第3回

テクノロジーによる「学びの習慣化」でナレッジの共有・アウトプットの質向上を実感。
営業現場に新たな教育研修ツールが受け入れられ、定着した理由に迫る。

Introduction

企業にとって営業社員のスキルを向上させることは、売上や業績アップに直結する重要な取り組みの一つだ。しかし、多くの企業では営業社員が日々の目標・ノルマ達成のための営業活動に奔走しているため、育成に時間を割けず、十分な教育研修を実施できていないという現実がある。また、本来であればスキルレベルに個人差がある営業社員に対しては、一人ひとりに最適な教育研修を提供すべきだが、依然として集合研修に代表されるような画一的な実施のみにとどまっている企業も少なくない。
そうした状況の中、総合情報サービスを展開する株式会社マイナビのアルバイト情報事業本部は、学習プラットフォーム「UMU(ユーム)」を活用し、組織の営業力をアップさせる教育研修の仕組みを構築。「学びの習慣化」を実現させることで、一部の部署では前年比10%増の売上を達成。現在は、実施した研修や勉強会を体系立てて資料整理するマネージャーが増え、メンバーは事業部全体の目標や振り返り、新商品の情報などの確認やコメントの習慣化が促されるなど、様々な効果につながっているという。
今回は株式会社マイナビから、営業現場でUMUを活用した教育研修を実施している近畿東海営業統括部営業統括部長の北村氏、UMUの導入・定着を支援してきた当事業本部の教育研修を担う人材育成課の籏持氏をお招きし、ユームテクノロジージャパン 片桐氏との鼎談を企画。新たな教育ツールを現場に定着させるための工夫やノウハウ、テクノロジーを活用した営業社員教育の実践方法、UMUの導入によって得られた成果などについて詳しく伺った。

営業といえども「上司や先輩の後ろ姿を見て学べ」では
限界があると感じた

片桐氏まずは北村様が所属されているアルバイト情報事業本部の事業内容や提供サービスについて教えてください。

北村氏アルバイト情報事業本部は、アルバイトを中心とする非正規雇用の人材採用を検討されているお客様への総合的な支援をミッションとしています。メイン商材は求人メディアである「マイナビバイト」を中心に、採用管理システムやWeb広告商材など、母集団形成から採用支援、定着支援までをカバーする幅広い商材を提供することで、お客様の人材に関する様々な課題解決をサポートしています。

片桐氏アルバイト情報事業本部の営業の特徴についても教えていただけますか?

北村氏近年の営業組織は、営業フェーズごとにインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった役割が設けられ、分業制が進んでいます。当事業本部でも、インサイドセールスの強化などを図っていますが、一人の営業担当者がアポイントメントから商談、受注、フォローまでを一貫して行うなど、フィールドセールスがワンストップでサービスを提供しています。また、北海道から沖縄まで、全国各地に営業拠点を設け、直販メインで地域密着型の営業を展開しています。

片桐氏北村様は2007年に新卒で御社へ入社して以来、一貫して営業畑で活躍されてきたと伺っています。営業社員への教育研修については、どのようなお考えをお持ちでしょうか?

北村氏私が入社した当時、営業社員への体系的な教育研修はほとんどなかったと記憶しています。入社10日後には現場に配属され、その後は「上司や先輩の後ろ姿を見ながら経験を通して学んでいく」という考え方で組織が動いており、私もそれを当たり前のものとして受け入れてきました。
ただ、2012年に課長へ昇進した際に、これまでの教育・育成方法では限界があると感じるようになりました。当社の課長クラスは基本的にプレイングマネージャーであるため、課の誰よりも多くの予算・売上を任され、誰よりも多くの顧客を担当することが普通でした。当然、部下への教育指導を行う時間も限られますし、私自身も教育らしい教育は何もできていなかったと思います。その頃から「自分一人が売上目標を達成しても組織全体の向上にはつながらない。教育・育成方法を体系化していくことや、役職や年次を問わず、お互いのナレッジを共有していく必要がある」と考えるようになりました。

片桐氏確かに個人の頑張りだけでは限界があると思います。その後の北村様は、どのようなお考えのもとで、どのような研修に取り組んでこられたのでしょうか?

