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  • キャンリクフォーラム 大学と企業の合同相談会2017

働きやすさの「見える化」(4)健康経営で社員も会社も元気になる!


2017/03/08

全6回にわたり、日本企業が今後労働市場から求められる「働きやすさ」をどのように「見える化」し、持続的な企業価値向上につなげていくべきかを考察・提案する連載コラムの第4回目。

今回も引き続き、具体的な事例を交えながら、その実践方法や健康課題の特徴について、業種や職種パターンごとにご紹介していく。

健康課題の“第3象限”〜運送・医療等現業職〜の実践方法

*前回記事はこちら

今回の本論に入る前に、いまいちど前回記事でも示した「健康課題マトリックス」を再掲しておく。
4つの象限のうち、第1、第2象限については前回記事で紹介しているため、先にそちらをご拝読いただくとより理解がスムースになるためご参照いただきたい。



 健康課題マトリックス上で表現される4つの象限それぞれの特徴のうち、前回記事に続き第3象限(左下)を記述すると「非デスクワーク中心で生活リズムが不規則」な状態を指すことになるが、そのような業種または職種をここに当てはめてみると「運送・医療等現業職」ということになろう。
具体的にはタクシーや長距離トラックの運転手、夜勤のある看護師や介護士などが該当する。

 この「運送・医療等現業職」一般の作業態様として、シフトにより勤務間インターバルの長短が不規則になる、長時間・同姿勢の作業がともなう、という特徴が挙げられるが、それによる血流悪化や習慣としての就寝前飲酒、飲酒日数、喫煙頻度が目立つ傾向にある。
 特に血流悪化が脚部に現れると血栓の生じるリスクが、また腰部に現れると腰痛の生じるリスクが高まり、実際のデータ(厚生労働省「業務上疾病発生状況等調査」)でも自動車運送業従事者の定期健康診断有所見率は、ここ十年以上全産業平均よりも高い傾向で推移している。
 さらに運送業従事者全体で見ても、メタボリックリスクや喫煙率においても上位を占めている(全国健康保険協会東京支部「2013年度健診結果(35歳以上)」)。
 主な対策としては、次のような行動が一般に効果的である。

 ・血流改善のためのストレッチや短時間の体操
 ・メタボ対策のための運動習慣づくりや栄養指導
 ・禁煙・分煙に向けた取り組み


 また、実際の活動事例として、たとえば次のような実践が報告されている。

 ・全営業所に血圧計を設置し、トラックドライバー含む全従業員に1日1回の血圧測定を奨励。(株式会社ヨシダ商事運輸)
 ・毎朝、全社員の体重測定のほか、スポーツ大会や健康セミナーを実施。(東京都の運送会社)
 ・乗務前にドライバーの血圧を測定し、異常値であれば運行管理者から乗務を控えるよう指示。(京都府のタクシー会社)

(上記事例は経済産業省「『健康経営優良法人2017』認定法人一覧」各認定事業者HP、東京商工会議所『東商新聞News & Opinions(2015.10.20号)』、東京商工会議所『健康経営アドバイザー研修 初級テキスト』より抜粋)

健康課題の“第4象限”〜営業・接客業等事務職〜の実践方法

 最後に、健康課題マトリックスの第4象限(右下)の特徴を記述すると「デスクワーク中心で生活リズムが不規則」な状態を指すことになるが、そのような業種または職種をここに当てはめてみると「営業・接客業等事務職」ということになろう。
具体的には外回り中心の営業職や理美容業・宿泊業などの接客サービス職、IT系システムエンジニアなどが該当する。

 この「営業・接客業等事務職」一般の作業態様として、顧客の都合に合わせて行動する、立位または座位による長時間連続労働、といった特徴が挙げられるが、このような労働に従事する者は就寝直前の食事、1日1〜2食の欠食習慣、それにともなう間食の乱れといった傾向があるといわれており、血糖値が高止まりするリスクが高いといえよう。
 主な対策としては、次のような行動が一般に効果的である。

 ・糖分を多く含む甘味や清涼飲料水、ひいては間食そのものを控える
 ・朝食を習慣づけ、食生活の乱れを整える


 また、実際の活動事例として、たとえば次のような実践が報告されている。

 ・店舗マネージャーが毎日の朝礼時に健康にまつわる“小ネタ”を紹介し、健康に対する意識を高める。(東京都の理美容業会社)
 ・シフトや営業体制を見直し、個々の従業員が確実に昼食時間を確保できる仕組みをつくる。(同社)
 ・事業所設置の自動販売機のメニューを変え、甘い清涼飲料水を控える。(同社)

 本稿でご紹介したいずれの実践例においても、高額な予算や部署の新設、長期の計画等は必ずしも要していない。経営資源の限られがちな中小企業においても、健康経営は十分実践可能であることがおわかりいただけただろうか。

 次回は健康経営の取り組みに有効な外部リソースの活用について、公的機関・民間機関・助成金の観点から、それぞれご紹介していく。

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です


社会保険労務士事務所 そやま保育経営パートナー
代表 健康経営アドバイザー 楚山 和司
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