大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:大野直竹)は、2018年度の新卒採用活動で独自のユニークな採用活動を展開する。

その採用活動の内容とは、(1)就職活動生の保護者を対象に説明会を行う「就活生の保護者対象会社説明会」、(2)面接に再度チャレンジできる「再チャレンジ選考」、(3)初任地を確約する「配属エリア先約型採用」の3つ。それぞれどのような制度なのか、詳しく見ていきたい。
大和ハウス工業が「就活生の保護者対象会社説明会」「再チャレンジ選考」「配属エリア先約型採用」を実施

3つのユニークな採用制度とは

(1)就活生の保護者対象会社説明会
近年、就職活動中に自分の将来のことについて保護者に相談しながら就職活動を進める学生が多いことから、就職活動をしている学生の保護者に向けた説明会を実施する。

説明会では、会社概要や各事業の業務内容、福利厚生、人事制度などについて説明。わが子が入社するにあたり、保護者に不安を払拭し、安心感を持ってもらうことが狙いだ。

(2)再チャレンジ選考
入社意欲や志望度が高いものの、面接で十分に力を発揮できず次のステップに進むことができなかった学生を対象に、希望があれば再度同じ面接を再度受けられるようにする「再チャレンジ選考」を行う。

この制度は、同社の創業者・故石橋信夫氏が遺した企業精神「営業は断られたときに始まる」を反映したものだ。この精神のように、「何かに挑戦して失敗しても、その壁を乗り越えようとする学生こそ積極的に採用したい」という同社の意図から実施する。

このような「敗者復活戦」を行う企業は極めて稀なケースであろう。上層部が徐々に世代交代をするにつれて採用活動に対する考え方が変わり、採用の手法がより柔軟になってきたことが感じられる。企業側における人材確保への危機感のあらわれも、このような「敗者復活戦」が作られた背景のひとつであろう。

(3)配属エリア先約型採用
入社意欲が高く地元志向の強い学生を対象に、先着順に初任地の配属の希望を叶える制度である「配属エリア先約型採用」も同社が行うユニークな選考のひとつ。社会人生活を地元からスタートさせたい学生を狙う。また、早々に勤務地が決まるため、家探しを早期に始めることができることも学生にとってメリットだといえる。
ただし、最初の赴任地を選ぶことはできても、将来的には全国各地へ転勤となる可能性がある。


大和ハウス工業では、採用もさることながら、「育てる」「活かす」「支える」の観点から働く社員をバックアップする育成環境が整っている。

まず、「育てる」の観点からは、基礎研修の終了後、工場の現場に赴いて施工や商品、その品質について実地で学ぶ「現場実習」を行う。また、各事業所に配属された後は主任職クラスの先輩社員が「OJTエルダー」となり、新入社員を実務と人としての成長(人間力)の両面を支援する「OJTエルダー制度」も導入している。さらに、意欲とチャレンジ精神を持った人材を経営幹部として積極的に登用すべく、管理職社員が自由に支店長に応募できる「支店長公募育成制度」も用意されている。

次に、「活かす」の観点からは、新規に立ち上げる事業やプロジェクトに対して意欲に満ちた人財を適切なポジションに配置する「社内公募制度」が設けられている。社員の自発的な参加を促すことで事業やプロジェクトがより活性化し、業績アップなど同社にとって良い影響をもたらすことを期待してのことだろう。

「支える」の観点からは、家庭の事情から今の勤務地で働くことが難しくなった場合に、勤務が継続できるよう特定地域への異動を申し出ることができる「希望勤務地選択制度」がある。また、子どもが誕生したときに、子一人につき100万円の祝い金を支給する「次世代育成一時金制度」も設けられている。さらに、子どもが3歳になるまで育休を延長できる制度や、小学3年生の終わりまで勤務時間を最大2時間短縮できる時短制度も用意している。

チャレンジしたい社員にはチャレンジできる機会を与え、ライフイベントや配偶者の転勤などで思うように働けなくなった社員には働きやすくなるよう配慮する。このような制度を設けることで、同社が働きやすい会社であることをアピールできると同時に、ライフステージの変化による優秀な人財の離職を防止する効果も生まれるだろう。

保護者にいかに安心感を持ってもらえるかが鍵に

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