リーダー人材の採用と育成|リーダー人材の育成は新卒採用から始まる採用の見極めポイントと事例紹介

今後の人事課題トップは「リーダー人材の育成」
〜新卒採用の中からいかにして事業リーダーを育成するか〜

次世代の事業・経営を担うリーダー人材の確保は企業の大きな人事課題に挙がっている。未来のリーダー人材を新卒採用の時点でどう見極め、育成していけばよいのか、企業は試行錯誤を重ねているのが現状だ。株式会社ビジネスリサーチラボ代表 伊達 洋駆氏、ファーストキャリア代表 瀬戸口 航氏の両名による講演後は、ProFuture株式会社代表/HR総研所長 寺澤 康介も加わり、パネルディスカッションおよび質疑応答が行われた。

寺澤康介講演:採用・処遇の個別化が進む。
課題は次世代リーダーの育成

2019年6月に実施したアンケート調査(有効回答178件)の結果、2021年卒採用における通年採用について31%の企業が「導入する」と答えました。検討中も含めると53%の企業が通年採用を前向きに捉えています。大学生側では、「もし通年採用になったとしたら、いつから就職活動を開始するか」(対象は大学4年生)という質問に対して、約25%が「3年生の4〜6月」と答えており、かなり早い時期に動く意識がうかがえます。この結果、企業によっては、特に競争の激しいIT系の人材に対して、大学1年生のときから採用活動をはじめることが十分起こりえるでしょう。

通年採用化は個別化への動きを加速させるでしょう。2020年新卒採用でさえ、マス採用と個別採用を併用した企業は32%、個別採用のみの企業は16%あり、マス採用のみを利用した企業(44%)を上回っています。個別化は待遇面にも表れており、2020年卒採用で「特定の職種やスキルを持つ学生に対し、一般の応募者とは別の処遇を提示した」企業が11%存在しています。経団連、大学ともに新卒者へのジョブ型採用を進めることを提言しており、メガベンチャーでは当たり前だったことが、日本の伝統的企業にも及んできているのです。

  • 伊達 洋駆 氏

    株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役

    伊達 洋駆

    神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。同研究科在籍中、2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、人事領域を中心に、組織の現状を可視化する組織診断を始めとした調査・コンサルティング業務を提供している。学術知と実践知の両方を活用したサービスが特徴。共著に『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』(ナツメ社)がある。

  • 瀬戸口 航 氏

    株式会社ファーストキャリア 代表取締役社長
    株式会社セルム 執行役員

    瀬戸口 航

    早稲田大学商学部卒。大手コンサルティング会社にて自動車業界を中心に新規事業開発支援・ビジネスプロセス構築などの各種コンサルティング業務に従事。研修・セミナー講師経験も豊富。その後、事業会社を経て2010年(株)ファーストキャリア入社。2012年にグループリーダー、2013年に企画開発本部長に就任、取締役として企画開発本部長を歴任、2016年4月より現職。

  • 寺澤 康介

    ProFuture株式会社 代表取締役社長
    HR総研所長

    寺澤 康介

    1986年慶應義塾大学文学部卒業。同年文化放送ブレーン入社。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。常務取締役等を経て、07年採用プロドットコム株式会社(10年にHRプロ株式会社、2015年4月ProFuture株式会社に社名変更)設立、代表取締役社長に就任。8万人以上の会員を持つ日本最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」、約1万5千人が参加する日本最大級の人事フォーラム「HRサミット」を運営する。

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