4月になり、今、企業では新人教育のまっさかりだと思います。
私も何社かの新人研修で「絶対に達成する技術」をお伝えする研修の講師を行っています。
新人研修期間は、会社によって様々です。一週間程度で配属させる会社もあれば、数ヶ月間バッチリ研修を施したあとに現場で即戦力として配属させる会社もあります。
いずれにしろ一定の研修期間がある会社がほとんどでしょう。

ところで、研修期間の「日報」はどのようなワークシートで運用していますか?

一般的なものは上位部に「氏名や日付」、中ほどに「学んだこと」下の方に「感想」といったものでしょう。
毎日新人に学んだことを振り返らせ、学びを定着させようとするものです。
最下部にフィードバック欄をもうけて、研修担当者から赤ペンでコメントを書くというパターンもあります。
アドバイスでさらに学びを深めようとするものです。

このような「日報」の運用はとてもよいのですが書かせ方に問題があります。
単純に、「学んだこと」欄にしてしまうと、単に研修で教わったことを羅列するだけになってしまったり、「感想」欄には、思ったことを書く程度にとどまってしまい、学びに深みがないのです。

私は「日報」は、単なる記録ではなく、「新しい気づき」を誘発するものでなければならないと思います。

新しい気づきを導くには、ワークシート上の「問い」を工夫する必要があります。

それが
「あなたが学んだことは何ですか?」

に続き
「あなたが学んで新たに気づいたことは何ですか?」

という問いです。

「新たに気づいたこと」
これは新しい知識を知って「理解した」ということとは違います。

自分が得た学びに関して、今まで考えたこともなかったことや感じたことがなかったことを、新たに「創発」したということです。

まさに「発見」です。

何の説明もせずに「気づきを書きなさい」というと、一部の新人は単に理解した内容を述べて「・・・ということに気づきました」と言います。

「ちょっとまってください。それは単に知ったこと、情報でありあなたの新たな気づきではないですよね?」

と聞くと、「うーん」と唸り始めます。
そこから、しっかり深く考えるということを始めるのです。

研修において、「わかったような気になってしまう」というのが一番問題と思います。なんでも疑問をもって深く考えて欲しいのです。
ときには、当たり前と思ったことを「本当か?」と考え直すことも大事です。

そして疑問を講師や研修担当者にどんどんぶつければよいと思います。
それが新人の特権なのですから。

どうでしょうか。皆さんの「日報」はどう運用されていますか。
たんなるホウレンソウの道具では勿体無いですよね。

さあ!
『研修担当の皆さん! 「日報」を改良して深い学びにつなげよう。』
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~やりっぱなし研修撲滅宣言~
「研修」が変わる「行動」が変わる45の具体策

永谷研一著
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(書籍版)
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(Kindle版)

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