第一章:パート・アルバイト採用の現状について

ここ最近の厳しい採用環境の影響により、パート・アルバイトの採用代行または採用コンサルティングに関する問い合わせが増えています。
いずれの企業様からのご相談内容も、「人が採れない」「とにかく何とかして欲しい」であり、非常に切迫した状況に陥っていることが伺えます。
もう少し詳しくお話を伺うと、
・求人広告の掲載費用が昨年より高くなっている。
・求人広告を掲載しても1掲載あたりに集まる応募者が減っている。
など、「媒体経費を増加し続けても応募者が思った以上に集まらない」または、「応募者自体が減っている」「どうしたら応募者が集まるのか」といった問題意識や課題を持たれております。どうしたらもっと応募者を集められるのかという母集団形成に関する相談が大半を占めます。
ここで採用マーケットの環境を振り返ってみます。

~採用マーケットの現状~

下記のグラフは求人広告の掲載数と全国平均の求人倍率のグラフです。ご覧のとおり掲載件数と求人倍率は年々増えており、平成27年2月時点では、4年前の平成23年2月時点と比べると約2倍まで増加しております。また、求人倍率も0.75から1.14と大幅に増加しており、売り手市場にあることがわかります。
第6回 パート・アルバイトの採用で困っていませんか?~第1章
この数値からも分かる通り、採用環境は厳しさを増しており、以前のように媒体を出せばある程度は応募者が集まるという状況ではありません。この環境は現時点では、さらに継続する、または増々悪化することが予想され、応募者数の減少はマーケットの状況からは避けられない環境であると言えます。

  つまり、この環境下においては、「媒体経費も増やさず応募者を増やす」ということは非常に困難であり、特に劇的に応募者を増やすことや、媒体費用を下げるというような魔法や秘策は存在しないということをまず前提に考えることが必要です。
  多くの企業様では、この環境を理解や実感しつつも、「応募者を増やす即効性のある秘策は無いのか?」ということに関心の多くが向けられており、前述のご相談の様な状況となっていると思われます。
 
  ここでハッキリと断言できるのは、
「応募者を劇的に増やす即効性のある秘策は無い!」
ということです。

  応募者を増やすためには、適切な媒体運用や応募チャネルの活用だけで無く、採用ブランド力を高める必要があります。採用ブランド力は当然求人媒体におけるPRによるものだけではなく、企業そのものの魅力(企業価値・仕事・働く人・風土・職場環境・労働環境などなど・・)であり、ブランド力を高めるために相当の時間や費用を要し、全社の課題として高めていく必要があります。

  当然ですがブランド力を高めていく努力をしていくことは、経営上・事業運営上も重要な課題として継続的に取り組む必要があります。しかし、採用は緊急の課題であり、事業運営に直接的に影響を及ぼすことから「時間を掛けて応募者を増やしていきましょう?」などとは言えない状況にあるといえます。

  次回は、「応募者を増やすためにはどうしたらよいのか?」や、企業様が見過ごしている点などを中心にパート・アルバイトの採用のあり方について考えてみたいと思います。
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