学生が求めるのは「安定」と「やりがい」のバランス? ━━ 2018年就職企業人気ランキング|採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • 11/21開催:キャンリクフォーラム 大学と企業の合同相談会2017

学生が求めるのは「安定」と「やりがい」のバランス? ━━ 2018年就職企業人気ランキング

HRプロ編集部
2017/07/12

株式会社マイナビは、株式会社日本経済新聞社と共同で、2018年卒学生を対象に、2017年の2月から4月半ばにかけて就職人気調査を実施。同年4月26日に「マイナビ・日経 2018 年卒大学生就職企業人気ランキング」として発表した。

文理別、男女別など各上位 100 社の傾向を分析し、その背景を探ってみたい。

会社を選ぶ理由は「安定している」「業界上位」が主流

2018年卒の学生に人気のある企業の傾向を見ると、文系では旅行業関係・金融関係が根強い人気を誇っている。そのほか、エンターテインメント関係の企業や広告代理店・出版関係の企業なども、多くの人気を集めているのが特徴である。

一方、理系では、食品関連・製薬・日用品・ゲーム関連の企業など、普段から見慣れていて親しみやすい製品を扱っている企業が人気企業の多数を占めている。だが一方で、建設業や電気系・化学系メーカーなどの企業名も上位にランクインするなど、理系らしい傾向も見られた。



文系・理系双方に共通しているのは、知名度の高い有名・大手企業が名を連ねていることだ。これは、企業ブランドのイメージが既に彼らの頭の中に刷り込まれており、業務内容が想像しやすい、という点が理由の一つとして考えられる。
また、文系・理系問わず、会社を選ぶ理由が「安定している」「業界上位である」「やりたい仕事ができそう」といった点に集中している。航空関係に限れば「国際的な仕事ができる」も上位に上がっており、理系ではメーカーなどを中心に「技術力が高い」を理由に挙げる者も多いが、全体として見ると「安定」と「やりがい」の2つが主流であると言えるだろう。

若者の安定志向がランキングにも影響か

過去30年間の就職人気ランキングの傾向を見ると、以前から有名・大手企業が名を連ねていた。だが、2010年以降は、大規模な企業グループを抱える老舗企業に加えて、鉄道や航空などの交通インフラ関連企業、保険会社・金融機関などのほか、旅行・レジャー業界も人気を集めていることがわかる。

企業規模の大きな老舗企業や交通インフラ業界、金融業界は、経営基盤が比較的安定しており、「長く働く」という点において手堅い業界である。一方、旅行・レジャー業界は経営基盤の安定性よりも、自社の施設やサービスを利用してもらうお客様の反応が目に見えてわかりやすく、やりがいや手ごたえを得やすい業界であり、その点が人気を集めているようだ。
これらの業界の面から見ても、昨今の学生が企業に求めるものは「安定・手堅さ」と「やりがい」であると言えるだろう。

安定志向の背景にあるもの

これらの安定志向は、今の学生が好景気に沸いたバブルの時代を知らずに育っていることも影響しているのではないかと推測される。生まれたときから不景気で、なおかつリーマンショックや東日本大震災など日本の経済が大きく打撃を受けるような出来事を子どものうちに経験してきた彼らにとっては、体力や資金力のある大手・有名企業に目が向くのも自然なことかもしれない。それでいて、企業で働くのであれば自分のやりたい仕事、やりがいのある仕事をしたいとも考えている。

また、近年「イクメン」「家事メン」などの言葉が流行していることを受けて、将来結婚して子育てをすることも視野に入れて企業を選ぶ傾向も見受けられる。結婚・出産・子育てといったライフイベントと仕事が両立できるような企業に勤めたいと考えれば、おのずと産休・育休や時短勤務制度などが整った大企業に目が向きやすい。実際、大手企業を中心に、産休・育休制度がきちんと整っていること、育休から復帰した先輩社員が企業内で活躍していることを就職活動中の学生にアピールする企業も近年多くなっていると聞く。

「仕事ではやりたくないこともやらなければならないものだ」と教育されてきた中高年の世代にとって、安定もやりたい仕事も求める今の学生は少々わがままに映るかもしれない。しかし、逆を言えば、最近の学生はそれだけ職場環境や自分のやりたい仕事に関して妥協しない姿勢を持っているとも言えるのではないだろうか。

プロフィール

HRプロ編集部

「採用」「教育・研修」「労務」「人事戦略」など、人事がイマ知りたい情報をご提供します。 押さえておきたい基本知識から、最先端のニュース関連情報、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届け。

2019卒版 インターンシップ プログラム作成完全マニュアル申込受付中

関連リンク

  • 企業経営と厚生年金への加入

    給与から天引きされる厚生年金の保険料率は、今年9月から18.3%に引き上げられた。実際には、10月に支払われる給与からこの料率が適用される。厚生年金の保険料率はついに最高料率の時代を迎えることになる。ところで、企業が厚生年金に加入して保険料を納める行為には、どのような意味があるのだろうか。

  • いいとこ伸ばしとモチベーションアップ

    管理職研修の後に管理職の方と話していると、新入社員や若手社員に対して、褒めるのがいいのか叱るのがいいのかという質問をよく受ける。そこで、ある心理学者E.B.ハーロックの実験をご紹介する。

  • ご存知ですか?このマーク〜人材確保への“遠くて近い”道のり(1)〜

    平成29年5月以降、厚生労働省WEBサイトで毎月更新されている「労働基準関係法令違反に係る公表事案」は、コンプライアンスの観点でのいわゆる“ブラック企業”リストと呼べるだろう。 いっぽうそれとは対照的に、労働安全衛生や両立支援、女性活躍、若者雇用等に優れた事業者を省庁レベルで認定・公表する制度もまた、存在している。 全4回にわたる連載の中で、これらの認定を示すマークをご紹介し、人材確保へ向けた課題解決の糸口をお示ししたい。

  • 「自宅の近くにサテライトオフィスがあれば働ける可能性のある人」は135.9万人 ―― パーソル総合研究所が潜在労働力の推計調査結果を発表

    総合人材サービス、パーソルグループの総合研究機関である株式会社パーソル総合研究所は、サテライトオフィスの設置により、何人の潜在労働力を顕在化できるかを推計する調査「サテライトオフィス設置による雇用創出推計」の結果を発表した。

  • 飲みニケーションに頼っていないか?部下から相談を受けたときの対応方法

    ある企業で管理職研修をしていた時に、このような事例についてどのように対応するか聞いてみた。 「部下に普段とは違う仕事上のミスが目立ち、ひどく元気がないようにみえる。あなたは上司としてどのように対応するか?」 1. そのうち慣れるだろうと考えこのまま様子をみる 2. こんなミスは君らしくないと鼓舞する 3. プレッシャーが強すぎたのだろうと考え、責任者を他の人と変わってもらう 4. 体調が心配と思い本人に声をかけ、就業時間中に話を聴く 5. 体調が心配だが終業時間中に話を聴くのははばかれるので、居酒屋で飲みながら話を聴く

  • 「未払残業代請求」における背景と対策

    「未払残業代請求に関する無料相談なら、〇〇法律事務所へ!」 上記は、ラジオから流れてくるCMだ。ブラック企業大賞なるものも毎年発表されているように、長時間労働に対する監視・監督の目は厳しい。にもかかわらず労務管理がずさんであったり、認識不足もしくは無知・不十分等、対応が遅れていることによって未払残業代を請求されたり、請求されるリスクを負っている企業が多いのではないか。