生産性向上を実現するHRテックとは?具体的な成功例をご紹介

2019.06.27 
75

現在、企業を取り巻く環境の変化や人材の多様化などにより、以前よりも人事部に求められることが高度化している。そもそも人事業務は属人的になることが多く、今でも限られたリソースで回していくので精一杯だ。

そこで活用したいのがHRテクノロジー(ヒューマン・リソース×テクノロジー)である。

この記事ではHRテクノロジーの活用メリットや方法、実際の導入事例や導入の流れについても説明している。是非、人事業務の強化のためにHRテクノロジーの活用の参考にしていただきたい。

HRテクノロジーとは?

HRテクノロジーとは、AI(人工知能)、ビックデータ、loTやクラウドをなど最先端のITを使い、採用、評価、管理、教育などを行う手法である。活用することで人事業務を効率化し、生産性を高めるというものだ。

HRテクノロジーは各種人事業務ごとに様々なものが存在するため、人材育成、人事評価などの人事業務における課題に対して、どう改善したいかを明確にし、その目的に応じて最適なものを選ぶとよい。

HRテクノロジーを活用するメリット

次に、HRテクノロジーの活用で得られるメリットを紹介する。

①業務の効率化
まず挙げられるのが、HRテクノロジーを活用する大きな目的でもある業務効率化だ。人事は多くのルーティング業務を抱えていたが、その業務にテクノロジーを活用することで、人事が行っていた定型業務を減らし、業務効率化に大きく貢献できるようになる。

勤怠管理シーンにおいては、出社時と退社時にカードをかざす一般的な管理方法から、最近ではさまざまな打刻方法(ICカード、GPS、LINE)で管理するHRテクノロジーの活用による管理方法が登場している。勤怠状況によって打刻方法を選択でき、多様化する働き方にも対応できる。

また、勤怠データはリアルタイムで集計され、給与計算システムとの連携も可能なため、手作業に頼っていた給与計算、税金、保険料、年末調整等の業務を自動化でき、作業の「手間」を省くことができる。

②人事データの可視化、一元管理HRテクノロジーを活用することで人材を見える化できるようになる。
従業員一人ひとりの働き方やスキルといった膨大な情報を、より詳細な項目までデータとして蓄積、一元管理、分析を行うことにより正確な現状把握と課題発見、将来予測が可能になり、人事業務の改善を実現する。

また、採用や人事評価の際には、評価する人間の経験や記憶によって評価内容にゆがみが出る可能性があるが、HRテクノロジーの活用で不必要なゆがみを排除したデータに基づいた公平な判断が可能となる。

働き方や個性が多様化する中、画一的な研修のみでは限界が感じられるようになった人材開発において、それぞれの人に合った研修の提案も可能になるのだ。

人事業務におけるHRテクノロジーの活用

それでは具体的なHRテクノロジーの活用方法について見てみよう。人事業務には大きく分けて下記の10分野があると考えられ、それぞれに合ったテクノロジーがある。

①人材の採用業務
②企業全体の戦略に合わせた人材育成
③企業に対してのエンゲージメント対策
④社員の離職の防止策
⑤人事異動・配置転換
⑥人材の開発業務
⑦社員の心身の健康維持
⑧リモートワークなどの働き方改革
⑨企業全体の業務効率化
⑩社内コミュニケーションの活性化対策

この中で、人事業務の中でも代表的な①人材の採用業務について詳しく見てみたい。採用はどの企業でも力をいれているが、人力で時間をかけて多数の応募者の選考を行っても、応募者が集まらない、思うような人材を採用できないなど、成果を出せていないのが現状だ。このような状況でHRテクノロジーを活用すると、多様な採用が可能になる。

例えば、採用向けのテクノロジーでは、AIによって企業と応募者をマッチングさせるサービスが注目されている。また、スマートフォンにも適した採用ホームページを簡単に作成出来るサービスや、エントリーシートから志望度を診断するサービスなども出てきた。その他にも、多くのサービスが日々開発されている。次々と登場する新しいテクノロジーを駆使することで、自社に必要な人材をより的確に見極め獲得することが可能となる。

HRテクノロジーを導入している企業の事例

ここでは、HRテクノロジーを活用している株式会社H社の事例を紹介しよう。

日立製作所は近年、これまでに培ってきたエネルギー、産業・流通、金融・公共といった社会インフラの技術と、AIやビッグデータの活用といった最先端のITを組み合わせた事業に力を入れている。このような事業を展開するにあたり、人事面では「創造性の高い人材」を求めていた。

次に、社内のハイパフォーマーについて、システムで性格や適性を分析。その内容や従業員へのインタビューなどから、選考プロセス、採用基準を一新した。そのおかげで、2017年には求めていた、創造性の高い人材を多く採用することに成功する。

このように、日立製作所はHRテクノロジーを活用し、従業員のデータ分析によって、求める人材の獲得を実現したのだ。

HRテクノロジーを導入する流れ

ここまでHRテクノロジーのメリットや活用方法、実際の導入事例などを紹介してきた。それでは実際にHRテクノロジーを導入するためには、どのような流れで進めていけばいいのだろうか。

①課題の把握
まずは前述したように、人事業務の中でどの分野に課題があるのか、どの課題から取り組んでいくのかを明確にしよう。

②課題解決に向けたデータ収集
HRテクノロジーは、AIに学習をさせるなど、大量のデータを必要とすることが多い。またどんな質のものをシステムに与えていくのかも重要で、統計リテラシーの高い人材を中心に、データ収集の方法を今一度見直してみる必要があるだろう。

③情報システム部門や経営層を巻き込む
多くの場合、人事部主導でHRテクノロジーを導入することになるが、そのメリットを社内のキーパーソンに理解してもらうように努めよう。HRテクノロジーの活用によって人事業務では科学的根拠を元にした判断が可能になり、人という貴重なリソースの強化につなげられる。こういった企業としての新しいメリットを社内の情報システム部門や経営層に理解してもらうことも大切だ。

④サービスを選定する
次に行うのは具体的なサービスの選定だ。国内だけでも人事向けのITサービスを提供する企業は数多くあり、選定は容易にはいかないだろう。そのためには普段から、IT系のイベントに足を運ぶ、競合他社のシステム導入事例を調べる、取引のあるITベンダーにトレンドを教えてもらうなど、アンテナを張っておくことが必要だ。

まとめ

人事業務を効率化し、生産性を向上させることの出来るHRテクノロジー。今では従業員のデータ活用や注目のAIなど、多くのサービスが世の中に溢れている。また実際にHRテクノロジーを活用し、人事業務の改善に成功する企業も増えてきた。

貴重なリソースである人に関する業務を行う人事部。HRテクノロジーの活用によって、人事が行っていた定型業務を減らし生産性を向上させるだけではなく、蓄積した人事データの分析による科学的根拠を元に、企業の成長のために必要な人財を育て、獲得する「戦略人事」が求められている。

参考リンク

関連記事

close
資料ダウンロード 健康経営に関する意識調査レポート 2018-2019 「働きがい」の源泉とは何か? 無料 資料ダウンロードする