エンゲージメントとロイヤルティの意味の違いとは?会社と従業員の関係性

2018.07.06 
4,903

エンゲージメントの意味とは、人事領域においては会社と個人の相互が理解を深めていきながら従業員が会社に対してもつ愛着を意味する。
従業員エンゲージメントが高まれば会社の方針に対し一体的に従業員の潜在能力を引き出し、会社として最大限のパフォーマンスを発揮できる。

ロイヤルティとは、意味合いとしては会社に対する「忠誠」や「忠義」を意味する用語である。
エンゲージメントが会社と個人が上下関係のないフラットな関係であることに対し、ロイヤルティは会社が個人に対して強い上下関係となっている状態を指す。

関連リンク:従業員エンゲージメントの意味とは?エンゲージメントを高めるために人事にできること

エンゲージメントとロイヤルティの違いとは?

冒頭で紹介していたエンゲージメントとロイヤルティという言葉をもう少し掘り下げると、次のような表現ができる。

エンゲージメントとは

エンゲージメントには、会社と個人との親密度や絆の強さといった意味が含まれる。従業員が会社に対して愛着や愛情を持つことを通して、組織にも貢献してもらうという上下関係のないフラットな関係であることを示す。

ロイヤルティとは

ロイヤルティには、忠誠や忠義といった意味が含まれる。会社と従業員の主従関係をベースに、主人である企業に対して従業員が身も心も組織に捧げるという、会社と個人の強い上下関係を示す。

両者の内容からもわかるように、エンゲージメントとロイヤルティという2つの言葉はまったく違う意味合いを持つことをご理解いただけるだろう。

この2つの言葉の意味を意識せずに経営者や人事担当が使用することは、組織運営を進めていく上ではもちろん、対外的な印象においても自社の意図とは異なる方向に印象づけられてしまう場合があるので注意が必要だ。

現代社会に則した企業運営を進めていくには?

戦後から数年前までは、経済成長に乗り遅れない、最新技術で世界に追いつくといった気概から、常にチャレンジャーとして日本企業は挑戦し続ける必要があった。
こうした背景から、自らの時間も技術もすべてを使って貢献できるロイヤルティの高い人材が求められていたのだ。
会社への忠義心が高い従業員が持つ個人能力の高さによって、当時の日本経済や組織は支えられていたとも言い換えられる。

しかし時代は移り変わり、従業員たちは自身の「企業における働きがい」を見直すようになり、「なぜその企業で自分が働くのか?」といった企業に所属することの意義や理由を強く考えるようになった。
企業に愛着を持つという形で、自身が働く意味を求めはじめたのである。

とくに若い世代においては、「従業員とはいえ、企業と個人は対等な関係で結ばれており、ともに成長をしていきたい」という思考が浸透しつつある。
さらに高度成長期の象徴でもあった「終身雇用制度」、「年功序列」などの考え方は、もはや当たり前でない。

つまり、これまで築かれていた強い主従関係による企業と従業員の結びつきから、企業と従業員がよりフラットな関係となるエンゲージメントへ施策をシフトすることが必要なのだ。

また、従業員エンゲージメントが向上すると、従業員一人ひとりのパフォーマンスが上がり、企業の生産性が向上するといわれている。
エンゲージメントを推進することで達成される生産性向上とは」では生産性向上の視点から、エンゲージメントと従業員満足度や従業員のモチベーションとの違いを解説しているので参考にしてほしい。

会社の課題を知るエンゲージメントサーベイ

企業における従業員エンゲージメントがどの程度なのかを知ることは重要だ。
それを調査する方法が、エンゲージメントサーベイである。一般的にはアンケート調査が使用されている。

エンゲージメントサーベイを実施する際は、自社の目指す「会社と従業員の関係」を明確にし、その影響要因と考えられる指標を設定する必要がある。

その指標をもとに質問項目を考え、アンケートを実施する。そうすることで自社が目指す状態と現状とのギャップを知ることができる。さらに、エンゲージメントサーベイの結果を分析し従業員エンゲージメント向上のための施策を検討・改善することで、そのギャップを埋め、自社が目指す会社と従業員との関係性の実現に近づくだろう。

従業員エンゲージメントを高める施策を考える際は、成功企業の事例を参考にするとよいだろう。「従業員エンゲージメントが低い理由と高めるための施策とは?」では、従業員エンゲージメントを高めるためのポイントなどをまとめているので参考にしてほしい。

まとめ

企業形態や組織のあり方から、企業と従業員の関係性においてエンゲージメントを採用した方がいいのか、ロイヤルティの考えで進めた方がいいのかは異なる。

従業員とどのような形で向き合っていきたいのか、将来的に辿りたい成長過程なども加味した上で方向性を検討することが、企業とその方針決定の中核を担う担当者に求められるだろう。

エンゲージメントサーベイの実施により、企業やその経営陣が従業員の気持ちの変化をいち早く感じ取り、経営の舵取りをどこまで変えられるかが重要なポイントである。

参考リンク

関連記事

close
資料ダウンロード 健康経営に関する意識調査レポート 2018-2019 「働きがい」の源泉とは何か? 無料 資料ダウンロードする