健康経営とは?取り組み事例から見える施策に成功した企業の共通点

2018.09.06 
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日本の労働者健康状況の現状について

平成24年に厚生労働省が実施した労働者健康状況調査によると「仕事や職業生活でストレスを感じている」と答えた労働者の割合は60.9%。
非常に多くの方が職場にストレスを感じており、特に働き盛りの30代・40代にストレスを感じている人が多い。長時間労働やストレス環境によって生み出されるうつ病などのメンタルヘルスの対象者が増えるといった状況は、企業にとっては大きな問題になる。

健康経営を実現していくことは、労働生産性を高め・離職率を低下させ・企業のイメージアップを図ることで様々なメリットを受けることが出来るようになると考えられているが、実際に取り組むとなると様々な 難しさが出てくる場合が多い。

厚生労働省の2010年の調査によると鬱や自殺による経済損失だけでも単年度で約2兆7千億円という試算が出ている。企業が従業員の健康増進に投資することで実際にどのような利益を享受できるかを見ていきたい。

ある世界的なグループ企業では、世界250社、11万4千人の従業員に健康教育プログラムを提供し、その投資に対して1ドルあたり3ドルのリターンがあったという統計をまとめている。
健康経営のための投資の内容としては人件費、保健指導利用費、システム開発費、運用費、設備費などが含まれる。
それに対しリターンの内容は欠勤率の低下、作業効率アップ、医療費抑制、従業員のモチベーションアップなどで、そこから働きやすい職場として社会的な評価の向上、就職人気ランキングで上位にランクインしたことによる有能な人材の採用、ブランドイメージ上昇、株価上昇など、企業価値を高めるところまで繋がる内容である。

健康経営の施策に成功している企業の共通点とは

健康経営の施策に成功している企業に共通して見られるのは、経営陣が主導する強いメッセージ性があることと、長時間労働の改善である。
長時間労働、残業による食生活の乱れから体調不良や肥満を引き起こしていることを突き止めたある企業が、残業の多い少ないを担当部署ごとにまとめ、可視化することで長時間労働を改善し、有休取得率の向上、欠勤、休職する従業員の減少に効果を出した事例がある。

長時間労働の削減はともすれば従業員の時間外手当の減少など収入に直結する問題であるが、健康経営に成功している企業では、労働時間が短くなることで削減された人件費を賞与支給時に従業員にそっくり還元したり、従業員一人一人の健康に対する取り組みにポイント制を導入して、一定以上のポイントを取得することで資格手当を支給したり、定年後の再雇用時に優遇するなどの取組みを実施している。

従業員にもはっきりとわかる利益がある形で還元することで、長時間労働の削減が人件費のカットを目的としたものではないことを示し、従業員の健康や就業に対するモチベーションを高めることがポイントとなる。

以下は経済産業省が発行している健康経営に関する資料で、具体的な事例がいくつか紹介されているので、参考にしてみるのもよいだろう。

「元気な会社は始めている 健康経営を考える会議。経済産業省の読むワークショップ」

「健康経営ハンドブック2018 経済産業省×東京商工会議所 vol.3」

参考リンク

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