人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • キャンリクフォーラム 大学と企業の合同相談会2017

デキる経営者とは?

HRプロ編集部
2015/09/24

筆者がこの仕事に携わって13年目を迎えている。これまで数多くの人格者である素晴らしい経営者の方々に出会うことができた。が、残念ながらそうとは言えない方も少なからずいた。そこで今回は、中小企業の経営者として「デキる経営者」の共通項を筆者の視点で考えてみたい。思うに「デキる経営者」にはみな共通項が存在するからだ。なお、本稿でいう「デキる経営者」とは、社員の定着率が良く、着実に業績をあげている会社の経営者を指している。

私の考える「デキる経営者」共通項3点

1.自らの答えを持って相談する!
 筆者の事務所では日々労務問題が持ち込まれる。その際、内容にもよるが、デキる経営者は、問題に対処する何らかの自分の“解”を持った上で相談に来られることが多い。そして更に、頭の中では筆者がアドバイスした点を勘案しつつ自らの解を客観的に分析した上で、自らの解に不都合があれば修正する作業を協議の最中に行っている。だから決断力があり、解決するまでのスピードが非常に速い。時間は有限の経営資源である。問題に対処する時間というのは、ある一面では非生産的な時間と言える。生産的な事柄に時間配分を費やすべく、「時間」を意識した行動の表れと言うことができよう。

2.「◯◯ない」とは言わない!
 「知らない」・「できない(無理・不可能だ)」・「聞いてない」・「わからない」という言葉を決して遣わない。自身の経営する会社のことであれば、どんな些細な事柄であってもだ。口でどうこうではなく、最終的な全責任を自らが追っていることの覚悟である。この覚悟で臨むからこそ、社員達もついてゆく。
 例えば、昨今の度重なる法改正で労働環境は目まぐるしく変化しており、以前に比べて経営がしづらくなっていることは否めない。法改正をすることが良いことなのか、悪いことなのかは別として、対応しなければ違法状態に陥るのであれば何らかの手を打たなければならない。この時、デキる社長は“どのようにしたら対応が可能か?”あるいは“問題がクリアされるか?”という視点で行動に移す。今すぐに対応できない箇所はピックアップした上で計画を立てる。これに基づき全社に移行の段取りの号令をかけ、その後のチェックも欠かさない。
 これがダメな社長の場合、自らが動けば簡単に解決できるような問題であったとしても「(担当者に任せているから)自分はわからない」、「知らない」を繰り返して問題から逃げてしまう。また、自社の経営環境や景気等の外的要因を持ち出し「できない」として問題を先送りする。

3.自社社員への敬意!
 求人募集に応募した求職者に対し、応募してきてくれたことに対し感謝の意を伝えてから面接に入る社長がいる。面接中の対応も、応募者と対等な関係を築きながら話を進め、雇ってあげようかどうしようかといった上から目線な態度は決してとらない。
 在籍する社員に対しては、日々自社の仕事に精を出してくれていることに感謝し、社員が気持ち良く働けるようにするためにはどのような環境にすべきかを不断に模索し実行に移している。なぜなら、社員の労働環境における意思決定を持つのは経営者に他ならないからだ。そして、社員の満足を第一に考える。会社で大切にされる社員は、会社のお客様を大切にしようとする。社員が気持ち良く働ける職場環境が創造できれば、経営効率があがることを熟知しているからである。
 もっとも、ここで断っておきたいのは、単に社員に迎合している訳ではないということだ。問題社員がいれば厳正な対処をするし、苦渋の決断もする。しかし厳正対処の流れの中においても、一方的に切り捨てるのではなく、事情を聴いて可能な限り守ろうとする。自社のために働いてくれる貴重な社員の一人だからだ。
 一方のダメな社長は、自らの経営者としての能力は棚に上げ、自社の社員をバカ呼ばわりし、お客様第一!と言って社員には見向きもしない。会社に大切にされない社員がお客様に満足を与える仕事をしようと思うだろうか。