北村氏研修を企画する側からの一方通行や自己満足で終わるのではなく、受講者が研修で学んだことを現場でアウトプットできているか否かを追っていくこと。さらには講師側と受講者側の双方が成長を実感できるような研修にすることが重要であるという考え方に基づき、新卒・中途入社者向けの座学研修、営業ロープレ・営業同行とフィードバックを基本とするボトムアップ研修など、自分が統括する組織内で様々な研修を行ってきました。
とくに近年では、入社2年目以上の若手社員に研修講師を担当してもらうことで、講師側の社員に当事者意識が生まれるなど、「互いに学び合う」という意味では、一定の成果を挙げることができたと考えています。

片桐氏そのような研修を企画・実施する際、課題に感じられていたことはありますか?

北村氏UMUの導入前に関して言えば、研修や勉強会のために作成した資料や動画を体系的に整理できていなかったため、一度行った研修や勉強会の内容を部門全体のナレッジとして活かしづらい状況がありました。「去年と同じことを教えるために、また新しい資料を作らなければならない」というケースも珍しくなかったと思います。

片桐氏研修資料や素材はあるはずなのに、それぞれがバラバラに管理されているために「資産を有効活用できていない」という企業さんのお話はよく耳にします。とくに営業の方々は日々の仕事に追われていることが多いので、「資料を探すよりも誰かに聞いた方が早い」ということになり、他部門以上にノウハウが体系化されにくい傾向があると感じています。

北村氏その通りです。UMUを導入する以前は、まさにそのような状況が続いていました。

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このあと

  • 「いかに学習してもらえるか」学ぶための機能の充実が導入の決め手
  • 段階的な導入ステップを組むことで、スムーズな浸透を実現
  • メンバー同士の学び合い・学習の定着化を促した活用事例
  • あらゆるメンバーが自然にナレッジをアウトプットし、学び合える組織を目指す

について話題が続きます。

Profile

株式会社マイナビ アルバイト情報事業本部
エリア営業統括本部 近畿東海営業統括部 統括部長

北村 諭史

2007年近畿大学法学部を卒業後、新卒で株式会社毎日コミュニケーションズ(現・株式会社マイナビ)に入社。首都圏、関西圏にて人材派遣・人材紹介会社向けの求人メディアの営業に従事。2012年、現在所属するアルバイト情報事業本部に営業課長として異動。以降、大阪・京都エリアの営業責任者を歴任。2017年の営業部長就任以降は大阪エリア・東海エリアを担当し、100名以上のメンバーマネジメントに従事。2020年、東海静岡エリアを管轄する営業統括部長に就任。2021年10月以降は東海静岡に加え、大阪以外の近畿エリアの統括も担当する。

株式会社マイナビ アルバイト情報事業本部
事業推進統括本部 事業推進部 人材育成課 課長

籏持 和樹

2014年関西学院大学総合政策学部を卒業後、新卒で株式会社マイナビに入社し、アルバイト情報事業本部に配属。求人メディア「マイナビバイト」の制作職として、掲載企業の採用活動を支援。2017年より事業支援部門に異動し、研修の開発やBPO組織の立ち上げに従事。2019年より、現在所属する人材育成課の立ち上げに携わる。教育研修・組織開発業務を担い、学習プラットフォームの導入や組織戦略の浸透など各種プロジェクトを担当。2021年10月より同部門課長職に就任。

ユームテクノロジージャパン株式会社
ラーニングコンサルタント

片桐 康宏

早稲田大学商学部を卒業後、日系のERPベンダーを経て独系大手ERPベンダーのEducation部門にてERPを導入する企業へ製品教育やエンドユーザ教育提案を通じてERP導入を支援。その後、米国系タレントマネジメントソフトウェアベンダーにて企業内の人材育成や社外の代理店教育などのためのLMS(Learning Management System)導入提案・活用支援に従事。今後企業に求められる人材育成においてより実践的かつ成果に結びつくラーニングのあり方が必要と肌で感じる中で、UMUのコンセプト、テクノロジーに共感し2019年9月にユームテクノロジージャパンにジョイン。

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