従業員満足度とは?満足度向上のために必要な施策や具体的な事例をご紹介

2019.06.21 
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従業員満足度(ES)とは?

従業員満足度とは、Employee Satisfactionと英語で表現するので略してESと言われることもある。意味は文字どおり従業員が自分の務める会社にどれだけ満足しているか、その度合いを表すものである。

従業員満足度を左右する要素や、従業員が会社に対して求めているものは、給与などの待遇面以外にも福利厚生や職場の環境、やりがい、会社や上司のマネジメント力などが挙げられる。

それぞれの面で従業員がどの程度満足感を感じているかを知るためにはアンケートや調査の実施が一般的だろう。調査は1度実施すればよいというものではなく、定期的に、かつ具体的な目的を持って調査をすることで、会社の方針や事業計画の方向性に対して従業員が抱いている感情や満足度とその傾向について知ることが重要である。

従業員満足度が高ければ、それ分離職率は低下し、仕事に取り組む姿勢が前向きになることから、企業にとって従業員満足度を高めることは重要な課題と言える。

従業員満足度に関する日本国内での取り組み

日本の企業が従業員満足度に着目し始めたのは比較的最近のことで、それまでは企業としてその価値を高める、あるいは業績を上げるためには顧客満足度を向上させることが最優先とされてきた。

しかし、ここ数年で顧客満足度を優先させるあまり従業員に負荷がかかり、モチベーションが低下するなどの傾向がわかってきた。逆に従業員満足度が上がると、従業員の会社に対する愛着心やロイヤルティが高まることから顧客満足度も向上する。

政府の働き方改革の施策と相まって、近年は従業員満足度を高めるための取り組みに力を入れる企業も多くなってきた。ただし、従業員満足度を上げる取り組みにはそれなりの資金も必要となることから今のところ大きく目立った取り組みは大手企業が中心となっている。

従業員満足度はなぜ重要なのか?

従業員満足度が重要なのは、従業員のモチベーションに大きく影響することが理由として挙げられる。

労働人口減少の一途を辿る日本において、従業員は企業にとって非常に重要なリソースである。いかに従業員がその能力を発揮できる環境を作れるか、人材を活用することができるかどうかが今後の企業の業績やあり方を大きく左右する。

従業員満足度が上がれば離職率を下げることができるが、逆に離職率が高くどんどん人が辞めていくような職場ではその度に従業員のモチベーションも下がることが多いだろう。

企業が気をつけなければならないのは人材が辞めるということだけではない。離職する従業員が多ければ対外的な企業イメージも低下する。

これまで企業イメージといったものは企業側が主導するプロモーションにより作られてきた。しかしインターネットやスマートフォンなどが普及した現在、個々人が発信する情報、口コミや評判といったものもまた大きな力を持つ時代になった。

離職する従業員が多ければ働きにくい職場であることはすぐに世間の知るところとなる。それは企業イメージの低下だけでなく、将来の企業を担う人材の採用にも大きく影響する。

ただでさえ労働人口が少なくなりよい人材の採用が難しくなっている中で、これは企業にとって大きなデメリットとなる。例えば、入社3年以内の従業員の離職率が3割以上になってくると企業イメージが著しくダウンする。

企業の中で顧客満足度の手前に従業員満足度の優先順位が上がってきた理由はここにある。

従業員満足度アップ施策の具体例

従業員満足度を上げるために従業員のライフステージの変化があっても働ける環境を作ったり、あるいは従業員がやりがいを感じられるような表彰制度を導入したり、福利厚生を充実させたり、従業員の自主性に任せたプロジェクトを事業化する制度を設けたり、それぞれの企業が工夫を凝らしている。

Googleの事例
従業員満足度の高い会社のランキングで常時トップに君臨するGoogleでは福利厚生の面で、1日2食の食事のほか、カフェテリアでは飲み物や軽食が1日中無料で提供される。
その他にもオフィスの規模によるがクリニックやエクササイズジムのほか、ATM、自転車の修理、車の洗車とオイル交換、クリーニングのサービスが提供されている。

Googleではこのような福利厚生のほかに、毎週1回世界中の全社員がオンラインで参加できる経営陣との会議が設けられていて、事業に関する最新の情報を全員が直接経営陣から直接受け取ることができ、誰でも直接質問や意見をすることができる。
トップダウンで情報がもたらされるタイムラグによるストレスがなく、最新の情報がフラットに伝わる仕組みになっている。

楽天株式会社の事例
日本企業で従業員満足度を上げるために積極的に取り組んでいる企業の一つに楽天株式会社が挙げられる。
楽天は2015年9月に本社ビルを二子玉川に移転し、楽天クリムゾンハウスと呼ばれる本社ビルに大部分のオフィスを集約したことで知られる。このことで部門をまたいでのプロジェクト会議や打ち合わせの際のオフィス間の移動時間や手間が大幅に削減された。

楽天クリムゾンハウスでは2カ所のカフェテリアで食事が3食無料で提供される。
従業員のダイバーシティへの配慮も万全で、食事はベジタリアン用や宗教や地域の特性に対応するためにハラールの食事なども用意されている。

ジムやマッサージ、クリーニング、ヘアサロンといったサービスもオフィス内で提供されていて、従業員が働きやすい環境が整えられている。
また創業以来の週1回の全社員ミーティング「朝会」が行われ、全社員の意識統一や成功事例の共有が行われている。

従業員満足度向上で得られる効果

上記で紹介した取り組み以外にも終業時刻を早めた企業や、社内でプロジェクトのアイデアを出すたびに1件につき報酬が支払われる制度を設けている企業、産休の際の給与を100%保証する企業など、従業員が働きやすい環境を作り従業員満足度を上げるための魅力的な取り組みがある。
これらの取り組みにより従業員満足度が向上することで得られる効果を端的にまとめると下記のようになる。

・ 働きやすい環境による従業員の心理的安全感が増す
・ 従業員から企業への信頼感の高まり
・ 個人のパフォーマンス向上
・ 離職率の低下

まとめ

・従業員満足度とは、従業員が自分の務める会社にどれだけ満足しているか、その度合いを表すものである。従業員満足度を左右する要素は給与などの待遇面以外にも福利厚生や職場の環境、やりがいや会社や上司のマネジメント力などが挙げられる。

・従業員満足度が上がれば仕事に取り組む姿勢は前向きになり離職率が下がる。逆に従業員満足度が低く、どんどん人が辞めていくような離職率の高い職場では従業員のモチベーションも下がり、対外的な企業イメージも低下する。

・従業員満足度が向上することで得られる効果は「働きやすい環境による従業員の心理的安全感が増す」「従業員から企業への信頼感の高まる」「個人のパフォーマンス向上」「離職率の低下」であることから、企業にとって従業員満足度を高めることは重要な課題となっている。

参考リンク

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