おわりに

 最後に総括しよう。上述したこれらこそ、リーダーシップに係る一つ一つの具体的な思考・行動であると筆者は考える。そして、これらは経営者にしかできない事項である。換言すれば、これらの思考・行動をとる(あるいは、とらねばならない)から経営者なのだ。どれもみな当たり前のことを今さら…と思われたとしたら、経営者としての職責を全うされている証だろう。しかし、当たり前のことこそ簡単なようにみえて実際できていないものである。

生意気にも「デキる経営者」をテーマに共通項を示したが、筆者自らの襟を正す意味でも執筆したことにご容赦いただき、今後の参考としていただけたら幸甚である。


SRC・総合労務センター、株式会社エンブレス 特定社会保険労務士 佐藤正欣

著者プロフィール

HRプロ編集部

「採用」「教育・研修」「労務」「人事戦略」など、人事がイマ知りたい情報をご提供します。 押さえておきたい基本知識から、最先端のニュース関連情報、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届け。

HRproBooks 全6タイトル 絶賛発売中!

関連リンク

  • 大和ハウス工業が「就活生の保護者対象会社説明会」「再チャレンジ選考」「配属エリア先約型採用」を実施

    大和ハウス工業株式会社(本社:大阪市、社長:大野直竹)は、2018年度の新卒採用活動で独自のユニークな採用活動を展開する。 その採用活動の内容とは、(1)就職活動生の保護者を対象に説明会を行う「就活生の保護者対象会社説明会」、(2)面接に再度チャレンジできる「再チャレンジ選考」、(3)初任地を確約する「配属エリア先約型採用」の3つ。それぞれどのような制度なのか、詳しく見ていきたい。

  • 健康経営の広がり

    継続的な企業経営には、社員の成長と活躍が不可欠であり、その基盤は“健康”であることに疑いないが、従来、社員の健康問題は自己責任と捉えられる傾向があった。 しかし、近年では社員の健康問題も経営課題と捉える「健康経営」の考え方が広まってきており、経営的な視点、戦略的な実践が企業に求められるようになった。 日本政府の“日本再興戦略”を受けて2015年から始まった東証一部上場企業の健康経営銘柄の選定、ホワイト500の認定など、国全体で健康経営に取り組む企業を評価する動きが進んでおり、東京商工会議所も中小企業への浸透を目指し、昨年から健康経営アドバイザーの認定研修を始めるなど、広がりを見せている。

  • インターンシップに注目! 17年卒採用の振り返りから見えてくる18年卒採用動向

    16年卒採用、17年卒採用と2年続けてスケジュールが変更となり大きな混乱を招いた新卒採用。18年卒採用は前回と同じく3月1日に企業説明会が解禁、選考も6月1日に解禁となる。 18年卒の新卒採用を成功させるためには、何が有効なのか。どういった点に注意すべきか。17年卒採用を振り返り、考察してみたい。

  • ストレスチェック実施後の経営戦略

    平成26年の労働安全衛生法の改正により、平成27年12月1日から50人以上の従業員を抱える企業等に「ストレスチェック」の実施が義務づけられた。すでに1年以上が経過したが、報道によると実施率はあまり芳しくないようである。

  • 働きやすさの「見える化」(5)健康経営で社員も会社も元気になる!

    全6回にわたり、日本企業が今後労働市場から求められる「働きやすさ」をどのように「見える化」し、持続的な企業価値向上につなげていくべきかを考察・提案する連載コラムの第5回目。 今回は業種・職種を横断して事業主に求められる「メンタルヘルスケアと感染症予防対策」に焦点をあてて解説していく。

  • 富士通が全社員35,000人にテレワークを導入、「三位一体の働き方改革」とは?

    2017年2月28日、富士通株式会社は同年4月21日から全社員約3万5000人を対象に「テレワーク勤務制度」を正式導入すると発表した。 同社では、この制度の導入により自宅はもちろんサテライトオフィス、出張先や移動中など場所にとらわれずにフレキシブルな働き方が可能になるとしている。2015年からすでにテレワークを試行しており、2年間で延べ1,200人が利用した結果、生産性が向上し、セキュリティ上の安全性が確認されたために正式導入が決定したという。