従業員エンゲージメントの意味とは?エンゲージメントを高めるために人事にできること

2018.10.23 
2,210

人事におけるエンゲージメントとは、企業と従業員の相互が理解を深め、従業員が企業に対して愛着を持っている状態のことであり、企業経営・運営のために従業員が自発的に行動を起こすような関係性のことをいう。

エンゲージメントは元々マーケティングの用語であり、企業と顧客の関係、繋がりを意味するものであったが、それを企業が従業員との関係性に取り入れたものである。

従業員エンゲージメントは、単純に従業員のロイヤルティや帰属意識を高めるだけでなく、個人と組織の成長の方向性が連動していることにより、
個人の成長=組織の成長
につながると考えられる。

この記事では、従業員エンゲージメントの重要性とエンゲージメントを向上させる要素について解説する。

従業員エンゲージメントが注目される理由

企業の働き方改革が進む中で、以前と比較すると「人」の働き方が大きく変わっている。

これまでのような終身雇用や年功序列といった長期的にキャリアを形成する型から、成果報酬や成果主義といった、短期的なキャリア形成が求められるようになった。その中で、よりよい職場や環境を求める動きが活発になっている。

よりよい職場や待遇への人材の動きが活発化するということは、優秀な人材ほど常に自分が成長できる環境を求め転職していく傾向が高くなり、企業経営の上で痛手を負うケースが少なくない。このような状況から現在注目されている動きが「エンゲージメント」である。

エンゲージメントを高めることは、離職率を下げるだけでなく、社員一人ひとりのパフォーマンスを向上させ企業の生産性向上にも貢献する。深刻な人材の不足などの労働環境の過渡期にある日本企業において、従業員エンゲージメントの向上は重要な課題と言えるだろう。

エンゲージメントを高める要素の定義とは

毎年世界の1,000社以上、800万人以上の従業員のエンゲージメント調査をしているアメリカのAon Hewitt社の調査によると、2011年から2018年までの世界的な従業員エンゲージメントは、一番低かった2012年の58%以降、2018年までの間に65%に向上している。

これはアジア、アフリカの経済の活況により、その地域では特に企業が人に投資し、従業員に対して、より多くのチャンスを提供する傾向にあることから来るものと思われる。

Aonはエンゲージメントを高めるための要素として下記の項目を挙げている。

仕事あるいは職場環境の基盤に関して

1.基本的な安全が保たれているか
2.リスク管理がされているか
3.仕事にどの程度満足しているか
4.どの程度権限を与えられているか
5.ワークライフバランスが取れているか

企業の従業員個人に対する正しい理解と評価

1.従業員個人としてのリーダーシップがどれくらいあるか
2.従業員個人が顧客やチームに対してどれだけ柔軟に対応、決断できるか
3.個人個人の能力に対する理解、適切な人員配置、評価としての報酬

これらの要素と評価について、従業員のエンゲージメントの現状を把握できる調査(エンゲージメントサーベイ)を実施し、そのスコアから問題点を把握・分析し、エンゲージメント向上のための施策を考えることが必要といえるだろう。

エンゲージメント向上のための施策については、「従業員エンゲージメントが低い理由と高めるための施策とは?」で紹介しているので参考にしてほしい。

世界と比べた日本のエンゲージメント

企業の経営者や人事は、従業員のエンゲージメントを高めるために、環境を整えたり、企業の理念と実際の業務の進め方や従業員個人の目標を同じ方向を向くように擦り合わせたりすることが求められる。

世界の傾向を見ると、国による政治、経済の安定もエンゲージメントに影響を与えていることがわかる。実は日本は先進国の中でエンゲージメントが最下位という結果が出ている。

国ごとのエンゲージメントの詳細な分析結果は、Aon社の下記URLからダウンロードして見ることができるのでぜひ参考にしてほしい。

資料は英文だが国ごとの統計の数値をまとめた比較表や、エンゲージメント度合いをマッピングした世界の分布図は見やすくまとまっているので、言語に関係なくビジュアルに理解しやすいものになっている。

Aon社のエンゲージメント分析結果

まとめ

日本のエンゲージメントの度合いが著しく低いのは、不満があっても会社を辞めない、長く1社に勤めることに価値を見出しやすいという、これまでの日本の社会的な背景もあり、決して日本人の労働意欲が低いから、とも言えない。

今後は『同じ会社に長く務め続ける』ことを価値とするやり方ではなく、『個々の従業員の資質や才能という本来の価値を評価する』ことで従業員のエンゲージメントをあげることが、労働環境の過渡期にある日本企業の課題と言えるのではないだろうか。

 

参考リンク

関連記事

close
資料ダウンロード 健康経営に関する意識調査レポート 2018-2019 「働きがい」の源泉とは何か? 無料 資料ダウンロードする