前々回の第42回コラムで、「内省での感情との向き合い方」を書きました。
以下、その内容の引用をして、再度ご紹介いたします。
感情に触れるのが怖い人や避けたい事情がある人がいるのは当然ですが、
一番多いのが「私はこういうタイプの人間だから」と決めつけてしまう人です。
(中略)
どうしても本音にたどり着けない方は無理をせず
(中略)
「本音の感情を書き出せない自分がいるが、それはなぜだろうか」
と自問するのです。
(中略)
すると自分をまるで他人のように見る事ができます。

「第42回 内省での感情との向き合い方」はこちら
人間は感情の動物。自分の感情との内なる会話が、次なる行動へつながります。
いくらロジカルに理解できても、最後に感情にアクセスしなければ行動に結びつきません。

「感情を書くことがそんなに大事なのですか?」と時折尋ねられます。
「はい。行動につなげる内省にしたいならとても重要です」
とお伝えしています。
もしどうしても感情が書けないなら
「本音の感情が書けない自分がいる。それはなぜだろう」
と書き込んで下さい。
書く理由は自分との会話をしたいから。客観的に自分を見つめるためにはとても有効な手段です。

もう一つ他者とのコミュニケーションにおいても感情にアクセスすることが有効である事例をお伝えしましょう。

よくある部下と上司の会話です。
仕事をうまくやった部下をモチベートしようとしている上司がいます。
一番よくある声かけが

「よくやった!次も頑張れ」
です。確かに褒められて部下は嬉しいでしょう。しかし感情には届いていません。

部下を動かす優れた上司は自分の気持ちを添えます。
「よくやった!俺は嬉しいよ」

このように言ってもらったほうが部下は動くでしょう。
それはなぜでしょうか。
それは、上司の感情から部下の感情にアクセスしたからです。

自分の感情を伝えるから相手の感情が震えるのです。

どうでしょうか?
感情はとても行動と関係が深いことがご理解いただけたかと思います。

さあ!
『研修担当の皆さん! 感情に触れる技術を習得させ、行動につなげよう。』
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~やりっぱなし研修撲滅宣言~
「研修」が変わる「行動」が変わる45の具体策

永谷研一著
『人材育成担当者のための 絶対に行動定着させる技術』
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