働き方改革を実現する為に必要な生産性向上と健康経営とは

2018.10.12 
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働き方改革を実現する為に必要な生産性向上と健康経営とは

政府が第一声を上げて始まった働き方改革。

企業は時間短縮やテレワーク、残業規制などの短期的な取組みを実施するとともに、生産性向上や健康経営といった長期的な施策にも取り組んでいかなければならない。

今回は人口の減少により総労働生産人口が落ちていくことや、終身雇用制度の崩壊が進み、さらに成果主義となっていく世の中の流れの中で、働き方改革を進める上での生産性向上、健康経営について考える。

目次

社員の健康についての施策は経費ではなく投資という考え方

働き方改革については政府、企業(経営陣)や雇用者、雇用される側それぞれの視点によって見えるものが違う。

政府の視点としては急速に人口減少が進行する中で労働力を確保することが急務であり、働き方改革をベースにした健康経営による労働力の確保や、企業価値の向上による経済の活性化、消費の拡大が実現できれば税収による財源の確保につながる。

そのためには労働従事者の健康状態は、重要な鍵であり生産性の向上を目指す中で大前提の条件となる。そして、生産性向上の取り組みは企業価値向上にもつながることにより、政府は健康経営に力を入れ生産性向上の後押しをしている。

一方企業の視点で見ると生産性向上や企業価値の向上は日頃からのミッションであることから、政府の推進する働き方改革の大枠の中でその目的は同じ方向を向いている。

その中で従業員の健康についての施策がこれまで経費として捉えられがちだったところが、経済産業省による健康経営銘柄の選定が始まったことで、はっきりと企業としての投資という位置付けに変わったことが新たな一面となっている。

健康経営を進めていく上で注意すべきこととは

ここ数年の社会的な状況としては健康経営の観点からも過労死の問題など、従業員の健康面に配慮するために時間外労働の削減に焦点が当たっており、働き方改革法案では罰則付きの残業制限が2019年4月から導入される。

本来残業時間の短縮は業務の効率化、生産性向上の結果として達成されるのが順当だが、健康面への配慮から残業規制を行うことで生産性向上をせざるを得ない状況が作り出されるという逆の手順になっている点については、企業としては考慮しなければならない。

生産性の向上が図れなければ当然どこかにしわ寄せが生じてしまうことになる。

そしてもう一点、短期的に残業規制が行われることで人件費はかなり縮小されることになる。ここで企業が目先の利益を優先させてしまうことに注意が必要だ。

被雇用者の視点から見るならば残業代は大きな収入源であり、2018年3月のみずほ総合研究所の試算では残業規制による収入減少が一人当たり年間87万円、日本全体として5.6兆になるのに対して被雇用者の収入を減らさないためには3%以上の賃上げが必要だという。

残業代は被雇用者にとって生活の糧になっている部分もあり、もしこれが担保されなければ、消費を抑える方向に動くことは避けられないし、モチベーションにも影響が出る。

このことに対処して成功している企業がある。

味の素株式会社は2017年に所定労働時間を20分短くし終業は16:30、基本給を一律1万円あげている。味の素が目指すのはグローバル企業トップ10入りだ。そのために働き方改革は重要な経営戦略の一部を成している。

まとめ

働き方改革の目的は経費の削減ではなく、あくまでも企業全体として被雇用者の健康に配慮することで生産性向上に繋げることである。

健康経営はそのための手段であり、残業制限が来年から施行される動きとなっているのも、生産性向上の取り組みの一環として行われる。

被雇用者が健康で生き生きとした人生を送るために、企業側が働きやすい環境を作ることで生産性を上げ、そこから得られた利益を企業、被雇用者、社会経済の中で大きく循環させることで社会全体の利益につながっていくことになる。

 

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