる。

社員の離職は企業にとって大きな痛手だ。実際の職務でその社員によってもたらされる利益が失われることもさることながら、それまでの採用コストや、教育にかけた費用は入社3年目までの育成期間中の社員の場合1500万円前後になると考えられている。

また現在の労働人口減少による人手不足の中、新しい人材を採用することが非常に難しくなっている状況下において離職は企業としてなんとしても避けたいものである。
従業員の帰属意識を高めるための施策は、会社経営にとって非常に重要な課題のひとつなのだ。

従業員の会社への帰属意識を高めるには、「会社への帰属意識がないのはどうして問題なのか?社員のモチベーションをあげる方法とは?」でも詳しく説明している。
人材の流出を防ぎたい人事担当者の方はぜひ参考にしてほしい。

帰属意識を高める方法と具体的な施策

従業員の帰属意識を高める取り組みは昨今の企業にとって非常に重要な課題である。
帰属意識が高いといわれている会社が取り組んだ具体的な施策を紹介しよう。

1.グループ会社R

グループ会社Rはその企業文化により従業員やOBの帰属意識が高いことで知られている。
具体的な施策というよりもむしろ理念が従業員に浸透していること、つまりインターナルブランディングの成功が大きな要因となっている。

グループ会社Rには個を尊重する文化があり、従業員は徹底的に自分で考えることを教えられる。
また同時に起業家精神を育てる文化があり、従業員が独立することに対しても寛容でむしろ独立後にも協力関係をうまく築いている点が特筆に値する。
そのためグループ会社R出身者のことをR OBと呼び、独立後も盛んに交流が保たれているのが興味深い。
会社を辞めてもなお帰属意識を保っているのだ。

通常企業は離職や独立を背徳行為のように捉え歓迎しないものだが、グループ会社Rはむしろ仲間の起業を応援するような土壌がある。

2.お菓子メーカーR社

福利厚生を充実させたり、社内報の内容を充実させるなどの方法で帰属意識高めた企業もある。

北海道の菓子メーカーR社では、自由に設定したテーマで毎日全社員から一人一情報を募り、その中から80の情報をピックアップし社長自らがコメントを添えたものが社内報として毎日発行されている。
社内報は10ページにもわたるがこの社内報を毎日読んでいる従業員は、互いに面識がなくても実際に会った時、初めて会った気がしないのだそうだ。

この様子は2018年1月14日のTBSのテレビ番組「がっちりマンデー!!」でも紹介されている。
<ほぼ日の糸井社長が気になる老舗お菓子メーカーの秘密!?>

まとめ

帰属意識を高めるためのアイデアをどれだけ自由な発想で打ち出せるか。
中には費用がかかるものもあれば、さほど費用をかけずに実行できるものもある。

帰属意識は人がその環境に慣れ親しむことで醸成されるものだ。各企業によって取り組みやすいところから、少しずつでも従業員が会社への帰属感を感じられる施策を実施していくのが先決なのかもしれない。

参考リンク

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